講演概要

第109回品質管理シンポジウム(※組織名・役職は2019年9月17日時点の表記になっております)

特別講演

楽天に於ける原点回帰と最先端テクノロジーを通した顧客価値の創造
~期待を超えた品質提供による、顧客満足の最大化~

楽天株式会社 副社長執行役員 COO 百野 研太郎 氏

【講演要旨】
楽天はこれまでインターネット業界の中で成長を続けてきましたが、近年EC市場の複雑化やお客様のニーズの変化という外部環境変化と、企業規模及び海外展開の拡大、また外国人従業員の増加などの内部環境変化の大きな2つの変化点がチャレンジとなっていました。
企業として様々な改善施策に取り組んで来ましたが、最終的にたどり着いた楽天としての成功の鍵は、お客様に向き合い顧客価値を最大化する、という「原点回帰」と、「最新テクノロジー」の融合でした。
社員一人一人がお客様のことを考え、課題を見える化し、高回転で対策を打ち、またヨコテンを加速する、という基本品質が文化として根付いた先に、最先端テクノロジーを駆使したリアルタイムでのお客様の行動や感情の収集、最短リードタイムでの施策実行、お客様一人一人の属性や趣向に合わせた最適なサービスの提供など、進化した顧客価値の提供が可能になったと考えています。
弊社ならではの地道な活動とビッグデータやAIを駆使した最先端の活動の複合的アプローチのご紹介、また今後の更なる進化にむけての取り組みをご紹介させていただきます。

講演1

デンソーのモノづくり革新と価値創造の取組み

株式会社デンソー 代表取締役副社長 山中 康司 氏

【講演要旨】
デンソーは創業以来、「先進」「信頼」「総智総力」を大切にした品質経営を実践しています。その考えのもと愚直にやり続け発展させている人を中心とした現場力向上の諸活動に加え、デジタル時代の新たな取組みであるモノと設備を情報で繋ぎ、人と情報の共創、人が情報を活用した現場改革を紹介します。
新たな価値創造のための「モノづくり」も「コトづくり」も、大切なことは “お客様に寄り添うこと” であり、目的やプロセスは同じだと思います。現場≒市場(価値創造の場)と捉え、現場の真のニーズを満たすアジャイル開発手法も取り入れています。
デジタル時代においても、現場力の伝承、技術員・技能員の育成は重要なことであり、ビッグデータ解析などを活用できるデジタル人材育成などにも取り組んでいます。
これら弊社のモノづくりの進化・深化の取り組みを紹介します。

講演2

お客様になくてはならない存在となるために
コマツのブランドマネージメント活動

株式会社小松製作所 代表取締役会長 大橋 徹二 氏

【講演要旨】
コマツにとって主力製品である建設機械・鉱山機械は、海外市場の拡大により、販売や生産を拡大してきましたが、力をつけてきた競合他社との差別化を図らなければこの市場の拡大に合ったプレゼンス(存在)の伸びは期待できません。コマツは経営の基本として、品質と信頼性を追求し、社会を含む全てのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化する事を掲げておりますが、このステークホルダーの中心に位置づけているお客様から選ばれ続ける存在となるために、2007年より「ブランドマネージメント活動」を開始致しました。この活動は、地域毎、分野毎にニーズの異なる、先進的なお客様との密着度をこれまで以上に向上し、それぞれのお客様が将来目指す目標を共に見つけ出し、その目標の達成をコマツがお手伝いするものです。この活動を通じてこそ、お客様もコマツもダントツとなり、お客様から選ばれ続ける存在になるものと考えております。今回はこの活動を顧客価値創造活動の1例としてご紹介します。

講演3

新たな100年に向けた顧客価値創造活動 ~「くらしアップデート業」への挑戦~

パナソニック株式会社 品質・環境本部 本部長 上原 宏敏 氏
 
【講演要旨】
パナソニックは創業以来、事業を通じて世界中のお客様の「くらし」の向上と社会の発展に貢献することを基本理念とし、家電を中心とした大量生産のビジネスモデルを軸に事業成長を果たしてきました。ただ、近年のお客様の生活や価値観の多様化は、単に「良い商品をお届けする」という従来型のビジネスモデルからの脱却を我々に求めています。
当社の掲げる「くらしアップデート」は、徹底してお客様視点に立ち、IoTやAIといった技術を駆使し、お客様一人ひとりに最適なくらしを実現する、という考え方です。
この姿の実現に向けては、業界を超えた企業同士の「共創」のフレームワークによる価値創出が不可欠です。
お客様やビジネスパートナーとの「価値共創」による、より良いくらし・より良い社会の実現に向けた取り組み、それを支える現場力強化への挑戦についてご紹介いたします。

講演4

DMG森精機における過去10年の日独企業統合と今後の10年

DMG森精機株式会社 取締役社長 森 雅彦 氏

【講演要旨】
2008年の世界金融危機をきっかけとして、日本の森精機製作所とドイツのギルデマイスター社(DMG)が経営統合を開始し、その後、現在にいたるまでの取り組みに関して、資本・人・商品・工場・販売・IT等の各分野から振り返り、また今後の10年を考察する。

講演5

これからの品質経営のあり方:企業価値最大化に向けた「顧客価値創造」と「組織能力強化」の連携

名古屋工業大学 産学官金連携機構 加藤 雄一郎 氏

【講演要旨】
サービス・ドミナント・ロジックと呼ぶ新たな価値創造観の登場後、「モノづくりからコトづくりへ」と言われるようになって久しい。しかし、価値創造パラダイムが転換したにもかかわらず、品質保証の仕組みが旧態依然のままの企業が少なくない。品質保証の対象は、「モノのできばえ」から「コトのできばえ」に移行されるべきである。
本講演では、今日の価値創造観をレビューした上で、品質管理の重点を「モノのQCD」 から「コトの QCD」に移行させていくことの必要性と、その実現に向けて「顧客価値創造」と「組織能力強化」の両輪を組織的に回していくことの有効性について事例を交えて解説し、これからの時代の品質経営の在り方を検討する。