企業価値向上経営懇話会(旧:品質経営懇話会)

開催実績

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第9回会合

~ニューノーマル時代のる品質経営のあり方は、どう変化していくのか?を徹底討論~

1.第9回目の開催

第9回目の会合は、当初の予定通り2020年9月8日(火)に開催されました。新型コロナウイルス感染拡大が収まっていないことから、経団連会館(東京大手町)でのリアルとオンラインでのハイブリッド形式にて開催されました。
コロナ禍により5月の会合が延期となったこともあり、第1次報告書発行後の初会合として、新たなメンバーも迎えて今まで以上に活発な討論が行われました。
これも、参加各企業のトップの品質経営に対する問題意識の現れであると感じています。

冒頭に坂根委員長から、今回が初参加の新メンバーも多いため、懇話会創設のいきさつ、これまでの検討内容を含めての挨拶がありました。
第1次報告書はこちらから

その後、新メンバーの自己紹介が行われました。
  • 宮本 眞志氏 (トヨタ自動車株式会社 カスタマーファースト推進本部 本部長 Global Chief Quality Officer)
  • 藤木 俊光氏 (経済産業省 製造産業局長)
  • 杉江 幸治氏 (コニカミノルタ株式会社 執行役 品質本部長)
  • 小川 博之氏 (JFEスチール株式会社 代表取締役副社長)
  • 森 雅彦氏  (DMG森精機株式会社 取締役社長)
  • 百野 研太郎氏(楽天株式会社 副社長 執行役員 COO)
※メンバー一覧はこちら

2.「環境変化によってお客様の求める価値は変わるのか(コロナ禍の「ニューノーマル」)、その価値観の変化に対するアプローチ方法、ビジネスモデルの構築をどう考えるのか?」

前回(2019年12月)の会合では、坂根委員長が最後に以下ポイントを示し会議を締めくくっていました(第8回会合レポートから転載)。

1)顧客は誰かを改めて定義する
本質的な顧客を見抜くことが大事である。これは、BtoB、BtoC問わず同じである。
2)品質経営の本質は“見える化”である
まだ誰もみえていない、現場を見える化することが肝要である。他社に先駆けて現場を見える化することによって、価値あるデータが導出され、そこから新しいビジネスモデルが見えてくるはずである。

その時は、誰もがこんなにも早く、「自社にとっての顧客は誰か?」を真の意味で考えざるを得ない状況になるとは想像もしていなかったのではないでしょうか。
コロナ禍の半年で、新たな生活様式など劇的に環境が変化してきました。今回は、今後の品質経営懇話会の議論の方向性を左右する大切な会合となった気がしています。

コロナ禍で、各社は何を考え、何を取組んできたのか?各社から活発な意見交換がおこなわれました(以下、意見交換の一部)。
①お客様が新しくなり、ビジネスモデル変革を迅速に対応している。
②これまで、オンライン上でのデータ確保が主であったが、オフラインのデータを見える化し、価値あるものに仕立て直している。
③これまでの業務遂行が出来なくなり、ニューノーマル時代にこれまで以上に、
 「いかに環境が変化しても生産性や効率化を確保・更なる向上を果たすか」
④今まで以上に「顧客価値創造」に注力しなくては競争力を失う。
⑤従来TQMの活動は、環境変化への対応であったが、一部でモノの出来栄えに着目した話に陥りがちな傾向が少なからずあった。
⑥テレワークなど働き方が変わる中、品質経営を中核として、しっかりと利益を確保することが今だから大切である。

昨年、品質経営懇話会がこれからの品質経営とは「顧客価値創造」と「組織能力の獲得・向上」の両輪を回し続けることであることを定義づけました。


今まさに、企業経営においてその取組の重要性が改めて理解され、品質経営はトップ主導で進めなくてはならないことが、メンバー企業で共通認識とされました。

3.様々な意見と今後の議論の方向性

佐々木副委員長の進行のもと、メンバーから、様々な自社での取り組みが紹介され、それをもとに意見交換がなされましたが、坂根委員長からは、以下2点のポイントについて示されました。

1)経営は性善説で舵をとること
コロナ禍で、様々な価値が変化している。自社でも性善説に立ち業務プロセスをはじめ自社にとっての顧客を徹底的に考え抜くと新しい道が見えてくる。
2)品質経営はトップ自らが主導すること
第1次報告書冒頭「経営トップへの願い」で示しているが、品質経営はトップ自らが覚悟をもって取り組むことが肝要である。

最後に坂根委員長から、社長以外の懇話会メンバーへ、今回の議論内容を、帰ったらトップに是非伝えてほしい、との強い要望が出されました。

4.次回もより議論を具現化していきます!

“品質立国ニッポン”復活に向け、今後より一層「これからの品質経営」を推進するためにトップの視点で必要となることを議論して参ります。
本会は、設立趣旨であるトップの関心事に「品質」が中核となっていくことを目指し引き続き取り組んで参ります。今後も、「品質経営懇話会」からの発信にご注目ください!

最後に、日科技連ではコロナ禍によりオンラインを中心とした新しい取組みもスタートしています。是非各社で積極的に活用いただければ幸いです。
(報告・まとめ:品質経営研修センター 糸柳 寿人)