前回のシンポジウム

第116回品質管理シンポジウム

開催概要

テーマ
日本の産業競争力向上を実現するこれからの品質経営
~品質経営のパラダイムシフト~
日 時 2023年11月30日(木)~12月2日(土)
会場
  • 大磯プリンスホテル
    (神奈川県中郡大磯町国府本郷546 TEL:0463-61-1111)
  • ライブ配信
主 催 一般財団法人 日本科学技術連盟
後 援 一般社団法人 日本品質管理学会

プログラム

※講演者の組織名・役職は、講演当時の表記になっております

11月30(木)

時間 科目 講演者
19:00~20:10 <特別講演>
勝ち続ける「仕組み」をつくる伝統の技のイノベーション
~挑戦を続ける獺祭の逆境経営~
桜井 博志 氏
旭酒造㈱
会長
20:10~20:30 <質疑応答>
20:30~22:00 グループ討論(1)、談話室

12月1(金)

時間 科目 講演者
8:30~8:40 主催者挨拶、ご連絡事項説明 小野寺 将人 氏
(一財)日本科学技術連盟
専務理事
8:40~9:10 <基調講演>
116回品質管理シンポジウムの趣旨、ねらい
これからの品質経営の在り方の提案
佐々木 眞一 氏
(一財)日本科学技術連盟 理事長
(116QCS主担当)
9:15~10:00 <講演1>
ビジネスモデルで先行し現場力の勝負に持ち込むEARTHBRAINの実践
小野寺 昭則 氏
㈱EARTHBRAIN
代表取締役社長
10:00~10:15 <質疑応答>
10:15~10:25 休憩
10:25~11:15 <講演2>
イシュー別 機能連携管理のすすめ
~ビジネスモデルで先行し、現場力勝負に持ち込む新たなプロセス志向~
加藤 雄一郎 氏
㈱ブランドデザイン 代表取締役
㈱ジェイテクト 社外取締役
名古屋工業大学 産学官金連携機構 プロジェクト教授
11:15~11:30 <質疑応答>
11:35~12:20 <講演3>
JTEKT REBORN
佐藤 和弘 氏
㈱ジェイテクト
取締役社長
12:20~12:35 <質疑応答>
12:35~13:30 昼食休憩
13:30~14:15 <講演4>
竹中工務店におけるホスピタリティ・デザインの取り組み
~京都東山計画(山荘京大和・パークハイアット京都)における価値創造を通じて~
原田 哲夫 氏
㈱竹中工務店
執行役員
14:15~14:30 <質疑応答>
14:35~15:15 <講演5>
品質経営実践に向けた日科技連「品質経営研究会」からの提言
鈴木 浩佳 氏
トヨタ自動車㈱ モノづくり開発統括部 主査
日本科学技術連盟 「品質経営研究会」委員
15:15~15:30 <質疑応答>
15:30~15:45 休憩・移動
15:45~18:00 グループ討論(2)
18:00~19:00 夕食
19:00~20:15 グループ討論(3)
20:15~21:30 談話室

12月2(土)

時間 科目 講演者
8:30~10:00 グループ討論報告
(10分×8班、予備10分)
司会:加藤 雄一郎 氏
オーナー:佐々木 眞一 氏
報告:各班リーダー
10:00~10:15 休憩
10:15~11:35 総合討論
11:35~11:50 第116回品質管理シンポジウム
まとめ
佐々木 眞一 氏
11:50~12:00 次回(117回)
品質管理シンポジウム案内
117QCS主担当組織委員
棟近 雅彦 氏
12:00~ 昼食・解散

特別講演

勝ち続ける「仕組み」をつくる伝統の技のイノベーション
~挑戦を続ける獺祭の逆境経営~

桜井 博志 氏 旭酒造株式会社
会長
桜井 博志 氏

【講演要旨】
山口の山奥の小さな酒蔵である旭酒造株式会社。その小さな酒造会社が1990年代に発売を開始した、日本酒の「獺祭(だっさい)」が純米大吟醸の販売量で日本一となり、アメリカやヨーロッパ・アジアなど、世界30の国と地域へと輸出拡大を果たしました。そして、初の海外生産拠点となるニューヨーク近郊ハイドパークに酒蔵を建設し、現地生産による新たなブランド「DASSAI BLUE」をアメリカで発売することになりました。今回の講演では、逆境をチャンスに変えて成功に繋げた体験談をお話します。

基調講演

「116回品質管理シンポジウムの趣旨、ねらい」
「これからの品質経営の在り方の提案」

佐々木 眞一 氏 一般財団法人 日本科学技術連盟
理事長
佐々木 眞一 氏

【講演要旨】
社会やお客様の価値観が変化しそれに対応して産業構造と事業主体の変化が起きております。
第109回のQCSで令和大磯宣言を発出して以来、その対応について議論を重ねてきました。
今回、第116回のQCSの議論は品質経営を支えてきたTQMについて、価値創出プロセスの変化の下でその活動要素を強化すべきポイント、新たに追加する活動要素について、品質経営研究会で先進的企業の取り組みをベンチマークし議論を重ねた成果に基づく提言を致します。
価値創出のプロセスを経営者、管理者、実務者とプロセスの遂行者レベルで重層的に捉え、そのプロセスが的確に機能する為の組織能力のあり方を新たな論点として取り上げます。

講演1

ビジネスモデルで先行し現場力の勝負に持ち込むEARTHBRAINの実践

小野寺 昭則 氏 株式会社EARTHBRAIN 代表取締役社長
小野寺 昭則 氏

【講演要旨】
2010年、経営トップから1枚のメモが下る。
「優れた技術があっても、それを活かすビジネスモデルがなければグローバルマーケットでの競争には勝てない。
日本は一般的に「技術で勝ってビジネスで負ける」とよく言われるが、このビジネスモデルはトップダウンで創出/変革していくべき。」

では、ここで言う「ビジネスモデル」とは、何をどうすることなのか?

それから13年後、EARTHBRAIN社は「安全で生産性が高くスマートでクリーンな未来の現場をお客様と共に創造する、スマートコンストラクション。」をビジョンに掲げ、その実現に向けて必要なオペレーションシステムを現在も継続的に開発中です。
本講演ではこの一連の開発において、戦略要素レベルのプロセスが果たす役割の重要性を、皆さんと一緒に考えたいと思います。

講演2

イシュー別 機能連携管理のすすめ
~ビジネスモデルで先行し、現場力勝負に持ち込む新たなプロセス志向~

加藤 雄一郎 氏 株式会社ブランドデザイン 代表取締役
株式会社ジェイテクト 社外取締役
名古屋工業大学 産学官金連携機構 プロジェクト教授
加藤 雄一郎 氏

【講演要旨】
良い結果は、良いプロセスからしか生まれない。ただし、一口に価値創出プロセスといっても、「戦略要素レベル」「機能連携レベル」「業務遂行レベル」など複数層が存在します。
機能連携レベルと業務遂行レベルの二層間に着目したマネジメントは既にすこぶる強い。強化すべきは、戦略要素レベルと機能連携レベルの二層間。第100回品質管理シンポジウムで提言された「ビジネスモデルで先行し、現場力勝負に持ち込む経営」とは、組織を挙げて、全員参加で、三層全体を作り込むことだと考えます。そこで、戦略要素レベルを起点として機能連携レベルのプロセスを作り込むべく「イシュー別 機能連携管理」に焦点を当てて、その可能性をみなさまと考えてまいります。

講演3

JTEKT REBORN

佐藤 和弘 氏 株式会社ジェイテクト 取締役社長
佐藤 和弘 氏

【講演要旨】
弊社は2020年3月期決算において、2006年光洋精工と豊田工機が合併し、ジェイテクトが誕生してからリーマンショック以来の赤字を計上しました。赤字決算後、コロナ禍の2020年6月、社長に就任することとなり、とにかく赤字から早く脱却し、『社員が10年後、20年後に安心して働ける会社』を目指し、JTEKT REBORNに挑戦してきました。手順として、徹底的に弱みを分析し、外科的治療、内科的治療、漢方薬的治療を段階的に実施してきました。
並行して、各グループ企業へのガバナンスを強化、彼らが有する高技術なシーズ群を活用した未来への種まきも行ってきました。
その結果、生産回復、円安という追い風もあり、黒字化達成と右肩上がりの成長を続けると共に新たな事業への種まきも出来ました。
現在は、グループ企業と共に様々な分野の“世界一”を合言葉に活動中です。
上記JTEKT REBORNの取り組みをご紹介します。

講演4

竹中工務店におけるホスピタリティ・デザインの取り組み
~京都東山計画(山荘京大和・パークハイアット京都)における価値創造を通じて~

原田 哲夫 氏 株式会社竹中工務店 執行役員
原田 哲夫 氏

【講演要旨】
1000年の歴史に彩られた京都・東山山麓 において 歴史的建築・庭園を保存しながらトップブランドのラグジュアリーホテルを導入し、これまでにない新しい体験の創造を目指した「京都東山計画(山荘京大和・パークハイアット京都)」での実践を通じて「ホスピタリティ・デザイン」について語ります。
合わせて、最新のBIM・デジタル技術の活用による建築分野における新価値創造および新しい顧客体験の創造の現状 についてお話しします。

講演5

品質経営実践に向けた日科技連「品質経営研究会」からの提言

鈴木 浩佳 氏 トヨタ自動車株式会社 モノづくり開発統括部 主査
日本科学技術連盟 「品質経営研究会」委員
鈴木 浩佳 氏

【講演要旨】
第109回品質管理シンポジウムにおいて令和大磯宣言が採択され、品質経営とは顧客価値創造と組織能力獲得・向上の両輪の取り組みにより企業価値を最大化することであることが宣言されました。そこでこれら両輪の取り組みのプロセスを具体化し、実践に必要なツールを整備し、好事例を取り揃えることなどを目的に、2020年秋に品質経営研究会(委員長:日本科学技術連盟 佐々木理事長)が組織されました。本講演では、研究会成果である品質経営実践のためのプロセスや勘所、さらには有益な参照情報、例えば品質経営実践に必要な組織能力の一般解などをご紹介します。本報告内容が一社でも、一人でも多くの皆様による品質経営実践の道標や活力剤になれば、加えて、本講演後に実施される各グループディスカッションにとって有益なインプット情報になれば幸いです。