優秀事例賞
Best Application Award
受賞理由
本発表は、車載用電子部品の熱サイクルに伴う半田付け部の劣化挙動を解析し、信頼性設計の最適化を実施した報告でした。
半田結晶粒数の増加メカニズムの解析を有限要素法(Finite Element Method : FEM)を用いてシミュレーションすると同時に、現品を使った後方散乱電子回折(Electron BackScatter Diffraction : EBSD)解析を行い、温度サイクル試験の試験サイクル数と半田結晶粒数の相関モデルを構築し、熱ひずみの伝播及び結晶粒の動的微細化プロセスを明確に解明されました。さらに、従来実施している温度サイクル試験条件が、目標寿命に対しておよそ8倍の設計余裕度を有することを定量的に示しており、信頼性確保と開発効率向上の両立が可能であることを実証しました。
その成果は、過剰設計の是正、製品開発期間の短縮、試験条件の合理化に大きく貢献する実用性の高いものであり、信頼性設計の最適化における模範的な事例として高く評価できることから、本発表は優秀事例賞にふさわしいと判断しました。
奨励発表賞
Incentive Application Award
受賞理由
本発表は、「廃棄ゼロによる循環型社会の実現」に向けて、量産工程における不具合撲滅をテーマにした改善報告であり、課題の捉え方からアプローチ方法、各種技法の使い方まで、抜け漏れのない解決に導いた事例として、多くの技術者にとって大いに参考になる報告でした。
特に、単なる不良の撲滅に限定せず、工程開発を行うスタンスで「あるべき姿とのギャップ」を認識し、特性値の詳細な計測と故障部の破面解析など固有技術を駆使して原因を究明したこと、応答曲面解析を活用し、最適条件を明らかにしたこと、物理的・統計的根拠に基づく再発防止を確実なものとしている点が高く評価できます。
また、PDCA、多変量解析、信頼性解析等の手法を効果的に組み合わせて、課題解決のアプローチから管理の定着まで論理的に推進している点は、多くの技術者にとって模範となることから、本発表は奨励発表賞にふさわしいと判断しました。