京都大学 大学院法学研究科 教授 稲谷龍彦先生より「アジャイル・ガバナンス:科学技術と共進化する法を求めて」と題して基調講演が行われました。
AIをはじめとするデジタル技術の急速な発展により、社会の仕組みが大きく変化する中で、私たちがどのように「安心して使える」「信頼できる」社会のルールを築いていけるのか、その基本的な考え方をご講演いただきました。
デジタル技術の進展により利便性が高まる一方で、技術や制度の仕組みが複雑化し見えにくくなり、不安を感じる場面も増えています。そうした時代において、社会の信頼性をいかに担保しながら新しい技術を社会に実装していくのかが重要な課題となっています。
本講演では、「アジャイル・ガバナンス」という考え方を軸に、最初から完璧なルールを定めるのではなく、社会や技術の変化に応じて継続的に見直し、改善していくことの重要性が分かりやすく示されました。
存在すら認知されていないリスクの発現に対し、イノベーションが委縮しないよう免責する制度の制定や、行政、企業、市民といった多様な立場が関わりながら、安全確保の基準を策定する「マルチ・ステークホルダー」の考え方など紹介され、信頼できる社会をどのように育てていくのか、科学技術と共進化する法の在り方について示唆に富んだ内容で、大変有意義な講演となりました。
