クオリティフォーラムアーカイブ

企画セッション

A会場

品質不正・不祥事防止のために必要なこと Ⅲ

~品質不正防止を実現する組織風土の改革と品質経営の推進~

セッションの趣旨


品質不正・不祥事は、企業の信頼を大きく損なうだけでなく、社会全体に深刻な影響を及ぼします。製造業をはじめとする多くの業界において、品質不正を防止し、持続可能な品質経営を実現するための取り組みが求められています。本セッションでは、昨年、一昨年に引き続き、「品質不正・不祥事防止のために必要なこと」について議論を深め、特に「組織風土の改革」と「品質経営の推進」に焦点を当てます。

本フォーラムでも、品質不正の背景にある組織文化や企業の構造的な課題などを議論してきましたが、本年は、こうした課題を克服するために、具体的な組織改革のアプローチや品質経営の実践事例を共有し、より実効性のある解決策を探っていきます。品質不正防止に必要なことは何か、という視点で、品質不正防止の取り組みを進める2社の事例をまじえ、議論を行っていきます。品質不正、人の行動、組織能力・組織文化、総合的品質管理(TQM)の関係を適切に理解いただきながら、品質不正の防止に役立つものとします。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • そもそも、品質不正はなぜ起こるのか知りたい。
  • 品質不正をなくすためには、組織はどうしたらよいのか。
  • 品質不正に有効な活動や取り組みはどういったものなのか。
  • TQMは、品質不正に役立つのか。
  • 品質不正を防ぐためのガバナンスとリーダーシップの在り方はどういったものなのか。

常に存在する品質不正リスクへの対応

~品質を中心とする経営の実践~

棟近 雅彦 氏
早稲田大学
理工学術院 教授
棟近 雅彦 氏
品質不正の事案が、継続的に発生しています。産業界は、利潤を追求する活動を競争環境の中で行っており、人のプレッシャーに対する弱さもあり、品質不正が起こるリスクは常に存在します。したがって、一度策を講じればそれで終わりということはあり得ず、発生防止策、起きた場合の対処策を、品質マネジメントシステムの中に組み込み、継続的に改善していく必要があります。本講演では、演者のこれまでの品質不正調査委員会での経験をもとに、品質不正リスクを低減させるための対応策について論じます。さらに、企業危機管理法務、金融不正研究、企業倫理学の専門家の方々と、研究会を立ち上げ、防止策等について議論を行ってきましたので、その成果についても報告します。

次の社会へ、信頼のこたえを

~川崎重工のグループビジョン2030とTQM活動~

秋山 敬祐 氏
川崎重工業株式会社
技術開発本部 プロセスエンジニアリングセンターTQM推進部
秋山 敬祐 氏
川崎重工業グループは120年以上にわたり、陸・海・空の幅広い事業分野で、時代の流れと共に変化し続ける社会に対して必要とされている製品・サービスを供給してきました。
今後、より多様化・深刻化する社会課題に対して、タイムリーに世の中が求めるソリューションを提供すべく、グループビジョン2030「つぎの社会へ、信頼のこたえを~Trustworthy Solutions for the Future~」を掲げ、今後注力するフィールド「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」を定めました。本講演では、当社グループビジョン2030の概要とその実現を支える重要基盤であるTQM活動について紹介いたします。

二度と繰り返さないための「組織文化変革」の取り組み

~FF式石油暖房機の不安全事故を教訓に~

上原 宏敏 氏
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
品質・環境担当 執行役員
上原 宏敏 氏
パナソニックは、2005年にFF式石油暖房機による痛恨の不安全事故を起こしました。
この事故から学び組織文化の変革に真摯に取り組んできた対応は品質不正防止の取り組みにも通ずるのではと考え、「同じ問題を二度と繰り返さない」強い決意で取り組んできた事例についてお話しいたします。当社では「製品安全」を製品設計の最優先に位置づけ、「製品のライフエンドまでを考慮した全社共通の設計・評価基準」を制定し、これを更新するプロセスを構築・運用しています。また、風化させない取り組みとして、「製品安全学習室の設置」、「全従業員/階層に対する製品安全教育」などを通じ、事故から20年経た現在も安全文化醸成を進めています。社員ひとり一人が常にお客様のリスクを考えて行動するという価値観変革は、方針管理から日常管理へ移行させ、常にその仕組みとプロセスを進化させ続けることが不可欠であり、これまでの取り組みをご紹介いたします。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

棟近 雅彦 氏
早稲田大学
理工学術院 教授
棟近 雅彦 氏
本セッションでは、コーディネーターから、品質不正リスクへの一般的な対策を論じた後に、2社の方から、具体的な活動についてご紹介いただきます。その後のパネル討論では、聴衆の方々からの質問にお答えするとともに、主に以下の論点について議論したいと思います。
  • 対策を進めてみて、効果はどうか。進めるにあたっての課題は何か?
  • 品質不正の防止に、TQMはどのように貢献できるか?
  • 品質不正の経験を風化させないために、何を行えばよいか?
B会場

環境変化に対応するQCサークル(小集団改善)活動の支援 Ⅱ

~これまでもこれからも現場の活力の源泉であり続けるためのQCサークルの変革~

セッションの趣旨


1962年に日本で誕生したQCサークル活動は「人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す。人間性を尊重して、生きがいのある明るい職場をつくる。企業の体質改善・発展に寄与する。」の3つの基本理念のもと、日本の産業界の発展に貢献してきました。この間、環境の変化に合わせQCサークル活動も変化を続けてきましたが、社会やお客様の価値観の変化やコロナウイルスがもたらした一段と進化したニューノーマル化への対応、SDGs、DX 等で社会や人の価値観が大きく変化をして来た時代に QC サークル活動の推進や運営方法をさらに変革する必要があります。

本セッションでは、令和の時代の環境変化に対応するQCサークル活動を推進している企業事例の発表と討論を通じて、これまでもこれからも現場の活力の源泉であり続けるためのQCサークルの姿を探っていきます。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 時代の変化に合わせたQCサークル活動の推進、支援の方法を知りたい。
  • 我が社のQCサークル活動がマンネリ気味であり、現状を打破したい。
  • IT、DXを活用してQCサークル活動を推進したい。
  • 現場第一線でもデータサイエンスを活用してQCサークル活動を進めたい。
  • オンラインでのQCサークル活動のヒントを得たい。

DN7を活用したデータ駆動型品質管理とアジャイル改善

吉野 睦 氏
株式会社デンソー
モノづくりDX推進部
吉野 睦 氏
コンビニのPOSデータがID・POSへと変化したように、近年のIoTの普及に伴い工程にまつわるデータもID付きの個のデータが得られるようになってきました。
これによって、私たちが接するデータは有事のデータから平時のデータへと変化しました。
私たちは平時のデータに潜む変化の芽を見出して、俊敏な改善を次々行っていくことが重要です。
これが製造業DXの本質です。
変化を見つけるには、大量のデータを可視化することが必要です。まずは可視化ツールとして開発したDN7をご紹介します。
また、現場ではどんなデータを読み取りどんな解釈をするのかというデータリテラシーが要求されます。事例を交えながらこれらをご紹介します。

QC活動は“気づき”の場

~デジタルとアナログが育てる現場人材~

田上 隆幸 氏
株式会社 タガミ・イーエクス
専務取締役・CDO
田上 隆幸 氏
タガミ・イーエクス(石川県能美市)は、1965年の創業以来、「機械」「装置」に関するものづくりを通じて、着実に業容を拡大してきました。社是『無極』(知恵は極まるところがなく、改善は無限である)の精神のもと、1台1台にプロの魂を込め、価値ある製品を世に送り出しています。本講演では、中小製造業におけるQC活動とDXの融合による人材育成の実践事例を紹介します。職人の五感と若手のデジタルスキルが交差する現場では、QC活動が“気づき”の場へと進化。若手が自ら課題を発見し、アプリやBIツールを活用して改善提案を行う文化が育まれています。QC活動の形骸化を防ぎ、若手が主役となる現場づくりを実現するための仕組みと、外観検査アプリの開発・運用による成果を具体的に紹介します。

今までの改善活動が変わる!
“誰ひとり置き去りにしない”QCサークルのつくり方

須澤 義男 氏
株式会社シンニチロ
取締役 CTO
須澤 義男 氏
私たちは、作業改善による利益追求だけでなく、人手不足、長時間労働、安全対策といった現場の課題を、ITの力で解決していきたいと考えています。
QC活動支援システムは、こうした環境の中で「どこから手をつければよいか分からない」「手書き資料の作成が負担」「他サークルの事例が共有されていない」といった課題を解消するために開発した、AI搭載の支援ツールです。
QCストーリーに沿って活動をナビゲートし、過去の事例から最適な対策を提案。報告書作成も容易にします。
何より、これからの日本に不可欠なQCサークル活動を現場に根付かせ、仲間と共に課題を解決する喜びを取り戻したい。そんな思いを込めて、このシステムを開発しました。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

光藤 義郎 氏
(一財)日本科学技術連盟
嘱託
光藤 義郎 氏
C会場

品質経営度調査 上位格付け企業のベストプラクティスに学ぶ

~「企業の品質経営度調査」を活用した品質経営のレベルアップ~

セッションの趣旨


「企業の品質経営度調査」とは、企業における品質経営の推進のみならず、産業界に対して「品質」の重要性の再認識をうながすことなどを目的に2004年から日科技連と日本経済新聞社が共同で始めた調査です。本セッションでは、本調査のねらい・概要と2024年度「第12回企業の品質経営度調査」の上位評価獲得企業の品質経営の活動と取り組みをご紹介します。
本セッションでは、「品質経営度調査」の活用により、自社の“品質経営推進のレベル把握”を可視化し、レベルアップにつなげるためのヒントが体得できます。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 「企業の品質経営度調査」とは何かを知りたい。
  • 「企業の品質経営度調査」を自社の品質経営のレベル向上に役立てたい。
  • 「企業の品質経営度調査」上位評価獲得企業がどのような活動や取り組みをしているのか知りたい。

品質経営にみるTQMの進化とその基盤

鈴木 和幸 氏
企業の品質経営度調査 企画委員会委員長
電気通信大学名誉教授・特任教授
鈴木 和幸 氏

TOPPANホールディングスにおける品質経営

冨吉 昇 氏
TOPPANホールディングス株式会社
製造統括本部 品質保証センター センター長
冨吉 昇 氏

キリングループにおける品質事故と品質経営について

永嶋 一史 氏
キリンホールディングス株式会社
常務執行役員 品質保証統括 兼 品質保証部長
永嶋 一史 氏
キリングループは、「自然と人を見つめるものづくりで、『食と健康』の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します」という経営理念のもと、祖業であるビール事業を通して100年以上磨いてきた「発酵・バイオテクノロジー」を基盤に、食・医・ヘルスサイエンスの3領域で事業を展開しています。
経営の原点である「お客様本位」「品質本位」に基づき、お客様の満足と安全・安心な商品・サービスを提供し続けるため、私たちはグループ全体の品質保証マネジメントを実行しています。
本講演では、キリングループにおける品質マネジメントの仕組み、過去の事故事例から得た教訓、そして品質保証で大切にしている考え方など、現時点における品質経営の取り組みをご紹介します。

3者とフロアによる総合討論

石津 昌平 氏
青山学院大学名誉教授
石津 昌平 氏
D会場

デジタルトランスフォーメーション(DX)による新しい価値創造 Ⅵ

~DXによる持続可能な成長と品質革新~

セッションの趣旨


あらゆる産業において、新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起ころうとしています。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められます。
「2025年の崖」で知られるDXレポートが経済産業省から発表され産業界でのDXの機運が新たなステージに向かっています。

本セッションでは、先進企業のデジタル戦略と最先端の取組み実践事例の紹介により、産業界におけるDXの推進はどのように行うべきなのか、特に新しい価値の創造を実現するためのポイント、またビジネスモデルの変革に伴うソフトやシステムの開発および品質保証体制はどうあるべきかについても議論を行います。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • DXとは、我が社に置き換えた場合、どういうことでどう取り組む必要があるのかわからない。
  • アナログで行っていた社内業務をIT化しただけでDXと言っているが、それでよいのか。
  • ビジネスモデル創造にDXをどう活用すればよいのか知りたい。
  • DXが成果を生んでいるとは思えない。
  • 新しいビジネスモデルのアイデアが出来たとしても、実践のハードルが高く、“絵に描いた餅”になってしまうことが多い。

AI時代を勝ち抜くための製造DX

糸山 芳美 氏
DMG森精機株式会社
DX推進部 部長
糸山 芳美 氏
AI活用による生産性向上が企業の競争力を保つ上でも必要不可欠な状況ですが、多くの日本企業は保有するデータがそもそもAI活用に適した状態にない、もしくはまだ紙から脱却すら出来ていない状況です。特に製造業においては、そのプロセス自体の複雑さや、システム・設備とのデータ連携のバリエーションの多さなども相まって、”データが集まる”、”データが繋がる”、”データが活用出来る”状態を構築するために、非常に多くの困難が伴います。
今回の講演では、当社の製造現場における製造DX実践事例を交えながら、AI活用を見据えた製造DX実践に関する当社の考えをお伝えいたします。
皆様にとって、DX推進の一助となれば幸いです。

ダイキン工業のDX変革

~ダイキン情報技術大学による人材育成~

板谷 修司 氏
ダイキン工業株式会社
テクノロジー・イノベーションセンター 主任技師
板谷 修司 氏

三菱ケミカルにおける製造DXの取り組みと課題

奥津 肇 氏
三菱ケミカル株式会社
DXソリューションデリバリー部 スマートファクトリーグループ長
奥津 肇 氏
化学業界、特に高温・高圧プラントを持つ製造現場でのDXは、その厳しい制約から難易度が高いのが実情です。本講演では、三菱ケミカルの具体的な製造DXの取り組みを通じて、直面している課題の構造とそのアプローチについてお話させて頂きます。具体的には、まずDX推進の根幹となるデータインフラ構築や、多工場間での標準化の壁にどう立ち向かっているか、そして現場におけるAI活用やアプリ内製化の具体的な状況を紹介します。技術論に加え、DX成功に不可欠なマインドセット、すなわちデジタル技術活用以前の業務分析の重要性についても触れさせて頂きます。また、全社的な人材育成の仕組みや、トップダウンの教育、現場主体のコミュニティ形成といったソフト面からのアプローチにも焦点を当ててみたいと思います。化学業界はもとより様々な製造業の方々とのDX活動交流の一助に本講演がなれば幸いです。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

三好 敏 氏
日経 BP 総合研究所クリーンテックラボ
上席研究員
三好 敏 氏
E会場

地域発エクセレント・カンパニーの競争力の源泉を探る

~福島発エクセレント・カンパニー 復興から未来へ~

セッションの趣旨


近年、地方創生や地域経済の活性化が注目される中で、地域に根ざしながらも高い競争力と独自の価値を発揮する「地域発エクセレント・カンパニー」の存在が注目を集めています。こうした企業は、地域に根差しながら革新的な経営戦略、技術革新、組織文化の醸成を実現し、持続可能な成長を実現しています。

本セッションでは、東日本大震災からの復興とその後の歩みにも焦点を当て、株式会社アリーナ、さらには東北地域で産業調査・政策提言を行うとうほく総研、明治学院大学・神田名誉教授が、共通する特徴や成功要因の分析を踏まえ、地域発エクセレント・カンパニーが持つ競争力の源泉を探っていきます。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 地域に根ざした事業活動を通じて、持続的な成長と社会的価値の両立を目指す経営者・管理者の方
  • 中堅・中小企業の経営革新、組織文化づくり、人材育成に取り組む経営企画・人事・品質推進担当の方
  • 地方創生や地域経済の活性化に関心があり、地域企業の成功要因や競争力の源泉を学びたい方
  • 震災復興からの歩みを経て成長を遂げた企業の実践事例から、「逆境を力に変える経営のヒント」を得たい方
  • 産業政策や地域イノベーションに携わる自治体・支援機関・研究者の方

在地超地企業の成長戦略

神田 良 氏
明治学院大学名誉教授
神田 良 氏

企業連携で次世代モビリティ集積地を目指す

高山 慎也 氏
株式会社アリーナ
代表取締役社長
高山 慎也 氏

在地超地企業を支える地域金融機関グループの役割

矢吹 光一 氏
(一財)とうほう地域総合研究所
理事長
矢吹 光一 氏

3者とフロアによる総合討論(パネル)

神田 良 氏
明治学院大学名誉教授
神田 良 氏
F会場

グローバルで社員の行動・意識をひとつにする
「ウェイ・マネジメント」

~企業の根幹となる「らしさ」を共有し、一体感を醸成する~

セッションの趣旨


企業の強さとは何でしょうか。それは、「自社らしさ」や「自社の価値」を追求し、企業理念として確立し、経営に根付かせることにあります。ビジョンやミッションを組織に浸透させ、社員の行動に落とし込むことの重要性は、グローバル経済の中でますます高まっています。
「彼はうちの会社らしい人材だ」「実にあの会社の社員らしい行動だね」─。こうした言葉が交わされる背景には、その企業ならではの価値観や文化が存在します。これを明文化し、経営理念や行動規範として体系化し、全社に浸透させる手法が ウェイ・マネジメント です。
近年、日本の産業界では品質不正や不祥事が相次ぎ、企業の信頼やブランド価値を損なうケースが増えています。こうした問題を防ぎ、企業の価値を守るためには、単なる規則やルールの設定にとどまらず、社員一人ひとりが「自社らしさ」を理解し、それを実践できる環境をつくることが不可欠です。
本セッションでは、創業の精神を継承しながら、理念を実践へとつなげる「ウェイ(行動指針)」の重要性に焦点を当て、ウェイ・マネジメントをどのように実践し、社員の行動・意識を一つにしていくかを議論します。

こんな方にオススメです!


    以下のような、課題をお持ちの方
  • 海外拠点やM&A後の統合にあたり、グローバルでの価値観や文化について拠点によるばらつきをなくしたい。
  • 品質不祥事・品質不正のリスクを低減したい。
  • 創業の精神に立ち返り、企業理念を経営に根付かせ、社員を一つにしたい。
  • 若手・中堅社員のエンゲージメントを高めたい。
  • 企業理念の浸透がうまくいかない。

グローバルで多様な社員を結びつける共通の価値観と行動指針

~コマツウェイ~

山下 千津子 氏
株式会社小松製作所
コマツウェイ総合研修センタ 所長
山下 千津子 氏
本講演では、コマツグループのグローバルで多様な社員を結びつける共通の価値観・行動指針である「コマツウェイ」についてご紹介します。コマツウェイは、2006年に策定されて以来、社内外の環境変化を踏まえ定期的に改訂しており、現在は「マネジメント編」、「ブランドマネジメント編」、「ものづくり価値創造編」で構成されています。特に、品質管理の分野では、品質と信頼性の追求の考えの下で、顧客重視・源流管理・現場主義・人材育成を重視し、社員が顧客視点で課題を見つけ、自律的に課題解決に取り組む文化を醸成しています。本講演では、コマツウェイの成り立ち、構成要素、具体的な展開事例を交えながら、グループ内で価値観を共有し、持続的成長と品質向上につなげる取組みについてご紹介いたします。

花王ウェイが支える持続可能な経営と品質向上

栁原 茂人 氏
花王株式会社
品質保証部門 品質保証センター 品質保証センター長
栁原 茂人 氏
本講演では、花王ウェイを起点に、企業理念を日々の行動へ落とし込むウェイマネジメントが持続可能な経営と品質向上にどう寄与するかを示します。花王ウェイの使命(豊かな共生世界の実現)、価値観(正道を歩む/よきモノづくり/絶えざる革新)、行動原則(共生視点/現場起点/個の尊重と力の結集/果敢に挑む)を対話型ワークショップ等で自分事化し、花王グループ品質基本方針、品質保証規程、品質保証規則、ビジネスコンダクトガイドラインと連動させ、トータルクオリティマネジメント(TQM)として、全員参加で品質の継続的改善を推進し品質向上を行い、生活者の信頼を高める取り組みを紹介します。

「“はたらく”に歓びを」の実現を目指すリコーが進める人的資本経営

長久 良子 氏
株式会社リコー
コーポレート執行役員 CHRO 人事総務部長
長久 良子 氏

3者とフロアによる総合討論(パネル)

木内 正光 氏
玉川大学
経営学部 教授
木内 正光 氏
A会場

トップが語る我が社の品質経営

~エクセレントカンパニーが実践する様々な品質経営のかたち~

セッションの趣旨


品質経営の推進には、トップのリーダーシップ発揮と正しい理解が不可欠であることは言うまでもありません。
登壇者が、経営トップとして、なぜ品質経営やTQM活動が必要なのか、如何に旗振りを行っているのか、それぞれのトップが考える役割・機能は何なのか、また、本フォーラムの主参加者層であるマネージャー層に対する期待等をご紹介いただきます。
「品質経営のあり方、進め方」は企業により各社各様であるとともに、自社の品質経営を見直すきっかけとしていただければ幸いです。

本フォーラムの主参加者層である部・課長層が上記メッセージを受け、明日からの自身の行動に活かしていくと共に、各社の品質経営、将来計画、TQM推進などにおける問題点とその解決策等を聞くことによって、自社への展開のヒントを得ていただきたいと思います。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 品質経営と聞くとなにか難解なイメージがあり、全従業員をどうやって一つにまとめているのかを知りたい。
  • TQMを導入し、長年継続してきてはいるが、形骸化していることは否めずそれを打破する方法を知りたい。
  • “TQMは古い、過去のもの”というイメージがあり、現代でも通用するツールなのかを知りたい。また、推進することによる具体的な効果を知りたい。
  • デミング賞、日本品質奨励賞へ挑戦するためには、どの程度の活動と成果が必要なのかを知りたい。

神戸製鋼所・銅板ユニットにおけるTQM の活用

原田 宗和 氏
株式会社神戸製鋼所
素形材事業部門 銅板ユニット ユニット長
原田 宗和 氏
神戸製鋼所・銅板ユニットは、属人化や品質認識のばらつきを背景に、2021年度にTQM導入を決断しました。お客様の信頼を守るには、ニーズを正しく理解し、PDCAを基盤に組織で改善を進める文化が必要と考えたためです。私自ら「品質の定義」を起案し、全員参加の「品質宣言」を実施。さらにROICツリーを整理し、経営指標と結びつけたKPIを設定、QCストーリーで改善テーマを体系化しました。各テーマは定例会議で進捗を確認し、着実な実行を支える仕組みを構築しています。導入当初は「従来の改善と何が違うのか」という声もありましたが、議論を重ねてPDCAの理解を深め、思いつきの改善から原因追究型の文化へ変革。一人一人が品質に携わる意識を持つ組織文化に進化しています。現在は海外関係会社にも品質の定義を展開し、KGI-KPIを意識した管理が始まるなど、グループ全体での一体運営の広がりについて紹介いたします。

中小企業におけるTQM の推進

~カスタマーサクセスの追及~

関 浩一 氏
関工業株式会社
代表取締役
関 浩一 氏
関工業(株)は、北海道で建設車両用のアタッチメント(特に除雪用ブレード)を顧客様に提供しています製造メーカです。今回のご紹介は当社で顧客様対応として重視しています「カスタマーサクセス活動」についてご紹介させて頂きます。これまでのTQM活動での顧客様対応は、製品やサービスを提供し、顧客からの要望に応える「カスタマーサポート活動」が中心でした。しかし、時代は単なるサポートから、顧客のビジネスの成功を共に実現する「カスタマーサクセス活動」へと大きく移り変わっています。当社でも、顧客の課題を先回りして把握し、最適な提案を行う体制を整え、単なる取引関係を超えた信頼構築に力を入れています。これらの事例紹介により、同様の課題を抱える中小企業の皆さまにとって、少しでも参考となり、持続可能な経営のヒントとなればと考え紹介致します。

ダイヘンの経営の考え方・進め方

~小林啓次郎(5代社長)が遺したもの~

田尻 哲也 氏
株式会社ダイヘン
代表取締役会長
田尻 哲也 氏

3者とフロアによる総合討論(パネル)

中條 武志 氏
中央大学
理工学部 教授
中條 武志 氏
品質経営は、各々の企業・組織の状況に合った、積極的な顧客・社会指向の経営目標・戦略を策定し、その達成に向けて全員参加で改善・管理、価値創造・品質保証に取り組み、結果として経営目標・戦略について着実な効果をあげるとともに、将来の発展に必要な組織能力が獲得する活動です。品質賞受賞組織をはじめ多くの企業・組織がこれに取り組み、その有効性・大切さを実感しています。反面、内容を難解に感じて導入に躊躇したり、長年取り組む中で形骸化したりなど、推進に悩みをかかえているところも少なくありません。このパネル討論では、三人のトップの方からのそれぞれの企業・組織における品質経営への取り組みについてお話しいただいた上で、品質経営に取り組む必要性・メリットは何か、どのように推進するのがよいのか・成功のポイントは何か、トップはどんな役割を果たすべきなのか、管理者に対して期待することは何かなどについて討論します。
B会場

DX時代のフロントローディング

~TQMと品質工学の併せ技による競争力の向上~

セッションの趣旨


「新時代を切り開く品質立国日本の再生に向けて」をテーマとした第1回JAQシンポジウムにおいて、品質工学会長から「フロントローディング」の提言がありました。それに引き続き,品質工学技術戦略研究発表大会において「フロントローディングの核心とは何か?」をテーマにした発表と議論を行いました。

本セッションでは、その後の進化を織り込んで,フロントローディングの仕組みに有効で具体的なアイデアを与える品質工学のパラダイムを,品質経営の基本であるTQMの仕組みに生かす効果と実現方法について意見交換を深めたいと思います。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 製品開発や設計段階での「品質づくり込み」や「未然防止」に関心のある方
  • フロントローディングを実現するための仕組みや技術(品質工学・TQMの連携)を知りたい方
  • 開発プロセスの効率化と品質向上を両立させたい開発・設計・品質保証部門のリーダー・担当者
  • デジタル技術(シミュレーション、AI、DX等)を活用した新しい品質マネジメントの可能性を探りたい方
  • 品質工学のアプローチを経営やTQM推進の枠組みの中でどう活かせるかを検討している方

DX時代のTQM

~品質経営の基本と変革の必要性~

椿 広計 氏
情報・システム研究機構
データサイエンス共同利用基盤施設 副施設長
椿 広計 氏
DXを導入すれば企業パフォーマンスが向上すると考える経営層こそ、まずTQMを改めて学び直すべきである。DXによって事業をどのように変革し、持続可能な顧客価値の創出をいかに具体的に実現するかは、TQMの基本に則り、方針管理に基づく全社的かつ自律的な取り組みが可能かどうかにかかっている。
特に製造業におけるDXの主戦場は、フロントローディングによる高品質な製品開発の効率化、すなわちデザインプロセスの変革と、デザイン思考によるサービス価値の顧客との共創、さらには「魅力的な顧客」の育成にある。このような高品質な顧客創出活動の中に、TQM活動の改善機会も見出すことができる。

DX時代に必要とされる究極の効率化-フロントローディング

吉澤 正孝 氏
クオリティ・ディープ・スマーツ(責)
代表
吉澤 正孝 氏
QMの再興が指摘される今、日本の品質経営活動の原点、すなわち品質の原点と源流管理を改めて見直すべき時期にある。新製品開発にとどまらず、研究・技術開発・人材育成を含む広範な事業活動に対して、源流管理の枠組みを提案する。
その実現の鍵は、日本が培ってきた並行開発およびフロントローディングの思想にある。全員参加の文化と改善の知恵を基盤としつつ、最新のデジタル技術によるDXを源流段階で統合し、「完全品質」を理想とするロバストな設計を目指した、究極の効率化の方向性を提示する。

TQMと品質工学によるフロントローディングの実現

武重 伸秀 氏
元 マツダ株式会社
武重 伸秀 氏
マツダは1980年代前半までTQMの指導を受け、経営品質の向上に努めてきた。しかし1990年代のバブル崩壊以降は、シックスシグマやMBDなどを駆使した経営の立て直しに注力し、TQMの取り組みは後退した。その結果、ITやコンピュータの進化を背景とする第二次から第三次への構造変化への対応が遅れる状況となっている。
第三次産業中心の社会においては、「ものづくりの効率化」が不可欠であり、その最適な手段がフロントローディングである。そして、その考え方と方法論は品質工学が提供している。当社車両開発本部では、TQMによる経営品質の向上を図りつつ、品質工学を活用した開発効率化に取り組んでいる。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

佐藤 吉治 氏
一般社団法人 品質工学会
代表理事 会長
佐藤 吉治 氏
品質工学は「タグチメソッド」として手法面に注目が集まりがちであるが、その本質は、社会損失を低減するための思想と実践の体系を提供する経営工学の一分野である。その中核を成す「フロントローディング」には、企業全体での取り組みと人材育成が不可欠であり、その実現にはTQM(総合的品質管理)の基盤が求められる。
本セッションでは、TQMの本質、フロントローディングの有効性、そして両者を組み合わせた実践事例を紹介する。これらを踏まえたパネルディスカッションでは、DX時代における品質経営のあり方や、日本企業が今後目指すべき「品質戦略」の方向性について多角的に議論し、持続可能な競争力の確立に向けた展望を共有する。
C会場

AIと品質経営

~AIと品質経営の融合がもたらす新たな可能性を探求する~

セッションの趣旨


デジタル技術の進化により、品質経営、TQMは新たな局面を迎えています。特に、AI(人工知能)は品質管理に革命をもたらす可能性を秘めており、製造現場でのリアルタイム監視や不良品の予測、品質不良の原因分析などにおいて、これまで以上の精度と効率を実現します。
品質経営、TQMは社員の意識改革やプロセス改善を通じて品質向上を目指してきましたが、AIの導入により、品質管理のプロセスは飛躍的に進化します。AIの活用で、品質不良の早期発見や予防が可能になり、TQMのPDCAサイクルがさらに強化されます。データ分析を駆使し、品質向上に加え、コスト削減や納期短縮といった経営課題の解決にも貢献します。また、AI導入にはデータの品質やシステム間の連携、組織文化の変革など、いくつかの課題もあります。

本セッションでは、これらの課題にどう対応するか、AIとTQMの融合を実現するための実践的な方法を共有します。成功事例や失敗事例を交え、AIと品質経営の融合を進めるためのポイントを探ります。
AIとTQMが融合することで、品質経営の未来がどのように変わるかを展望していきます。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 品質経営、TQMにAIを活用したいが、どのように進めてよいかさっぱりわからない。
  • 事務部門で生成AI(ChatGPT等)を業務で活用し、生産現場ではAIによる外観検査の自動化を既に実施している。AI活用はこれ程度で充分では?
  • AI技術をどのように品質経営に統合すれば良いのか、具体的な導入方法や活用事例を知りたい。
  • 既存の品質管理体制の改善方法を模索している。AIの導入により、品質向上や不良予測をどのように効率化できるのか知りたい。
  • TQMの枠組みをAIと融合させ、組織全体の品質向上を図りたい。
  • AIを活用した具体的な品質改善の事例を知り、他社の成功事例を自社にどう適用できるかを学びたい。

AEI(Artificial Elastic Intelligence)を用いた製造業の生産性向上

小代 義行 氏
株式会社pluszero
代表取締役会長 CEO
小代 義行 氏

感情特化AI活用による顧客価値の創造

~AIペットロボット「Moflin」にみるAI×癒しの技術革新~

河村 義裕 氏
カシオ計算機株式会社
サウンド・新規事業部 第三戦略部 メンタルウェルネス事業担当部長
河村 義裕 氏
COVID-19による社会環境の変化とあらゆる領域でのDXの加速により、「個」を重視する傾向が一層強まっています。加えて、世界的な分断化の傾向はメンタルヘルスに関する不安や障害を国際的な社会課題へと拡大させています。こうした課題解決の一助として、当社は一昨年、生き物の成長や感情の形成過程を疑似的に再現するAIを搭載したAIペット「Moflin」を発売しました。このAIは複雑な問題解決やクリエイティブ創出を目的とするものではなく、生き物の成長や人とのコミュニケーション機能に特化しています。本セッションでは、Moflinに搭載されたAIの特徴を紹介するとともに、実際のユーザーからの反響を踏まえて、AIがコミュニケーションや愛着形成にどのように寄与するかを考察します。

AI が支える楽天の“顧客体験品質”

~データとAIを活かしたサービス品質の継続的向上~

大越 拓 氏
楽天グループ株式会社
執行役員 AI サービス統括部 ディレクター
大越 拓 氏

3者とフロアによる総合討論(パネル)

小代 義行 氏
株式会社pluszero
代表取締役会長 CEO
小代 義行 氏
D会場

製造業の競争力を支えるソフトウェア品質

ベストプラクティスに学ぶソフトウェア品質向上への道筋

セッションの趣旨


より精緻な制御や製品がカバーする業務範囲の拡張をはじめとして、ソフトウェア、AIの強みを活かしたりDXにより顧客価値を大きくしたいとお考えの方は多いと思います。そのときにソフトウェア品質は重要なポイントになりますが、「ソフトウェアのことはわからない」「何度も同じようなバグが報告されているが対策は十分ではない」といった課題をお持ちの方は多いのが実情です。

本セッションでは、ソフトウェア品質の課題や対策を持ち寄り、議論することで聴講者の方がお持ちの製品の顧客価値を高めるための気づきを得ることを目指します。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • ソフトウェアが製品機能や顧客価値の中核となっている製造業の技術者・品質保証担当者
  • ソフトウェア品質をどう確保すればよいか悩んでいる設計・開発部門の管理者・リーダー
  • 「バグが減らない」「品質問題の再発防止が進まない」といった課題を感じている方
  • ソフトウェアとハードウェアの融合開発(組込み系など)で品質向上を実現したい方
  • ソフトウェア品質を「経営課題」として捉え、組織全体で取り組みたい方

テーマ調整中

佐藤 裕典 氏
アルプスアルパイン株式会社
いわき開発センター(福島県いわき市)
DCS先行開発部 佐藤 裕典 氏

ソフト開発の仕様・設計の検討初期から品質知見をゼロ距離で活かすEnQualitas技術

公文 一博 氏
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社
ソフトウェア技術部門 ソフトウェア品質技術部 1課
公文 一博 氏

3者とフロアによる総合討論(パネル)

森崎 修司 氏
名古屋大学 大学院
情報学研究科 准教授
森崎 修司 氏
E会場

新たな価値創造と利益をもたらすサービスエクセレンス

~顧客満足を超える「喜び・感動」で、新たな価値創造と利益をもたらす~

セッションの趣旨


2021年6月にISO 23592とISO/TS 24082と呼ばれる「サービスエクセレンス規格」が発行され、同年11月にはJISも策定されました。これは、卓越した顧客体験の創出を通じてファンを増やすための優れた組織とサービスづくりに関する標準であり、顧客満足を実現してきた品質管理とサービスマネジメントの次の高みを目指すものです。
組織が「サービスエクレセンス」を獲得することで、エクセレントサービスの設計活動が展開され、ポジティブな感情を伴う顧客体験の提供がなされ、顧客満足を超える「デライト≒喜び・感動」を顧客が感じることができます。そして、この感情は顧客に組織への信頼を抱かせ、リピーター・推奨者として新たな価値創造と利益を組織にもたらす可能性を秘めています。

本セッションでは、共創による究極のコト価値開発に向け、具体的に組織内で設計・開発プロセスにどのように落とし込むべきか、という観点で、事例も交えて議論を進めていきます。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
★サービス産業はもちろん、製造業が手掛けるサービス事業への展開に大変有用です。
  • サービスエクセレンスとは何か?が知りたい
  • サービスエクセレンスを自社の活動に取り組みたい
  • “顧客満足”を超え、“顧客ロイヤルティ”に繋げたい
  • エクセレントサービスによって“優れた顧客体験”や“カスタマーデライト”を生み出したい

企業・病院との共同研究を通した「組織能力サービスエクセレンス」
および「エクセレントサービスの設計」を実現するための活動

水流 聡子 氏
東京大学
総括プロジェクト機構 特任教授
水流 聡子 氏
企業・病院との共同研究を通した活動について、以下のような内容で提示させていただきます。
  1. サービスエクセレンスに関する4種類のファミリー規格の関係性と、それぞれの簡単な紹介
  2. 東京大学の「Quality とHealthを基盤におくサービスエクセレンス社会システム工学総括寄付講座(通称:サービスエクセレンス総括寄付講座)」で、展開している3つのサービスエクセレンス研究会(教育プログラム・実装・学術研究)の紹介
  3. 複数の企業の品質関連部門と展開している共同研究と、それらの企業だけが参画するサービスエクセレンス研究会(実装)を通したそれぞれの品質関連部門の活動の共有と成長
  4. 医療におけるエクセレントサービスの提供にむけた病院・企業との共同研究における共創と成果
  5. サービスエクセレンス国際規格・JISが提供するモデルの活用可能性

サービスエクセレンスの新規発行規格(実装アプローチと成熟度モデル)とAIツール

原 辰徳 氏
東京大学大学院
工学系研究科 人工物工学研究センター 准教授
原 辰徳 氏

顧客価値最大化に向けたサービスエクセレンス活用

西崎 友康 氏
株式会社ブリヂストン
CQO・品質部門 首席主幹
西崎 友康 氏

企業価値最大化に向けたサービスエクセレンス活用

明石 邦彦 氏
NSKワーナー株式会社
代表取締役社長
明石 邦彦 氏

市場が縮小していくビジネスモデルを持った企業のTOPとして、サービスエクセレンスモデル(4つの側面)を活用した組織づくりを進め、5年後、10年後にどう対応していくのかについて、以下のような内容で提示させていただきます。

ビジネスの現状と問題意識(なぜBtoBにサービスエクセレンスが必要と思ったか)

  1. サービスエクセレンスのビジョン、および戦略の展開(基本理念、ビジョンに盛り込み、方針として具体的に展開中)
  2. サービスエクセレンス文化と従業員エンゲージメントの強化活動事例(ボーカルガイドによる知識教育、外部コンサルによるおもてなし教育)
  3. 生成AIを活用したDfES活動の具体的な戦術の明確化
  4. CRMを活用した顧客評価の見える化
    新しいビジネスの創出と新QFDの活用

3者とフロアによる総合討論(パネル)

水流 聡子 氏
東京大学
総括プロジェクト機構 特任教授
水流 聡子 氏
以下の論点について討論します。
また時間の許す限り、質問群として整理し対応させていただきます。
  1. 変革への工数
    サービスエクセレンス規格を活用して、組織や事業の変革に挑戦している方々が、実際にどれだけの工数をかけてやっているか
  2. 仲間づくり
    サービスエクセレンスを活用した変革活動に関する仲間が増えてきているか
  3. 組織への埋め込み
    サービスエクセレンスのファミリー規格の活用できる部分を、組織の方針やそれらを反映する対象(ウェブサイト・統合報告書・社内規格など)へどのように埋め込んでいこうとしているか
  4. 品質部門の再定義
    品質部門に所属する方々にとってワクワクする魅力ある活動をしている状況にすること、組織と事業の持続性に対して大きく貢献できる存在であることを踏まえ、品質部門の再定義をしてみたい。
F会場

イノベーションの成功は共創力の強化から始まる!

~心理的安全性を昇華させたイノベーションを加速させる方法論~

セッションの趣旨


イノベーションを生み出す土壌として、いま改めて注目されているのが「心理的安全性」です。メンバーが安心して発言・挑戦できる環境があってこそ、多様な視点や創造的な発想が交差し、真に価値ある変化が生まれます。変化の激しい現代において、組織が新たな価値を創出し続けるためには、心理的安全性を基盤とした風土づくりが不可欠です。心理的安全生がある状態は、自由な発想がだせることが基本です。しかしそれだけだは、モノや仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し社会にインパクトのあるイノベーションは起こりません。VUCAの時代と呼ばれるほど、将来の予測が困難でビジネス環境が激変する中では多様な視点を持つ人同士の具体的な共創が必要となります。

かつて「Japan as No.1」と称された日本の産業は、バブル経済の崩壊を契機に国際競争力を低下させてきました。こうした状況に対し、日本科学技術連盟は「品質とはモノの出来栄えではなく、社会や顧客のニーズを満たす度合いである」と再定義し、2019年には「令和大磯宣言」を発出。「顧客価値創造」と「組織能力の獲得・向上」の両立を図る新たな品質経営の普及に取り組んでいます。
本セッションでは、「心理的安全性」「共創」「アジャイル型組織」といったキーワードを軸に、イノベーションを実現する組織変革のあり方を探ります。コトの価値を創出するために、顧客自身もまだ気づいていないニーズに応える組織とは何か。講演や対話を通じて、変革を志す参加者の皆さまと共に、そのヒントを見つけ出していきます。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 顧客自身も気づいていない潜在的ニーズを捉え、革新的な価値を創出したい。
  • 変化に迅速に対応できる意思決定力と行動力を備えた組織を構築したい。
  • ビジネスの成長を加速するために、アジャイル型組織への変革を検討している。
  • イノベーションの土台となる「心理的安全性」について、その本質と具体的な実現方法を理解したい。

イノベーションの成功は共創力の強化から始まる

~心理的安全性を昇華させたイノベーションを加速させる方法論~

川西 由美子 氏
ランスタッド株式会社
組織開発ディレクター兼セールスプロモーションマネージャー
川西 由美子 氏

”モノづくり”から”価値づくり”へ

~現場と経営をつなぐアジャイル実践の軌跡~

村松 勝 氏
㈱明電舎
DX推進本部 事業イノベーション部長
村松 勝 氏

小さな組織が大きな共創を起こすとき

~トヨタとの共創事例から学ぶ中小企業の可能性~

伊藤 隆志 氏
ミカドテクノス株式会社
代表取締役社長
伊藤 隆志 氏

3者とフロアによる総合討論(パネル)

川西 由美子 氏
ランスタッド株式会社
組織開発ディレクター兼セールスプロモーションマネージャー
川西 由美子 氏
共創では組織文化や、仕事のやり方の違い、専門性の違いななどが壁となり機能不全となるリスクがあります。共創ラボなどの場を作ってだけでは、共創は始まらないのです。組織の機能不全を未然に予防して、自身を語る力、相手を理解しようとする力、そこから、新たなものを生み出す力の推進力が必要となりその力を高める方法論を探ります。明電舎は組織のアジャイル化を早くから導入し共創を推進した実績から、アジャイル組織での人の動き方や信頼関係のきづきかた、ミカドテクノスさんはトヨタとの関係性において、心を一つに、世界的はR&D の賞であるR&D 100のファイナリストになった実績から感じ取った視点からそれぞれ議論していただきます。コーディネーターは産業組織心理学の専門家としての視点から、イノベーションを生み出す共創組織の効果的運営について討論いたします。共創初心者であっても理解できるように構造化されています。
G会場 (午前)

特別セッション
ISOからTQMへ

~成長のための次世代品質経営モデルの提案~

セッションの趣旨


1997年のTQM宣言がなされてから25年以上経過しており、その間にDXやSDGs、働き方改革、機械学習・AIなど、社会的に大きな変化が生じていますが、これら変化に対応した新たなTQMモデルを構築し、提唱することが求められており、これが本研究会の目的です。
そのためには、現在の若手・中堅研究者の各専門分野の知識や研究成果を集積しなければならず、またTQMは“実学”ですからTQM推進の実務に造詣が深い企業の方々のニーズや期待、問題認識をお聞きすることも必要不可欠であると考え、大学研究者と企業の方々を含めて18名のメンバーで進めています。

本セッションでは、2023年から開始した本研究会の研究成果として、ISOからTQMへ~成長のための次世代品質経営モデルの提案~を説明していきます。

こんな方にオススメです!


以下のような、課題をお持ちの方
  • 「ISO認証を取っただけで終わりたくない」「経営成果につながる品質活動を実現したい」
  • ISOや品質マネジメントシステムを運用しているが、より実効性の高い品質経営に発展させたい
  • DX・AI・SDGsなどの時代変化を踏まえ、新しいTQMモデルや品質経営の方向性を知りたい
  • 自社のTQM活動を見直し、次世代型の品質経営への移行を検討している経営層、推進部門
  • 日本品質奨励賞(品質革新賞を含む)など、品質経営の表彰制度への挑戦を検討したい

2025年度の研究活動報告

金子 雅明 氏
東海大学
情報通信学部 教授
金子 雅明 氏

シン・TQMモデルの提案と効果の見える化

~TQM活用の裾野を広げることを目指して~

福澤 光啓 氏
成蹊大学
経営学部 教授
福澤 光啓 氏
本講演では、TQM活用の裾野を広げることを目指して、既存の文献調査にもとづいてTQMの型を整理しつつ、TQMの効果の見える化を行います。前者については、TQM関連の主要文献を整理し、組織機能とQMSモデルなどを関連づけたT型マトリクスを示します。後者については、過去のデミング賞受賞報告講演要旨の解析を行い、TQMの活動要素と効果の連関を解明します。以上を踏まえて、近年の経営環境や企業活動の変化を織り込んだ「シンTQMモデル」を提案し、その活用ストーリーについて検討します。

変化に対応するためのシン・TQM

~コンプライアンスや品質不正に対応するためのTQMとは?~

佐野 雅隆 氏
拓殖大学
商学部 教授
佐野 雅隆 氏

シン・TQMにおける人材育成のあり方

~ヒトや環境の変化への対応を踏まえた次世代の品質教育とQCサークル活動~

加藤 省吾 氏
電気通信大学大学院
情報理工学研究科 准教授
加藤 省吾 氏

シン・TQM 実現に向けた新しい手法体系の構築

~現代的課題に対応する実践的ツールマップ~

泉井 一浩 氏
京都大学大学院
工学研究科 教授
泉井 一浩 氏
TQMは長年にわたり品質管理の中核的経営手法として確立されてきたが、デジタル化の進展やサービス品質への注目の高まり、組織マネジメントの複雑化など、現代的な課題に対応する新しいツール群の整備が求められている。既存のTQMツール体系を基盤として、シン・TQMの実現に必要な新しいツールの位置づけと活用方法を明確化するツールマップ構築の取り組みを紹介する。