2 件の資料が見つかりました。
ダウンロード数: 1650回
SQuBOK分類 :
紹介文 :
ソフトウェア開発において、工数は関心が高い事項の一つである。工数と規模の関係においては、相関があることがわかっている。また、弊社では工数を開発工数、管理工数、顧客対応工数と工数の用途に応じて、分離して収集を行っている。これらの工数はすべて規模と相関があるのであろうか。
弊社の先行事例では、工数から管理工数、顧客対応工数を除いた開発工数と品質の関係を明らかにしている。これから、管理工数、顧客対応工数が、開発工数とは違った特徴を持つことが示唆される。しかしながら、管理工数や顧客対応工数に関しては、適切に分離できているデータが少なく、十分な分析ができていなかった。
本論文では、管理工数や顧客対応工数が適切に分離できているデータを拡充し、ソフトウェア開発プロジェクトにおける工数の構成について明らかにする。またソフトウェア開発プロジェクトにおいて、開発工数はもとより、管理工数も必要不可欠な工数である。そこで、工数の構成分析を通じて、管理工数はどの程度が適切なのかの考察を行う。
ソフトウェア開発において、工数は関心が高い事項の一つである。工数と規模の関係においては、相関があることがわかっている。また、弊社では工数を開発工数、管理工数、顧客対応工数と工数の用途に応じて、分離して収集を行っている。これらの工数はすべて規模と相関があるのであろうか。
弊社の先行事例では、工数から管理工数、顧客対応工数を除いた開発工数と品質の関係を明らかにしている。これから、管理工数、顧客対応工数が、開発工数とは違った特徴を持つことが示唆される。しかしながら、管理工数や顧客対応工数に関しては、適切に分離できているデータが少なく、十分な分析ができていなかった。
本論文では、管理工数や顧客対応工数が適切に分離できているデータを拡充し、ソフトウェア開発プロジェクトにおける工数の構成について明らかにする。またソフトウェア開発プロジェクトにおいて、開発工数はもとより、管理工数も必要不可欠な工数である。そこで、工数の構成分析を通じて、管理工数はどの程度が適切なのかの考察を行う。
ダウンロード数: 96回
SQuBOK分類 :
紹介文 :
ウォーターフォール型ソフトウェア開発は前工程を終えたのちに後工程を開始し、後戻りすることなく逐次的に進めるものとして一般に 認識されている。しかしウォーターフォールモデルにおいて隣り合う2工程の間には双方向の関係がありこの関係のためそれらの工程は部分的に並行して実施され得る。筆者らの経験においてもウォーターフォール型ソフトウェア開発の日程計画において工程間に重なりを持たせることはしばしば行われている 。ウォーターフォール型ソフトウェア開発は工程が逐次的に進められることが基本ではあるものの、工程間に重なりを持たせた日程計画を立てることは一般的なことであるといえる 。工程間に重なりを持たせることにはメリットとデメリットの両面がある。工程を重ねることで作業を並行して実施することができ、開発期間を短縮できたり次工程の作業者の手持ち時間を減らせたりできるなどのメリットが 得られ る。これにより、プロジェクトの利益率向上が期待される。一方で過度に工程を重ねてしまうと前工程で生じた変更が次工程またはそれ以降の工程での後戻り作業を増やすことになり計画時に比べて品質やコストに悪影響を及ぼしてしまう。これにより、プロジェクトの利益率が悪化するリスクが高くなってしまう 。工程間の重なりに関する検討は、これまでシミュレーション研究として扱われたり、並行ソフトウェア開発などのプロセスモデルとして論じられたりしてきた 。しかし、ウォーターフォール型ソフトウェア開発における工程の重なりがプロジェクトの利益率にどのような影響を与えるのかについての実証的な取り組みは筆者らが知る限り十分に示されていない 。アジャイル開発が広がりを見せている一方で、 ウォーターフォール型ソフトウェア開発は依然として広く利用されておりそれを適用することが望ましい場合や顧客都合などの理由によりそれを適用せざるを得ない場合もある。ウォーターフォール型ソフトウェア開発における工程間の重なりと利益率の関係に関する知見を実証的に導き出し、開発現場へと適用することは意義ある取り組みであると筆者らは考えている 。
本論文ではウォーターフォール型ソフトウェア開発プロジェクトを対象に収集したデータを基に工程の重なりと利益率との関係について分析を行う。 工程の重なりにはメリットとデメリットの両面があり重なりの度合いは利益率に何らかの関係がある可能性がある 。また、工程を個別に見たときにどの工程とどの工程の重なりが利益率と関わりがあるのかについて掘り下げて検討する必要がある。 さらに、品質メトリクスを含めて総合的に捉えたときに、利益率に関わる要因同士の構造が明らかになれば、プロジェクトの日程計画を立案する上で有益な知見が得られるものと期待できる 。そのため本研究では次のResearch Questionsを設定する。
RQ1プロジェクト全体で見た工程の重なりと利益率との間には、どのような関係があるのか。
RQ2:工程の重なりを個別に見たときに、利益率と関わりのある工程はどれか 。
RQ3 工程の重なりと品質メトリクスを用いて、利益率を説明することはできるか。
2章では分析対象について述べたのちに 、分析に用いた変数である工程の重なり、利益率予実差、および品質メトリクスについて、それぞれの概要とデータの概要を示す。 3章ではRQ1からRQ3についての分析結果を示す。 4章で考察を述べ、最後に5章でまとめを述べる。
ウォーターフォール型ソフトウェア開発は前工程を終えたのちに後工程を開始し、後戻りすることなく逐次的に進めるものとして一般に 認識されている。しかしウォーターフォールモデルにおいて隣り合う2工程の間には双方向の関係がありこの関係のためそれらの工程は部分的に並行して実施され得る。筆者らの経験においてもウォーターフォール型ソフトウェア開発の日程計画において工程間に重なりを持たせることはしばしば行われている 。ウォーターフォール型ソフトウェア開発は工程が逐次的に進められることが基本ではあるものの、工程間に重なりを持たせた日程計画を立てることは一般的なことであるといえる 。工程間に重なりを持たせることにはメリットとデメリットの両面がある。工程を重ねることで作業を並行して実施することができ、開発期間を短縮できたり次工程の作業者の手持ち時間を減らせたりできるなどのメリットが 得られ る。これにより、プロジェクトの利益率向上が期待される。一方で過度に工程を重ねてしまうと前工程で生じた変更が次工程またはそれ以降の工程での後戻り作業を増やすことになり計画時に比べて品質やコストに悪影響を及ぼしてしまう。これにより、プロジェクトの利益率が悪化するリスクが高くなってしまう 。工程間の重なりに関する検討は、これまでシミュレーション研究として扱われたり、並行ソフトウェア開発などのプロセスモデルとして論じられたりしてきた 。しかし、ウォーターフォール型ソフトウェア開発における工程の重なりがプロジェクトの利益率にどのような影響を与えるのかについての実証的な取り組みは筆者らが知る限り十分に示されていない 。アジャイル開発が広がりを見せている一方で、 ウォーターフォール型ソフトウェア開発は依然として広く利用されておりそれを適用することが望ましい場合や顧客都合などの理由によりそれを適用せざるを得ない場合もある。ウォーターフォール型ソフトウェア開発における工程間の重なりと利益率の関係に関する知見を実証的に導き出し、開発現場へと適用することは意義ある取り組みであると筆者らは考えている 。
本論文ではウォーターフォール型ソフトウェア開発プロジェクトを対象に収集したデータを基に工程の重なりと利益率との関係について分析を行う。 工程の重なりにはメリットとデメリットの両面があり重なりの度合いは利益率に何らかの関係がある可能性がある 。また、工程を個別に見たときにどの工程とどの工程の重なりが利益率と関わりがあるのかについて掘り下げて検討する必要がある。 さらに、品質メトリクスを含めて総合的に捉えたときに、利益率に関わる要因同士の構造が明らかになれば、プロジェクトの日程計画を立案する上で有益な知見が得られるものと期待できる 。そのため本研究では次のResearch Questionsを設定する。
RQ1プロジェクト全体で見た工程の重なりと利益率との間には、どのような関係があるのか。
RQ2:工程の重なりを個別に見たときに、利益率と関わりのある工程はどれか 。
RQ3 工程の重なりと品質メトリクスを用いて、利益率を説明することはできるか。
2章では分析対象について述べたのちに 、分析に用いた変数である工程の重なり、利益率予実差、および品質メトリクスについて、それぞれの概要とデータの概要を示す。 3章ではRQ1からRQ3についての分析結果を示す。 4章で考察を述べ、最後に5章でまとめを述べる。