講演概要

第107回品質管理シンポジウム

特別講演

代を重ねるごとに強くなるための品質経営

株式会社小松製作所 相談役 坂根 正弘 氏

【講演要旨】
経営トップが品質を関心事として捉えるためには、顧客価値を考えるということが重要になってきます。顧客価値とは、全てのステークホルダーから、どれだけ信頼を得ているかという尺度だと考えており、コマツでは、「顧客にとってなくてはならない度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在となる」ための活動に取組んでいます。それは、経営トップが主導しなければならない活動であり、これからの品質経営の在り方だと考えています。ビジネスモデルで先行し、現場力で勝負に持ち込めば日本は絶対に負けません。そのためにも、経営トップがいかにこの活動を先導し、顧客価値を創造していけるか、が重要になってきます。こういった活動を永続的に高めていくためには単なる○○イズムで終るのではなく、価値観とそれを実現する行動様式まで落とし込み、トップ自ら現場から遊離しない経営を続けることが基本です。昨今の品質に関する不祥事もトップ主導による顧客価値創造で企業の収益性改善と現場立脚が代々貫かれていれば防げることではないでしょうか。

基調講演

現場力と経営者の役割

株式会社ローランド・ベルガー 日本法人会長 遠藤 功 氏

【講演要旨】
世界の市場は不確実性、不透明性が増し、それに適応した「乱気流の経営」が求められています。この荒波を乗り越えるための鍵となるのが日本の競争力の源泉である「現場力」です。
一方で、どのような状況でも経営において本質的に大事なことは、たったひとつ。
それは、会社が「生きている」ことです。
常に挑戦と創造を続ける「生きている会社」と、守りと管理に走り停滞に沈む「死んでいる会社」の差はどこにあるのでしょうか。
本講演では、「現場力」「生きている会社」をキーワードに、経営者が実践すべきことを具体的な事例を交え解説します。

講演1

価値創造に貢献できる組織能力の強化

アイホン株式会社 代表取締役社長 市川 周作 氏

【講演要旨】
アイホンは、住宅や病院に加え、オフィス等でも使用されるインターホンを中心としたコミュニケーションとセキュリティのシステムを、企画・開発・製造・販売そしてアフターサービスまで一貫して行っています。めまぐるしく変化する経営環境の中、コールセンターを起点とした市場情報を新商品開発や営業活動に活用し、新たな価値創造を行い永続的に発展できる組織を目指して、全社を挙げてTQMの再活性化に取り組んだ内容をご紹介いたします。

講演2

アイシングループにおける「品質至上」の実践(仮)

アイシン精機株式会社 シニア・エグゼクティブ・アドバイザー
藤江 直文 氏


【講演要旨】
アイシン精機は創立以来、商品の独自性を尊重した分社化を進め、各社が専門性を高め、小回りの利く経営を実践し、今ではグローバルで200社を超えるグループ企業となりました。現在は分社化の「強さ」や「専門性」を活かしつつ急激な環境変化に対応する為にバーチャルカンパニー制を進めています。こうした変遷の中でもグループ共通の経営の基本理念を「品質至上」と定め、いかなる時代にあってもお客様に満足して頂ける商品を社会に提供することが、永久不変の絶対条件であるとの信念に基づいた経営をしています。経営者を含めた全社員に基本理念を浸透させ、「品質至上」が実践できる環境の整備を愚直に進めてきましたが、ある出来事を契機に原点に戻った活動の振返りを進めています。本講演では、グループ11万人の仲間と共に進めている活動を具体的な事例を交えてご紹介します。

講演3

魅力的商品開発による企業価値提供を持続する開発人材の育成

株式会社安川電機 代表取締役会長 津田 純嗣 氏

【講演要旨】
安川電機は1915年の創業以来、「電動機(モータ)とその応用」を事業領域と定め、その製品・技術により時代の先端技術を支えてきました。現在はモーションコントロール、ロボット、システムエンジニアリング事業を中核とし、ビジネス拠点は世界29カ国,生産拠点は12カ国とグローバルに事業を展開しています。
当社の開発体制は、グローバルな体制を取っており、日本で製品プラットフォームの開発を行い、海外はそれをベースに地域やお客様のニーズに合わせたカスタマイズを行っています。
このグローバルな事業に貢献する開発人材の育成については、「YASKAWAの人づくり」理念に基づき、人材育成フレームワークをベースに階層毎に共通基本教育と機能別専門教育の人材育成カリキュラムを構築し実施しています。
例えば、開発に携わる技術系の新入社員については、入社直後から1年間にわたり,集合教育と海外拠点を含む事業所でのインターンシップを実施し,本人の技術が活かせ、希望する職場に配属させています。また,その他の階層については,モータ技術やパワー変換技術などの要素技術研修やサーボ、インバータ、ロボットなどの製品技術研修などの専門技術研修もあり,あらゆる階層のレベルアップに役立てています。
一方、地場の大学や異業種企業との共同研究や技術交流も積極的に進めており、革新的なイノベーションを継続的に起こせるよう取り組んでいます。
今回は,これら安川グループの取組みと実践事例についてご紹介します。

講演4

デジタルトランスフォーメーションによる
新しい価値の創造

コニカミノルタ株式会社 代表執行役社長 兼 CEO 山名 昌衛 氏

【講演要旨】
コニカミノルタは「課題提起型デジタルカンパニー」を目指し、顧客の顕在化している課題はもちろん、まだ見えていない課題も先回りして、お客さまと一緒に答えを導き出し、ビジネスや人間社会の進化を支える新たな価値を提供していきます。祖業のカメラ・フィルム事業から培った材料、光学、画像処理の技術と、ICTやAIなどによるデータ解析を組み合わせ、バイオヘルスケア領域でのがんの個別化医療の実現や、オフィスにおける働き方改革や生産性・創造性の向上に貢献します。こうしたソーシャルイノベーション創出における鍵は、「人財のトランスフォーム」にあります。M&Aによる人財やノウハウの獲得、世界5極でのアジャイルな事業開発のほか、デジタルによる課題解決の取組みなど、当社の変革プロセスを事例とともに紹介します。