企画セッション

衛星のシステム、ユニット、部品の信頼性をトータルで考える

企画概要


今回の企画セッションでは、宇宙用部品~宇宙用ユニット・モジュール~宇宙システムまでの信頼性について皆様と共に議論したいと考えています。
  1. 宇宙部品は、高信頼性部品であると同時に、宇宙線耐性が求められます。
  2. モジュール・ユニットにおいては部品と同様に宇宙線耐性とともに、重力の違いや真空環境下であることにより、熱設計及びシールド設計に代表されるシステム設計が大きく変わります。
  3. 宇宙システムでは一つの衛星の信頼性を向上させるだけでなく、複数の衛星でカバーしながら機能を発揮する、システムの信頼性技術を基に信頼性確保していることが必要になります。
基本的な信頼性設計の考えは、地上のシステムと同じでありながら、宇宙ならではの独自性は、どのようなものか等につきまして、各専門家を交えた討議を行います。皆様も積極的に議論に加わっていただくことを期待しています。

講演1

月で活躍したロボットSORA-Qに組み込まれた玩具技術と信頼性について

赤木 謙介 氏
株式会社タカラトミー デジタルビジネス本部 EC・AI戦略室 AI・OM推進部 部長

聞きどころ


2024年1月20日に日本は初めて月面着陸に成功。月着陸実証機「SLIM」に搭載された小型ロボットSORA-Qは玩具会社タカラトミー等4者が共同開発した変形型月面ロボットであり、SLIMの着陸状態や周辺環境を捉えた画像の撮影・送信に成功し、日本初の月面着陸ミッションに大きく貢献した。SORA-Qは普段子供たちが安心安全に遊ぶ事を前提に作られる玩具の技術が多数採用されている。モノづくりの目線で、異業種の玩具会社がどのように月面で走行するロボットを制作できたのかを、多くの画像や動画と共に紹介します。
赤木 謙介 氏

講演者紹介

株式会社タカラトミー2003年に入社。玩具業界で20年以上、マーケティングや商品企画、事業提案を担当。主な展開ブランドはTransformers、ダイアクロン、ビーダマン等、SORA-Qプロジェクトでは事業推進とマーケティングに従事。 現在はオウンドメディア、AI活用推進を統括。

講演2

科学衛星・探査機における
電子部品の品質・信頼性とは

生田 歩夢 氏
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 専門・基盤技術グループ 研究開発員

聞きどころ


科学衛星・探査機は打上げ後に保守する術がなく、加えて苛酷な宇宙環境に曝されます。そのため、搭載部品には不良品を徹底的に除く品質と、温度・放射線・真空といった宇宙環境に耐える信頼性が求められます。本講演では、宇宙科学研究所における部品選定方針や追加試験の考え方を解説し、特に課題になりやすい宇宙放射線に対する保証について課題や最近の取組みを紹介します。また近年進展する超小型機開発における部品適用の動向と課題について紹介します。
生田 歩夢 氏

講演者紹介

2019年4月に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所に入所後、所内科学衛星・探査機プロジェクトの電子部品の品質・信頼性保証活動や放射線耐性評価の研究開発に従事。長周期彗星探査計画Comet Interceptorプロジェクトでは、日本担当機器の部品の品質・信頼性保証の研究開発を担当。

パネル討論

パネリスト

赤木 謙介 氏
株式会社タカラトミー デジタルビジネス本部 EC・AI戦略室 AI・OM推進部 部長
生田 歩夢 氏
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 専門・基盤技術グループ 研究開発員

コーディネーター

藤本 直伸 氏
内藤電誠工業株式会社 評価解析事業部 技術顧問
藤本 直伸 氏

略歴

1973年、三菱電機㈱に入社。品質保証部門・LSI研究所(宇宙用GaAs太陽電池開発など)において、部品の品質保証(信頼性試験、故障解析など)を実施。 高信頼性電子機器(防衛・車載・宇宙)に使用される部品の品質保証のために国内外の部品メーカの工場サーベイと品質改善を行った。
現在、内藤電誠工業㈱において、技術顧問として、宇宙用ロケット(H-3、イプシロンなど)開発支援やJAXA関連の技術支援(デザインレビュー等の審査や宇宙用EEE部品教育等)を行っているとともに、電子部品の信頼性技術についての機器メーカ各社への技術支援や教育支援を実施している。
門田 靖 氏
電気通信大学大学院 情報理工学研究科 客員研究員
門田 靖 氏

略歴

1981年 東京都立大学理学部物理学科卒業、同年㈱リコーに入社、本社QA部門 信頼性技術部署に配属。以来デバイス・材料等ミクロ領域の故障メカニズム解析を中心に主に研究開発部門、電子デバイス部門、電子写真研究部門と関り、数々の信頼性技術業務に従事。2014年に研究開発部門に異動し、先端デバイスの研究開発に従事。現在、内藤電誠工業㈱において、技術顧問として、宇宙用や車載用の電子デバイスの信頼性評価や開発支援を行っている。