講演概要

第110回品質管理シンポジウム(※組織名・役職は2020年9月15日時点の表記になっております)

特別講演

変化する時代におけるサステイナブルな経営

住友商事株式会社 取締役会長
中村邦晴

【講演要旨】
デジタル技術の革新に伴い、世界では今人々の価値観や考え方のものさしが急激に変化、多様化しています。モノの所有からサービスの活用へと関心が移る、業界の垣根を越えて様々な産業がクロスオーバーするようになる、気候変動問題への感度が上昇する等、企業にはこうした変化への対応が求められています。
中でも、特に意識すべきなのが環境問題や人権問題といった社会課題への取り組みです。利益の追求を軸とした従来型の企業成長戦略では、残念ながら最早長期的な繁栄は望めません。ビジネスを通じて、社会課題の解決と新たな価値創造の両立を目指すこと、これを担う人材を育成し、ひとりひとりの業務品質を維持することがサステイナブルな企業の条件となります。
本講演では、サステナビリティ経営を目指す住友商事の取り組みに加え、これまでの私の経験の中から得た社員の業務品質を高める上で大切なことについて、ご紹介させていただきます。

基調講演

価値創造・品質保証・安全確保に寄与する人の行動とそれを生み出す組織のマネジメント

中央大学 教授
中條 武志 氏

【講演要旨】
様々な分野における事故や不祥事、顧客に感動を与える新製品・新サービスの成功例などを見ると、その殆どに人の行動が関係していることに気づきます。このような人の行動を生み出すものは何なのでしょうか。また、一人ひとりが望ましい行動を取れる組織をつくりあげるためには、どのようなマネジメントを実践するのがよいのでしょうか。さらに、人が変わり経営環境が変わる中、そのようなマネジメントを継続するためには何が必要なのでしょうか。いくつかの事例をもとに、価値創造・品質保証・安全確保に寄与する人の行動とそのような行動を生み出す組織のマネジメントとの関係について論じたいと思います。

講演1

しぶとい日本のものづくりへ ~組織能力向上と仕事の変革~

トヨタ自動車九州株式会社 代表取締役社長
永田 理 氏

【講演要旨】
トヨタ自動車九州はトヨタ自動車の100%出資子会社で、福岡県でレクサス車を生産しています。自動車産業はCASEやMaaSといった大きな変革期に来ています。また社会全体が自然災害や感染症などの苦難に直面する中で、雇用維持・経済復興に貢献する役割を果たし続けたいと願っています。
この様な変化や困難を乗り越えるために、弊社では組織能力の向上と仕事の変革に取り組んできました。昨年のデミング賞大賞受賞後の変化を中心に、組織能力向上と仕事の変革についてご紹介します。

講演2

全員参加による付加価値のある売場の創出

アクシアル リテイリング株式会社 代表取締役社長
原 和彦 氏

【講演要旨】
当社グループはスーパーマーケット「原信」「ナルス」「フレッセイ」129店舗を北陸、北関東にチェーンストア展開しています。
経営理念の実現に向けて、TQMを経営の根幹に据え、「判断の基準はお客様」の姿勢で、お客様のご満足の実現を図っています。
チェーンストアとしてのマスメリットが付加価値を生み出すには、規模の拡大、機能の拡充、そして人材が必要です。
これらをTQMで実現を目指すとともに、人材の育成は教育の充実や働きやすい職場環境の整備を行い、人を大切にする経営を心がけています。

講演3

ANAの安全文化醸成の取り組み

panda・Flight・Academy株式会社 顧問
(元 全日本空輸株式会社 上席執行役員)
田中 龍郎 氏

【講演要旨】
ANAはその安全理念に「安全は経営の基盤であり、社会への責務である。」と掲げ、具体的な活動として、安全マネジメントシステムを中心とする確かな仕組みの構築と、役職員一人ひとりの責任ある誠実な行動を求めています。この「仕組み」と「行動」は、これらを育む土壌とも言うべき健全な「安全文化」があってこそ実現し、組織全体の安全の活動がうまく機能するようになります。
また航空機を安全に運航し、社会の信頼を得るためには、運航会社だけではなく航空機メーカーと規制当局を含む三者それぞれの組織、あるいは組織間の連携における「仕組み」と「行動」が重要であり、そこにはやはり「安全文化」が大きな影響を及ぼします。
本講演では、安全(=事故の未然防止)・安心(=社会の信頼)のために求められる仕組みと行動とはどういうものか、これらの土壌たる安全文化をどのように醸成しているのかについて、ANAを中心にメーカーの事例も含めてご紹介します。

講演4

パナソニック コネクティッドソリューションズ社の企業変革の取り組み

パナソニック株式会社 代表取締役 専務執行役員
コネクティッドソリューションズ社 社長
樋口 泰行

【講演要旨】
パナソニックで法人向けビジネス(BtoB事業)を担当するコネクティッドソリューションズ社で企業変革にチャレンジしています。2018年に創業100周年を迎えたパナソニックが、次の100年もお客様と共に発展し続ける企業であり続けるためには、経営者も従業員も、誰もがオープンに意見を交わし合い、正しいことを正しく実行できるフェアでフラットな「健全なカルチャー」が不可欠です。お客様の変化や世の中の変化に対する感度を高め、健全なカルチャーだからこそ生み出される衆知を集め、お客様のお困りごとを解決していくこと。これこそが従業員の働きがいや生きがい、幸福に繋がると確信し、従業員と共に様々な取り組みを行っています。