基調講演・特別講演

基調講演

アジャイル・ガバナンス:
科学技術と共進化する法を求めて

稲谷 龍彦 氏
京都大学大学院 法学研究科 教授

聞きどころ


AI技術の急速な進展により、社会全体のデジタル・トランスフォーメーションが進みつつある今日、様々な分野で自動化技術が社会実装されつつあります。しかし、従来の垂直的な規制を中心とするリスク管理手法では、刻々と変化する規制環境に適応できないため、新技術の社会実装の促進も適切なリスクの管理も難しくなっています。本講演では「アジャイル・ガバナンス」と呼ばれる新たなリスクガバナンス手法を通じて、科学技術と共進化する法の姿を素描します。

講演者紹介

稲谷 龍彦 氏
京都大学大学院法学研究科法曹養成専攻修了後、京都大学大学院法学研究科助教、准教授を経て2021年より現職。専門は、刑事司法制度及び科学技術と法。とりわけ、グローバル企業犯罪対応及びAIシステムを含む複雑なシステムのリスクマネジメントについて、学際的な視点から研究している。
内閣官房「データ利活用制度システム検討会」委員、経済産業省「Society 5.0における新たなガバナンスモデル検討会」委員、デジタル庁「デジタル関係制度改革検討会」座長など、法制度及び社会制度のデジタル化に関する各種委員会の委員等を歴任。

研究論文や著書(代表的なもの)


「Society 5.0における新しいガバナンスモデルとサンクションの役割」千葉恵美子編『デジタルプラットフォームとルールメイキング』(2023年)、Agile Governance: Japanese Approach to Governing Cyber-Physical Systems in Massiomo Durante & Ugo Pagallo eds., The De Gruyter Handbook on Law and Digital Technologies (2025)など多数。

その他


法務博士(専門職)、KDDI財団「KDDI Foundation Award本賞」、人工知能学会理事

特別講演

宇宙ビジネスの新潮流と信頼性の確保

中須賀 真一 氏
東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授

聞きどころ


宇宙開発利用は、官から民、大から小、少数から多数への大きな変革を迎え、政府だけでなく、スタートアップ中心の民間が民間投資により技術を高め、政府が顧客になるという新しい構図ができつつあります。多数の小型衛星が軌道上に広がり、頻繁なサービスを提供する「小型コンステレーション」が政府の利用や民間ビジネスの中心になりつつある。そこでは、小さな衛星でありながらそれなりの信頼性と性能を実現する技術やアイデアが必要となります。本講演では、そのようなビジネスの新しい流れと、小型衛星における信頼性の考え方について紹介します。

講演者紹介

中須賀 真 氏
1988年東京大学博士課程修了、工学博士。
日本IBM、東京大学講師、助教授を経て、2004年より教授。
日本航空宇宙学会2024年度会長、IFAC航空宇宙部会元部会長。世界初の1㎏衛星の打ち上げを皮切りに16機の超小型衛星打ち上げに成功し、スタートアップ数社の創立にも貢献。内閣府宇宙政策委員会委員。クロスユー理事長、スペースICT推進フォーラム会長、CONSEO副会長、ASTEC理事長なども務める。