講演概要
第121回品質管理シンポジウム
※組織名・役職は2026年3月現在の表記になっております
特別講演
変革期におけるリーダーシップと組織マネジメント
~すかいらーくにおけるブランド再生と戦略的転換、
それを支えるサービス品質~
㈱すかいらーくホールディングス 代表取締役会長CEO谷 真 氏
【講演要旨】
すかいらーくグループは、国内外で3,100店を超える店舗を展開する外食チェーンです。
近年では、2度にわたるファンド経営時代を経験し、コロナ後にはマーケットが大きく変容しました。求められる品質も変わり続け、2026年の今、さらに新しい価値が求められています。
このようなマーケットの大きな変化に対し、いかにして組織に根付く体質を変革し、6,000人の社員と10万人の従業員のマインドを「お客様が求める品質の追求」へと昇華させていくのか。その具体的な事例を含めてご紹介いたします。
基調講演・オリエンテーション
日本の産業競争力を創生する「これからの品質経営」
(一財)日本科学技術連盟 理事長佐々木 眞一 氏
【講演要旨】
日本の製造業を支えてきたTQC(後のTQM)は、全員参加による経営改革として大きな成果を上げてきました。しかし、その成功体験が狭義の品質、品質保証を「既得の組織能力」とみなす風潮を生み、品質経営がトップにとって経営の中心課題から後退した側面も否めません。その結果、社会や顧客の変化するニーズを十分に捉えきれず、産業競争力の低下を招いた面もあると考えています。いま顧客ニーズは「Have」から「Do」「Be」へと進化し、企業には価値を顧客と共創する存在への転換が求められています。
本講演では、「令和大磯宣言2023」の実現がもたらす「企業価値の最大化」を目指し、QCS の開催趣旨である「品質管理の山を高くする」に加え、中小企業、サービス産業などを加えたすべての産業がそれぞれの独自の価値創出を目指す「新たに山脈をつくる」ための気付きを得ていただくために基調講演としてお話しいたします。
講演1
SDGs経営におけるグローバル調達管理
~バリューチェーン・マネジメントの実践~
麗澤大学 経営学部 学部長・教授近藤 明人 氏
【講演要旨】
本講演では、SDGsを企業経営に実装するうえで要となるグローバル調達管理を、バリューチェーン・マネジメントの実践として捉え直します。原材料調達から生産、物流、販売に至る各工程で、環境・人権・労働・腐敗防止などのリスクがどのように顕在化し、品質・コスト・納期(QCD)とどう結び付くのかを整理します。そのうえで、持続可能な調達の国際指針であるISO20400を活用し、調達方針の策定・浸透、サプライヤー選定基準と評価、監査、能力開発、トレーサビリティ、KPI設計とPDCAによる継続的改善を体系的に解説します。さらに、遵守中心の管理から、サプライヤーとの協働による価値共創へ転換するための実務上の勘所を提示し、品質管理の視点からSDGs経営を競争力とレジリエンスの向上につなげる具体的な道筋を示します。
講演2
「一瞬も 一生も 美しく」資生堂が考える価値の品質
~価値創造・価値伝達、そして、人~
㈱資生堂 執行役、チーフイノベーションオフィサー、グローバルテクノロジーオフィサー東條 洋介 氏
【講演要旨】
資生堂は、2030年に実現するビジョンとして「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」を掲げ、「一瞬も 一生も 美しく」というスローガンのもと、研究開発に取り組んでいます。本講演では、資生堂が「価値の品質」として大切にしてきた、価値創造、価値伝達、そしてそれらを支える人についての考え方と、現在の取り組みをご紹介します。特に研究開発を起点とした価値創造に焦点を当て、生活者やトレンドのニーズを捉えた基礎研究の成果をどのように価値化し、最大限に活用しているのかをお話しします。さらに、人材育成の取り組みや、創造した価値の伝達も含めて実践しているShiseido Beauty Parkでの生活者との共創の取り組みについてもご紹介します。
講演3
老舗企業の経営革新
㈱龍角散 代表取締役社長藤井 隆太 氏
【講演要旨】
保守的なイメージの老舗企業を、徹底的な「選択と集中」により近代化しました。
社長就任時の借入40億円を15年で完済、30年で売上7倍に導いた経営判断を、音大卒の8代目社長が赤裸々に語ります。
大企業ベースの拡大基調から脱却し、規模に頼らないブランドビジネスにより、倒産の危機から企業の生存性を大幅に高めました。
講演4
価値創造型品質経営
~富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーションの変革~
富士フイルムビジネスイノベーション㈱ 代表取締役社長・CEO浜 直樹 氏
【講演要旨】
写真フイルム事業を起点に大胆な多角化を推進してきた富士フイルム、ITソリューションで進化する富士フイルムビジネスイノベーション、両社が実践してきた変革について具体事例に基づき紹介します。
市場の急激なデジタル化と需要構造の変化という逆境を、技術資産の再定義と事業ポートフォリオの転換によって乗り越えてきましたが、その中核を担ってきた当社は、働き方改革・デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するソリューション・サービスをグローバルに提供し、デジタル活用により創出される新しい商品・サービス、新しいビジネスモデル、新しい関係性を通じて、DXによる新たな価値の創出を目指しています。
本講演では、当社が複合機主体のドキュメントソリューション企業から、お客様の業務変革を共に描き、実装する「DXパートナー」へ進化の軌跡についてお話しします。