企画セッション

ホワイトカラーの業務品質向上に向けて
~トップが語る自工程完結の導入・推進~

進化する自工程完結 ~自工程完結に学ぶホワイトカラーの業務品質向上~

佐々木 眞一 氏
トヨタ自動車株式会社 技監 (一財)日本科学技術連盟 理事長
製品やサービスの良さだけではお客様のご期待に沿えない。お客様の価値を創造する、お客様の課題解決を行う等、新しい企業活動が必要となって来ました。
自動車業界でも100年振りの変革期と言われ、C.A.S.E(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)等がキーワードとして挙げられています。
いよいよホワイトカラーの力量が企業存続の決め手となる時が来たと言えます。
しかし、ホワイトカラーの企業に手戻りやムダが多い実情が課題です。製造現場に比べ業務の標準化効率化が進め難いホワイトカラーの仕事の改善にチャレンジしているトヨタの活動を紹介いたします。

更地からのイノベーション
~SSC(Simple Slim Compact)活動を通じた品質・生産性向上と自工程完結~

魚井 和樹 氏
ダイハツ工業株式会社 エグゼクティブ・アドバイザー
2004年、工場移転とともに立上げたダイハツ九州でしたが、品質・生産性は悪化し挽回生産に追われ、負の連鎖に陥っていました。
従業員の殆どが車づくりを知らない素人集団で、「職場力」の低下が原因でした。
そこで、「更地からのイノベーション」と銘打ち、SSC(Simple Slim Compact)に拘った活動を、ハード(生産設備)・ソフト(スタッフ業務)の両面を同時並行で取組んできました。
活動にあたっては、トップである私が常に「上がりの姿」を明確に示し、「熱く」語り続けることが重要で、これが手戻りをなくし「人材育成」と同時に「職場力」を向上させ、「自工程完結」につながったと考えています。
その取り組みをご紹介させていただきます。

気持ちも業務もスッキリした職場を目指した 間接部門における「仕事の進め方改革」

中村 泰也 氏
アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 取締役・専務役員
当社はオートマチックトランスミッションおよびナビゲーションシステムを開発・製造・販売する自動車部品専門メーカーです。年々増加するビジネスに対応するため、間接部門においては本来業務に集中できる環境づくりとして、「付帯業務のスリム化と切り出し」を中心とした業務効率改善に取り組んできました。しかし相変わらず日常業務においてはやり直しや繰り返しが減らないばかりか、顧客の高まる期待に応えることもできておらず、気持ちも業務もスッキリしない状態が続いていました。そのような中で「トヨタの自工程完結」に出会い、一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち喜びを感じ取ることを目指した「仕事の進め方改革」に取り組んだ試行錯誤の3年間の活動を紹介させて頂きます。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】森 浩三 氏
(一社)中部品質管理協会講師、秋田県自動車産業アドバイザー
2007年に産声を上げた自工程完結は10年を経過して普及定着期に入ろうとしています。生産性が低いと言われて久しいオフィス業務にモノづくり現場と比肩しうる高い仕事の質と生産性を実現させるニーズは年を追うごとに高まっていると言えます。
お客様の理解から始め、関係する部署との協調関係を正確に且つ愚直に事前調整する段取りの習慣づけが課題です。自工程完結が目指す事後チェックに頼らない仕事の仕方は結果として質と生産性を高めるだけでなく、そこから醸し出されるモチベーションがPDCAサイクル加速の原動力となった事例は沢山見受けられます。
このセッションでは従来の改善活動(QCサークルなど)との違いを確かめると同時に、会社トップが自工程完結のビジョンを社内に示しながら粘り強く普及定着に努めた事例を紹介して頂き、オフィス業務改善に有益な多くのヒントを得て頂きます。

※参考

クオリティフォーラム2017

1980年頃に日本が世界トップクラスであった国際競争力や労働生産性は近年20位以下の低位置に定着した観があります。また長時間労働の抑制等を目的とする法律の整備には拍車がかかっており、日本のオフィス業務の生産性向上が喫緊の課題になっていると言えます。世界トップの実力を維持する日本のモノづくりに比肩しうる高い生産性をオフィス業務でも実現するために、トヨタでは自工程完結(仕事の段取りと改善サイクル)を提唱しています。この企画セッションでは「良き仕事の段取り」を組織的に追及してオフィス業務の生産性を改善した実例と、ワークライフバランスを経営戦略と捉え、働き方改革に繋げたコンサルティングの実例が紹介されます。その後の討論では、各講演での生産性向上に繋げるための着眼点やアプローチを対比しながら共通点を見出して、今後のオフィス業務改善の方向性を探ります。

クオリティフォーラム2016

昔から品質は工程(プロセス)で造り込むことが大切と言われており、モノづくりの世界では日本はトップランナーの地位を維持しています。一方、生産現場から離れたオフィス業務では仕事の環境が著しく変化しているにも関わらず旧態依然とした属人的 な仕事の進め方が大勢と言え、ホワイトカラーの生産性向上が課題と言えます。
この企画セッションではトヨタが取り組んでいる自工程完結をテーマとして、なぜ自工程完結に取り組むのが良いのか、実際に企業内に展開した結果どのような変化が生 じているのか、マネジメントの視点で自工程完結の利点を追及するとはどのようなことなのか、などをお三方から紹介して頂きます。その後の総合討論では学生に品質管理や仕事の進め方を教える取り組みを紹介しなが ら、ホワイトカラーの仕事でも日本が世界のトップランナーになるための方策、方向性を探って行きたいと考えております。
企画セッション

顧客価値創造の組織的推進と事業創造の実践事例
~顧客との共創活動と品質経営の進化~

マツダのブランド価値経営

工藤 秀俊 氏
マツダ株式会社 執行役員 R&D管理・商品戦略担当
リーマンショックによる経営危機を迎えた2009年、夢と希望に満ちた会社の未来を示すために、ボトムアップでコーポレートビジョンの改定に着手しました。Ford傘下時代に策定したブランドスローガン“Zoom Zoom”を中核に据え、お客様との理想的な関係性やブランドとしてありたい姿を想い描きながら、社員自らが誇りを持って実現したいと思える大義あるビジョンを策定できたと思っています。以降、『ブランド価値経営』という名の下で全社一丸となって、全ての商品・サービス、社員一人一人の行動までをコーポレートビジョンと一致させることを目指した活動を愚直に続けています。今回は、コーポレートビジョン策定経緯とビジョンに基づくマツダ独自の技術戦略とその事例を紹介します。

クラブツーリズム版 組織開発プロジェクト
~事業価値の再定義と価値を具現化する組織開発~

酒井 信也 氏
クラブツーリズム株式会社 マーケティング部 100年プロジェクト 課長
(兼)KNT-CTホールディングス株式会社 グループ事業推進本部 マーケティング部 課長
デジタル環境の進化により、これまで旅行会社の存在価値であった「手配力」「現地情報」などは、もはやインターネットが瞬時に解決してくれる領域となりました。クラブツーリズムでは、従前より取り組んできた、「趣味を学び、深め、価値観を共有できる仲間をつくること」を目的とした“テーマ旅行”に、事業価値を見出し、強化を図っています。本講演では、その事業ドメインのシフトに向けて取り組んでいる「事業価値の再定義」(我われは事業を通じて、お客様の何の実現をサポートしているのか?)と、「組織開発」(その価値を具現化するために求められる組織は?)への挑戦についてご紹介いたします。

「お客様にとってなくてはならない存在を目指す」コマツのブランドマネジメント活動のグローバル展開

藤原 恵子 氏
コマツ 執行役員 建機マーケティング本部 代理店人材育成推進室長(兼)改革室長
コマツは、「お客様にとってコマツがなくてはならない度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在になる」為の活動として、「ブランドマネジメント活動」を全世界で展開しています。
お客様のニーズの変化、技術の進歩はますますスピードを増しており、単体販売による価格競争を避ける為には、メーカーと代理店が一体となり、徹底してお客様の立場で考え、真意を引き出し、理想を知り、共にその理想追求をしていく事で、お客様との関係を深めていき。その結果として、「お客様が達成したい事」を約束し、実現できる人材の育成と組織の強化を図って行く必要があります。
最初はコマツの日本本社発で12年前にスタートした本活動が、全世界で各地の事例、成功体験、苦労を共有しながら顧客価値の共創に結びつけ、人材の育成を図ってきた取組み事例をご紹介致します。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】加藤 雄一郎 氏
職業能力開発総合大学校 能力開発院 生産管理系 教授
(準備中)
企画セッション

多様化する品質経営のあり方と実際

ダイキン工業における価値創造の実践(仮題)

吉井 利彰 氏
ダイキン工業株式会社 空調生産本部 品質管理部 開発品質担当部長
モノづくりから価値づくりへの変革を進めるにあたっては多様な価値創造の取組みが必要となります。ここではダイキン工業での価値創造の取組みとして、 これまで進めてきたグローバル視点での他企業とのWin-Win融合の具体事例や社内におけるアイデア商品創出のしかけづくり、また空調関係機器の将来像や必要技術が必ずしも明確でない中、中長期を見据えた産学協創オープンイノベーションの実践事例などを紹介します。さらには、これらの具体事例を通して他企業との融合や価値創出につなげていくためのポイントや問題点およびその解決の方向性を提案します。

多様化する顧客価値に対応する製品開発とそれを支える人材育成

赤星 孝行 氏
株式会社 安川電機 品質経営推進部 品質経営推進担当部長
安川電機は1915年の創業以来、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域に定め、モーションコントロール、ロボット、システムエンジニアリング事業を中核とし、グローバルに事業を展開しています。当社の経営理念の柱は「需要家への奉仕に徹すること」です。これは「社会に貢献する安川」として設立以来、創業者から受け継がれてきた考え方で、「社員の心得」にも示されています。お客様の視点に立ってその価値を創造し,提供をする事ですべてのステークホルダから信頼され続ける会社にしたい。そのために、常に業務の効率化を進め,仕事全体のクオリティを向上させつつ,新しい顧客価値を創造する取組みをグローバルで行っています。今回はその中で品質経営の根幹を成す人材育成の取組みを中心に具体的な事例を交えてご紹介します。

ビジネスパートナー(協力会社)とともに歩み出した品質経営
 事業を通じて人を育てる / 仕事の質改善(53年間の風潮・既成概念を変える)

岩田 悟 氏
大和リース株式会社 執行役員 生産・デポ担当 生産・デポ推進部長
山岸久美子(総合討論)
コニカミノルタ株式会社 品質本部 TQM推進部プロセス改善推進グループ グループリーダー
大和リースは「公の精神」に基づく事業を4つの領域で展開・推進し、複合化による付加価値創造を目指して、自社生産・物流拠点でのモノづくり、ロジスティクスを協力会社体制で経営しています。
過去に取り組んだ活動が定着せず、更なる改善や新しいことへ挑戦する風潮へと変えられなかったことから学んだのは、共有する夢・目標を達成するための「基礎知識」の習得(理解と実行)でした。
2016年、コニカミノルタ株式会社の“お客様のお困り事を解決し、お客様とともに成長する品質経営”の方針に共感した弊社社員の声から動き始めた仕事の質改善のリアルな活動記録と、品質だけにとどまらない社員、協力会社の相互連携など「知らないを知る」ことで、付加価値創造に向かう人づくり、職場づくりへと繋がった事例を紹介します。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】金子 雅明 氏
東海大学 情報通信学部 経営システム工学科 准教授
今日のように組織内外を含めた事業・経営環境が著しく変化し多様化する中において、市場における自社の競争優位性を確保・拡大し続けるためには、これまでの提供製品やビジネスモデルの枠を超えて、新たな顧客価値創造やそのためのプロセス・システムと組織体制の整備、そして人材育成方法までを含めた自社の品質経営を再構築しなければなりません。 本企画セッションでは、このような多様化する事業・経営環境の中で自社の品質経営を積極的に構築・推進をしてこられた3社の方々から、その実践内容についてご講演頂きます。そして、その後のパネルディスカッションでは、各社の取り組みの特徴と相違点・共通点に着目しながら、多様化する品質経営を実践する際の課題や、課題を克服するために何をすべきかを議論したいと考えています。
企画セッション

未然防止を実現する様々な方法論と取組み

日産式Quick DRによる設計・開発における未然防止

大島 恵 氏
日産自動車株式会社 Quick DRエキスパート講師
日科技連Quick DRコンソーシアム 代表
限られた開発期間の中で、効率よく不具合の発生を未然に防止するために日産自動車が開発したデザインレビューの手法が 「Quick DR」です。Quick DRの特徴は、機能の視点で設計の変更点/変化点に着目して効率的に問題を発見し、未然に解決することです。
全く新しい設計に対してはFMEAやFTAを活用した「Full Process DR」を適用し、圧倒的に量が多い比較的小さな設計変更には「Quick DR」を適用し、効率的に未然防止を実施しています。
設計の品質問題の再発防止と未然防止は製造問題と異なる手法とプロセスが必要です。本講演では設計問題を本質的に解決し、技術的再発防止策を標準化し新製品開発に適用する再発防止プロセスとQuick DRにより新設計の問題を発見し、未然に解決する未然防止プロセスについて紹介します。

職場第一線でのヒューマンエラー防止

中山 賢一 氏
人為ミス研究所 代表
元 一般社団法人中部産業連盟 主席コンサルタント
職場には仕事の不合理なやり方が多く、これがヒューマンエラーの引き金になっていることを知るべきです。このヒューマンエラーを減らすには、現場リーダーの日常管理力を強化する必要があります。仕事の中にはヒューマンエラーを誘引しやすい“あいまいさ”が無数に在って、多くの作業者は失敗ストレスを抱えながら作業していることを、現場リーダーはあまり気づいていません。このような“あいまいさ”を取り除いてやることが未然防止型日常管理(A-KOMIK)です。
「未然防止6つの着眼点」を中心に、ヒューマンエラーの発生しにくい職場のあり方を考え、それを実現するための具体論をご紹介します。

知識の構造化による再発防止・未然防止の様々な取組みと工夫

田村 泰彦 氏
株式会社構造化知識研究所 代表取締役
再発防止・未然防止の様々な具体的ニーズに役立つ不具合情報・技術情報システムを構築、継続運用することは簡単ではありません。この課題を克服する鍵が知識の構造化です。SSMによる知識の構造化は、製品設計、生産技術、メンテナンスなど様々な部門の幅広い技術分野で実践され、具体例は毎年開催される日科技連の知識構造化シンポジウムや書籍、論文などで紹介されています。この取組みは現場の課題把握からスタートし、知識運用を通じて活動を定着、発展させていく具体的な仕掛けやシステムがあることが特徴です。再発防止、未然防止の違いに注目しながら、不具合報告書や技術ノウハウなどから知識ベースを整備し、効果的なチェックリスト、FMEAなどの活動に役立てる実践的な工夫についてご紹介します。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】向井 正人 氏
合同会社Masatoko-QMS 代表
この企画セッションでは、再発防止を、「現場・市場で顕在化した不具合の原因を特定し、解決策を標準化し、同じ失敗を防止すること。」と定義し、未然防止を、「潜在的問題に起因する不具合が、現場・市場で起きる前に、事前に気づき手を打つことで、発生を防止すること。」定義することとする。
登壇者の方々には不具合の再発防止・未然防止に関わるそれぞれの専門的立場から事例を交えた講演をいただき、企画セッション参加の企業のみなさんのご意見も交えながら、それぞれの企業で持ち帰ることのできる何かをめざして、パネルディスカッションを進めて参ります。
みなさんの積極的なご参加をお願いいたします。
企画セッション

トップが語る我が社の品質経営

GSユアサにおける品質経営

村尾 修 氏
株式会社GSユアサ 取締役社長
GSユアサは、2004年の日本電池とユアサコーポレーションの経営統合後、プロセスと結果の質向上を図り、品質組織力を高めるため、方針管理、機能別管理、改善活動、人材育成などのTQM方法論を展開してきました。今、「100年に1度」といわれる「モノづくりの変革期」に直面する中で、今後10年の変革スピードは過去とは比較にならないものとなると想定されます。TQMをベースにした品質経営で、常に変化する経営環境に柔軟に対応し、“ものづくり”企業としての質向上を目指す体制の構築と経営の質向上に取り組んでいます。講演では、当社の取り組みを紹介させて頂きます。

リコーテクノロジーズにおけるTQM活動とトップの役割

遠藤 秀信 氏
(2017年度 日本品質奨励賞・品質革新賞受賞)
リコーテクノロジーズ株式会社 代表取締役 社長執行役員
当社は、2013年4月にリコーグループの開発・設計会社として発足し、オフィスプリンティグ機器及び商用印刷機器の開発と設計を行っており、2017年には第二設計本部で取り組んだ、新製品開発に於けるプロジェクト管理と品質マネジメントを融合させた設計生産性向上の取り組み“PQM活動”で品質革新賞を受賞いたしました。
このPQM活動を高度化し設計生産性を更に向上させることとリコーグループ共通の品質目標『お客様にいつまでも安心・満足を感じていただくと共に、使い続けて感動していただくQuality』の実現に向け、全社を挙げたTQMの活動を本年度からスタート致しました。
講演ではPQM活動の概要と、開発・設計会社としてTQMに全社で取り組みむことを決断したTOPとしての思いについて紹介いたします。

小売業におけるTQMの役割と実例

原 和彦 氏
アクシアル リテイリング株式会社 代表取締役社長
当社グループはスーパーマーケット「原信」「ナルス」「フレッセイ」129店舗を北陸、北関東に展開しています。
経営理念の実現に向けて、TQMを経営の根幹に据え、「判断の基準はお客様」の姿勢で、お客様のご満足向上に努めています。
天候や気温、競合店の状況、お客様のライフスタイルなど不確定要素が多いながらも、従業員の8割以上がパートナー、アルバイトという人員構成を前提にTQM活動を構築しています。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】山田 秀 氏
慶應義塾大学 理工学部 管理工学科 教授
本セッションでは、経営者としてかじ取りをされている3名の方にご登壇いただき、どのように品質を通して顧客に価値を提供しているかを中心にご説明いただきます。その後は、経営目的の達成のTQM実践、品質文化の醸成、経営環境・組織の状態などに応じた独自の工夫など、いくつかの論点からパネルディスカッションを進めます。
企画セッション

IoT時代のものづくりとソリューションの実際

IoTによる製造ビジネス変革に向けて

水上 潔 氏
ロボット革命イニシアティブ協議会 インダストリアルIoT推進統括
ものづくり白書2018には、冒頭「ものづくり産業は大きな転換点に直面」と始まり、変革への対応に4つの危機感が記された。国際的産業展示会ハノーバーメッセ2018で欧米企業はエコシステムを強調し始めた。今、企業はこの大きな流れを理解し、かつ現状の課題解決も問われている。国と協力し、国際連携で進めるIoTによる製造ビジネス変革を問う。

コニカミノルタにおけるIoT時代のものづくり

浅井 真吾 氏
コニカミノルタ株式会社 常務執行役 生産本部長
コニカミノルタでは、豊富な労働力に依存し、かつ属人的なノウハウに頼った従来の生産プロセスからの脱却を図り、製造業を取り巻く厳しい社会環境あるいは事業環境の中で、強く生き残って社会貢献を果たすために、従来のものづくりから“IoTの思想に基づいたものづくり改革”を進めてきました。本取り組みにより生産現場から生産プロセスに纏わる膨大なデータを自動的に収集できる仕組みを構築しています。進展著しいIoT技術にてそのデータを分析・活用することで、これまで人ではできなかった革新的な品質経営・管理に繋げた取り組みについて紹介します。

日本からリモートで海外工場オペレーションを日本品質にする方法

中島 洋 氏
株式会社日立ハイテクノロジーズ 先端産業部材事業統括本部 チーフビジネスアーキテクト
当社は中小製造業向けに海外生産に必要な設備・サービスを備えたシェア工場(スマートファクトリー)を提供開始しました。100台規模で工場に配備されたカメラやセンサなどのIoT機器によって工場現場の状況が日本に居ながらにして把握でき、継続的な現場改善、不良の撲滅、原価低減を進めることができるようになりました。動画像を含む大量データをネットワークを通じて転送する技術も必要ですが、ラインの組み換えや工程変更、多様な生産品目の追加変更に対応できる柔軟な工程制御システム、日本人気質を前提としない工程設計、さらにそれらの実現をリーズナブルなコストで実現する実装技術などは、品質を重視する日本の製造業に共通する課題であることに気づきました。これらの取り組みをご紹介し、今後の課題を共有することで、さらなる日本の産業界発展に貢献したいと考えています。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】水上 潔 氏
ロボット革命イニシアティブ協議会 インダストリアルIoT推進統括
(準備中)
企画セッション

サプライチェーンの複雑化と品質確保への取り組み
~サイレントチェンジへの対応、海外仕入れ先の活用~

モノづくりに忍び寄る影・サイレントチェンジ問題の現状と対策について

片岡 孝浩 氏
独立行政法人 製品評価技術基盤機構 製品安全センター 主査
20世紀後半、日本製品はその品質が世界に認められてきました。これは、敗戦後にモノづくり産業を復興・発展させた多くの先輩たちが、品質に対して常に厳しく接してきた成果です。
一方、近年では部材の外部調達・グローバル化が進んでいることもあり、品質に対して従来以上の厳しさが求められますが、言葉や価値観の違い等から難しい課題となっています。
そのような状況下で、部材のサプライヤーが納入品の仕様を無断変更する「サイレントチェンジ問題」が表面化してきました。この行為によって製品事故が多発し、最終製品の製造・輸入事業者が社告に追い込まれる事態も発生しているため、早急に対策する必要があると考えます。
そこで、本講演では、サイレントチェンジが原因で実際に起こった事故事例と、製品事故の訴訟で使われる製造物責任法(PL法)の考え方を説明します。そしてサイレントチェンジ問題への対応策について提案します。

グローバル同一品質に向けた確かな品質の造り込み

井上 博一 氏
マツダ株式会社 品質本部 品質技術部 部長
自動車業界を取り巻く環境は、電気自動車、自動運転、そしてコネクテッドなど技術進化も含めてかつてないスピードで大きな変革期を迎えています。
自動車の品質を確保するためには、技術進化によるブラックBox化に歯止めをかけ、クルマの機能・メカニズムを理解し、モノ造りの原理原則を押さえプロセスを保証していく事が必要です。
自動車全体の約70%がお取引先様からの購入部品で構成されている中で購入部品の品質が自動車の品質を決めると言っても過言ではないのが現状です。
今回の講演では、その購入部品のグローバル同一品質に向けた品質のつくり込みについての考え方と具体的な取組み事例をご紹介いたします。

日野自動車のグローバル調達と品質確保への取組について

根岸 秀夫 氏
日野自動車株式会社 調達機能担当 参与
この世紀に入り、製品販売の主戦場は日本国内から海外、特に当社の主力製品となる商用車の分野においては新興国へ移行してきている。海外で日野ブランドの商用車はその高品質において好評を得てきたが、近年は新興国製の商用車の品質も向上してきており、“高くても良ければ買って戴ける”という常識が通用しなくなってきている。これに対応するため日野自動車は車両の海外生産などにより価格競争力の強化を進めてきているが、これを実現するためには、コストの大部分を占める購入部品の低コストと十分な品質の両立が必須となる。本講演では特に短期間で多くの部品を現調化した中国での事例を中心に日野自動車の海外調達と品質確保への取組についてご紹介します。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】今野 勤 氏
神戸学院大学 経営学部 教授
グローバル化に対応して、ものづくり企業における部品や素材の調達におけるサプライチェーンが、複雑になってきた。これにどのように対応して、調達する部品や素材の品質を向上させながらコストダウンを実現するかが、重要なテーマになっている。この点について、自動車業界を代表して、マツダ(株)、日野自動車(株)の取り組みをご講演いただく。さらに製品評価技術機構からは、知らない間に部品や素材の仕様が変更され、品質問題を引き起こすサイレントチェンジの問題について、実例をお話しいただく。本企画セッションでは、ものづくりのグローバル化において、避けられない問題となったこれらについて理解を深め、解決策を模索していく。
企画セッション

失敗から学ぶ成功への道
~企業事例に学ぶ失敗学実践による未然防止~

失敗学実践編~今までの原因分析と対策は間違っていた~

濱口 哲也 氏
株式会社濱口企画 代表取締役
日本中で行われている間違った原因分析の最たるものが、結果論ばかり語った「対策反転型原因分析」です。不具合事象が起こり、物理現象や事実経緯を明らかにした後、ベテランほど対策を先に思いつき、それをしていなかったのが原因だ!と言う始末です。
典型的な例は、「マニュアルがなかったのが原因だ」という分析結果です。
結果論は、リアルタイムで行動している人、これから行動する人にとっては何の役にも立ちません。すべての失敗は想定外だから起こるのです。
成功に向かって仕事をしていたのに、不具合事象にゴールインしたということは、必ずどこかに「想定外(ワナ)=どんでん返し=起承転結の転」があったのです。
つまり、失敗は起承転結型構造を持っているのです。
この起承転結型構造をもとに「想定外(ワナ)」を明らかにし、想定外を想定内に持ち込み、未然防止を図る分析方法をおすすめします。

(仮)三菱重工業における失敗学を活用した未然防止活動

廣岡 秀樹 氏
三菱重工業株式会社 バリューチェーン本部 バリューチェーン革新部 QMS推進グループ 主席部員
弊社では、2011年より東大 濱口元特任教授にご協力を頂き、失敗学の講演会を開始。
講演会は、非常に好評であったため、弊社内の各地区で開催し、まず失敗学の考え方を理解してもらうように努めた。その後、失敗学を活用した未然防止を図るため、2013年より、実際のトラブル事例に対して、濱口元特任教授にレビューして頂く、失敗学 指導会を並行して開始。しかし、実際のトラブル事例に対して、失敗学を適用させるのには悪戦苦闘。あの手この手で、ようやく近年は、濱口元特任教授にもOKの評価をもらえるように至った。今回は、弊社における失敗学の歴史ならびにどのように浸透させたかについて講演させて頂きます。

東芝メモリにおける、失敗学実践推進事例

矢羽田 正光 氏
東芝メモリ株式会社 北上準備室 参事
東芝メモリ四日市工場は、半導体製品であるフラッシュメモリの開発・製造拠点です。
市場の急速な拡大に伴い、かつて経験の無いスピードでの工場拡大が続いており、製品・製造品質のみならず、生産性改善・安全管理におけるマネージメントの質的改善が重要になってきています。
問題が発生すると規定に従って是正を進めますが、再発・類似問題が発生することも少なくありません。
従来のやり方では未然防止どころか再発防止さえ不十分な点が散見しています。失敗学そして濱口先生との出会いを経て、失敗学を工場の全ての改善活動に取込もうとしています。まだまだ初歩的段階で、悩みながら推進しているところではありますが、我々の悩みといくつかの事例を共有したいと思います。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】濱口 哲也 氏
株式会社濱口企画 代表取締役
すべての活動は「想定」することから始まります。 設計も管理も評価も未然防止も「想定」しなければ、何も始まらないのです。
なぜなら、すべての活動は未来の話をしているからです。
それにもかかわらず、「想定」するための具体的なツール・方法論を持っていないと言う人が多いのが実態です。
失敗学は「想定」 するためのツールとして特に有効です。
本企画セッションでは、失敗学実践編の紹介の後、実際に失敗学を導入し、未然防止活動を推進されている企業に 取り組み事例をご紹介いただきます。
また、パネルディスカッションでは、各企業の失敗学推進担当者を交えて、失敗学を推進するうえでの関心事(良かった点や苦労した点など)について討論を行います。
本セッションにご参加していただいた方が、未然防止活動に取り組むための気づきやヒントが得られるよう進めて参ります。