講演概要

第105回品質管理シンポジウム

特別講演

マツダのブランド価値経営 ~ロマンとソロバン~

金井 誠太 氏 マツダ株式会社 代表取締役会長

【講演要旨】
マツダは1960年代から総合自動車メーカーを目指し、様々な特色のある技術と商品を世に出す一方で、度重なる経営危機に見舞われてきました。1996年からのフォードによる経営の下、ブランド価値の再定義からの再出発を図り、2001年から「Zoom-Zoom」戦略を展開しました。
2006年に策定した「2015年ビジョン」に基づき、「サステイナブル”Zoom-Zoom”宣言」を公表する一方で、全社を挙げて「モノ造り革新」に取り組みました。これらの結果生み出された「SKYACTIV技術」や「魂動デザイン」は、2012年発売のCX-5以降の商品群に全面採用され、世界の多くのお客様から好評を博し、「ブランド価値経営」の展開と合わせ、多方面での成功に繋がりました。
一連の経緯を振り返ると共に、主に2000年以降の取り組みの背景となった考え方やプロセスを紹介します。

基調講演

「お客様になくてはならない」存在に! コマツのブランドマネージメント活動

大橋 徹二 氏 株式会社小松製作所 代表取締役社長(兼)CEO

【講演要旨】
コマツにとってTQMは、度重なる危機を救ったいわば「(経営)品質の救世主」であり、当社のDNAといえます。 その一方で近年、当社主力製品である建設機械・鉱山機械は、海外での販売や生産が拡大し、海外従業員の人員も約7割となるとともに、これまでの日・米・欧の競合だけでなく、力をつけてきた新興国の競合他社と価格等で激しい戦いを迫られるなど経営環境は大きく変化しています。 当社はこれに対応するため、「ダントツ商品」による製品の優位性確保とともに、これまで以上に各地域の顧客との密着度向上により、地域毎にニーズの異なる顧客の満足度を高めていく、「ブランドマネージメント活動」を実施してきました。 今回はこの活動を今回のメインテーマである、顧客価値創造活動の1つの事例としてご紹介します。

講演1

ブランドマネジメント活動:“ビジネスモデルで先行し,現場力の勝負に持ち込む”ための新たな全員参加型経営

加藤 雄一郎 氏 名古屋工業大学 産学官連携センター 特任教授

【講演要旨】
記念すべき第100回品質管理シンポジウムの提言、「これからの日本はビジネスモデルで先行し,現場の戦いに持ち込めば負けることはない」をいかに実践するか。持続的改善の取組みに優れた企業が多いことを考えると、事業構想力が産業界に強く求められるといえます。本講演では、事業に関わる一人ひとりが自らの知見を活かして事業の明日を考える組織的取組として「ブランドマネジメント活動(BM活動)」に焦点を当て、新しい全員参加型経営のかたちを考えます。10年前にコマツ独自の取組みとして誕生したBM活動は、先進企業の実践によってケースが積まれ、「経営者による決断をサポートする」という性格も備えようとしています。市場環境変化が激しい今日、従業員各人の知見を活かすBM活動は事業の成否を分かつ鍵になりえます。「ビジネスモデルで先行し、現場の戦いに持ち込む」の実践に向けて、『勝てる人と組織の創り方』を一緒に考えてまいりましょう。

講演2

新たな価値を生み出す、クロネコヤマトの満足創造経営

山内 雅喜 氏 ヤマトホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 社長執行役員

【講演要旨】
ヤマトグループは、2019年11月に創業100周年を迎えます。事業環境が急激に変化している現在、当社はあらためて会社の財産である社員を中心に据えた「働き方改革」を経営の最優先事項とし、時代に合わせた事業モデルの再構築をおこなっています。また、物流をコストから「バリューを生み出す手段」に進化させる「バリュー・ネットワーキング」構想を推進しており、本年10月には、大阪府に総合物流ターミナル「関西ゲートウェイ」が完成します。これにより、三大都市圏すべてに当社の基幹ターミナルが設置されることになり、企業物流に新たなスピードと付加価値を創出、日本経済の国際競争力向上に貢献していきたいと考えています。その他、本業を通じて地域の活性化を図る「プロジェクトG」やそれを支える人材育成についてもお話しいたします。

講演3

消費者・顧客の立場に立った「よきモノづくり」とお客様価値向上活動(仮題)

澤田 道隆 氏 花王株式会社 代表取締役 社長執行役員

【講演要旨】
花王石鹸発売から127年間、「よきモノづくり」にこだわり続け、その結果、消費者や顧客から大きな信頼を得てきたと考えています。いわゆる花王品質を創り上げることができたのではないかと思っています。企業の持続的成長は、コケないことが重要です。コンプライアンス遵守や情報漏洩防止だけでなく、メーカーとしては、品質問題を起こさないことがポイントとなります。今年の初めに発表致しました中期経営計画K20の中にもそのことを明記しました。今回の講演では、花王グループの「よきモノづくり」の概要をお話しすると共に品質向上活動として取り組んでいる事例についてもご紹介いたします。

講演4

「もっといいクルマづくり」に向けたデザインの挑戦

福市 得雄 氏 トヨタ自動車株式会社 専務役員 Chief Branding Officer

【講演要旨】
トヨタ自動車は、「TOYOTA」「LEXUS」2つのブランドを軸に「もっといいクルマづくり」に取り組んでいます。それは、近年、お客様の製品に対する「期待」が、従来の価値観の延長線上にはなく、我々が想定する以上のレベルにあり、そのお客様に満足して頂けるよう「創造性と情熱」をもって挑戦し続けている活動でもあります。本講演では、その「お客様の期待」を上回るべく、トヨタのデザイントップとして「意外性」「独自性」のあるデザイン創出に取り組んできた事例や、チーフブランディングオフィサーとなり、レクサスのブランド価値を最大限に高めるべく、執ってきた施策について紹介します。