クオリティフォーラムアーカイブ

特別講演

 特別講演1

顧客の信頼を勝ち取るために必要な組織能力の獲得とTQM

~自動車産業を支え続けて100年・黒子のモノづくり~

長谷川 靖高 氏
株式会社メイドー
代表取締役社長
長谷川 靖高 氏
名古屋の町工場の時代から現在まで、およそ100年にわたりトヨタ自動車を下請け企業として支え続け、そしてまた鍛えられ、共に成長してきました。
特に2008年リーマンブラザ-ズの破綻に端を発した世界金融不況で、受注量が半減する中、豊田章一郎氏から「デミング賞を取れば不良が減り儲かるよ」と背中を押され、2010年にデミング賞実施賞、2013年にデミング賞大賞に挑戦する過程で人材が育ち、現場力、組織能力を強化することができました。その結果、顧客先向け品質不良件数が半減し、 トヨタ自動車を始め、顧客先の信頼を獲得することで、日本の自動車産業が停滞する中、成長拡大することができました。当大会においてはトヨタ自動車のひとつの中小下請け企業としての考え方や生き様と品質管理、技術、海外展開、人材育成の視点から、成長の原動力を発表します。
長谷川 靖高
株式会社メイドー 代表取締役社長

生年月日


1967年9月6日 満58歳

現 職


株式会社メイドー 代表取締役社長 株式会社MCシステムズ(旧ナゴヤダクロ株式会社) 代表取締役会長

職 歴


1994年11月 株式会社メイドー入社 北米準備室
1995年12月 北米子会社ライトウエイファスナーズへ出向 副社長
2001年3月 北米より帰任
2001年4月 株式会社メイドー 海外事業室 室長
ナゴヤダクロ株式会社入社 取締役
2005年4月 株式会社メイドー 海外事業部 取締役部長
2006年8月 ナゴヤダクロ株式会社 代表取締役社長
2011年4月 株式会社メイドー 専務取締役
2023年7月 株式会社メイドー 代表取締役社長
株式会社MCシステムズ 代表取締役会長
2024年10月 尾張精機株式会社 取締役(グループ子会社・兼任)

事業内容


  • 自動車の重要保安部位に使用される高強度ボルト、ならびに、高精度・大物冷間鍛造部品の製造・販売。
  • トヨタ自動車をはじめとする自動車メーカー、そのTier メーカー向け自動車分野を主として各分野のお客様に部品を供給しております。

経歴・その他


  • メイドーに入社し、主に海外営業を担当。北米、ヨーロッパの子会社・工場立ち上げや、国内外の各業務提携を担当。
  • メイドー社長就任後は、海外の国際展示会へも積極的に参加し、最新情報を収集。
  • 趣味はスキー、トライアスロン、そしてドライブ。
 特別講演2

アカデミア発のイノベーションを社会に

~iPS細胞技術を用いた新しいがん免疫治療の挑戦~

金子 新 氏
京都大学iPS細胞研究所 教授/筑波大学 医学医療系 特任教授
金子 新 氏
私たちの体に存在する細胞から多能性幹細胞を誘導するiPS細胞技術(細胞初期化技術)が見いだされてまもなく20年を迎えます。私の研究グループはその技術を用いてiPS細胞から免疫細胞の主力であるキラーT細胞を再生する手法を世界に先駆けて報告し、その後も様々な免疫細胞をiPS細胞から誘導しています。それらの免疫細胞の臨床応用を目指した十年余にわたる私たちの研究開発の取り組みについて紹介し、iPS細胞から作られたさまざまな免疫細胞が、がんや感染症、自己免疫疾患の治療に活躍する近未来について、期待を込めて語ります。
金子 新 氏
(免疫再生、腫瘍・感染免疫)
京都大学iPS細胞研究所・増殖分化機構研究部門 免疫再生治療分野 教授。専門は、免疫再生、腫瘍・感染免疫。1995年筑波大学医学専門学群卒業、2002年博士(医学)取得。筑波大学大学院医学研究科において造血幹細胞遺伝子治療ならびに免疫遺伝子治療の研究を行う。学位取得後は、日本学術振興会特別研究員、筑波大学血液病態制御医学(血液内科)講師、2005年サンラファエレ研究所(イタリア)研究員を経て、2008年東京大学医科学研究所助教を務め、2012年より京都大学iPS細胞研究所 同部門准教授、2020年より、現職、及び、筑波大学医学医療系・臨床医学域 がん免疫治療研究分野 教授。2013年から17年にiPS細胞研究所附属細胞調製施設(FiT)施設長、2021年同研究所附属動物実験施設長、2022年から24年に同研究所副所長を兼任。
iPS細胞の特性を生かした免疫再生治療の実現に向けた研究を行っている。
 特別講演3

DMG森精機の品質経営と成長戦略

~TQMを基盤としたMachining Transformationによる変化への挑戦~

森 雅彦 氏
DMG森精機株式会社
代表取締役社長
森 雅彦 氏
DMG森精機は1948年の創業以来、約10年毎に起こる社会的ニーズの大きな変化に応じてビジネスモデルを発展させ提供する製品・サービスを進化させて成長して参りました。2020年に初めて挑戦したTQM診断では方針の浸透が不十分でプロセスマネジメントができていないという厳しいご指導を受けましたが、その後、徹底的に取り組みを見直し2024年には当社伊賀事業所がデミング賞を頂きました。直販・直サービスへの移行、ドイツ・ギルデマイスター社との資本業務提携等を通じてお客様のニーズを直接把握し、品質経営の考え方をグローバルで展開することの重要性を改めて認識しています。本講演では、デミング賞受賞を通過点として変化する環境の中でお客様の求める価値を提供し、社会課題の解決と企業価値の向上に取り組む当社の成長戦略をご紹介します。
森 雅彦
DMG森精機株式会社 代表取締役社長

生年月日


1961年9月16日 64歳

学歴


1980年3月 私立東大寺学園高等学校 卒業
1985年3月 京都大学工学部機械系学科精密工学専攻 卒業

学位


2003年10月 東京大学 学位(工学博士)取得

職歴


1985年4月 伊藤忠商事株式会社 入社
1993年4月 株式会社森精機製作所(現 DMG 森精機株式会社)入社
1994年6月 同社 取締役 就任
1999年6月 同社 取締役社長 就任
2009年11月 Gildemeister AG 監査役 就任(現 DMG MORI Aktiengesellschaft)
2018年5月 DMG MORI Aktiengesellschaft 監査役会議長 就任

その他


  • CIRPフェロー(国際生産工学アカデミー)
  • 京都大学イノベーションキャピタル株式会社 取締役
  • 京都大学経営協議会委員
  • 学校法人東大寺学園 理事