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日刊工業新聞連載記事

顧客価値創造と現場力(9)事業構想に基づく組織開発

この記事は日刊工業新聞社の転載許諾を受けています。

品質経営の実践で成長と発展を

今後、日本企業はサービス経済化に対応した新たな競争優位を築く必要性に迫られる。品質管理の啓蒙(けいもう)と普及を事業の柱とする日本科学技術連盟(日科技連)は、企業各社がTQM導入による組織運営の仕組みづくり→持続的改善による事業効率の向上→顧客価値創造活動の導入による事業の発展→全員参加型の組織的取り組みによる環境適応の実践という進化を遂げることを提唱している。

共通価値テーマは「品質経営の実践による産業界の成長と発展」だ。その実現に向けた企業各社の成長プロセスが前記である。このプロセスにコミットする日科技連のマネタイズ・シナリオは、企業の事業課題に応える研修などのスポット提供(第1コマ)、顧客企業の人材育成部門など主要部門長と協働策定した組織成長ロードマップに基づく研修パッケージの継続的提供(第2コマ)。品質経営懇話会や品質管理シンポジウムを活用した経営層との接点拡大と彼らが直接的に指揮する各種プロジェクトの支援策の拡充(第3コマ)。取り組み成果を社内共有する発表会の運営支援、フォーラムを通じた他企業への波及(第4コマ)である。

以上は、産業界の環境変化を踏まえて日科技連が自らの外部適応を考えた結果である。そして、内部適応に視点を移し、組織オペレーションの仕組みを「活動システム」として策定。この活動システムにおいて「どの部門が」「具体的に何をするのか」を部門別に掘り下げて品質保証体系図として表し、現場の改善活動を推進している。

「顧客価値創造と現場力」とは、外部適応と内部適応を同時進行すること。顧客成長プロセスやマネタイズ・シナリオなどの基本要素を網羅した「事業構想基本フレーム」と、部門間の連携を俯瞰(ふかん)した「品質保証体系図」の二大図面を中核に置いた組織的取り組みによって実現する。

職業能力開発総合大学校 客員教授 加藤雄一郎