企業価値向上経営懇話会(旧:品質経営懇話会)

開催実績

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第6回会合

~中間報告後の初会合で、「これからの品質経営」具現化に向けトップが果たすべき役割を討論~

1.第6回目の開催

第6回目の会合は、2019年5月30日(木)大磯プリンスホテルにて開催されました。今回も、各企業トップ層が参加する品質経営に関する一大イベント「品質管理シンポジウム」の開催と合わせた実施となりました。多くのメンバーは、本会合後に同会場で開催されるシンポジウムに参加し、シンポジウム参加者との交流も深めていました。

今回から、各社の役員人事等により、以下の方々が新たなにメンバーとして参画いただけることになり、会合の冒頭に自己紹介が行われました。

小林 仁氏  (積水化学工業株式会社 執行役員 生産力革新センター所長)
高見 達朗氏 (ダイハツ工業株式会社 役員)
上原 宏敏氏 (パナソニック株式会社 執行役員 CQO)
棟近 雅彦氏 (一般社団法人日本品質管理学会 会長/早稲田大学 教授)※今回は欠席

※メンバー一覧はこちら

2.経営トップが実践しなければならない品質経営の姿を議論する場「品質経営懇話会」

品質経営懇話会は,日科技連が品質経営,品質管理の普及団体として“品質危機”に直面しているとも言える日本の現状を打破するために設置したもので,本会は品質担当役員(CQO:Chief Quality Officer)が経営に主体的に参画して“経営トップが経営と品質に関する議論をする場”として,継続して会合を重ねています。
本年4月には中間報告書を取りまとめて、本懇話会webサイトに公開しました。
また、「月刊経団連」(2019年6月号) には、坂根委員長が本懇話会の趣旨、目的、検討内容を執筆し、各所から反響を呼んでいます。
http://www.keidanren.or.jp/journal/monthly/2019/06/p52.pdf(経団連webサイト)

品質経営懇話会が提唱する、「これからの品質経営」を実践・推進するにあたって、中間報告内で強調している「すべてはトップにあり」を実践すべく、「トップ(CEO)の役割、育成、CQOの役割、育成」にポイントを絞り、今後議論を深化していく予定です。


図1.「これからの品質経営のかたち」
(品質経営懇話会 中間報告書 p.18より)

今回は,富士ゼロックスマニュファクチュアリング 佐藤 義和常務執行役員から自社での「顧客価値創造」の観点を踏まえた品質経営の推進事例,経営トップが品質活動にどのように取り組んでいるかを紹介していただき,メンバーと活発な意見交換を行いました。
事例紹介の後、議長から「“これからの品質経営のかたち”を浸透させる」に関して、以下のポイントが示され、これを受けて議論に入りました。
  1. ① これからの品質経営を先導するために、トップはどのような視点を持たなくては いけないか?その仕組みと仕掛け方について
  2. ② 狭義と広義の品質を両輪で回していくのか。

3.様々な意見と今後の議論の方向性

メンバーから様々な意見交換を行い、改めて「顧客価値創造」の取組みと「組織能力強化」のための「TQM」の両輪の重要性が認識され、その上でトップとしての役割、またそれを支えるCQOのフォロアーシップについて議論されました。

坂根委員長からは、以下のコメントが示されました。
  • 品質不良、偽装の問題など狭義な話に行きがちだが、広義に考えたとき、特に顧客価値創造について、まだ他社が見えていないときに、自分たちだけが見ることができたときの威力は凄まじい。これは、ノーベル賞も企業のイノベーションも根本である。
  • コマツの例で言えば、顧客の土木現場を誰も見える化出来ていなかった。お客様の現場を見える化出来るようにしようというのが、「スマートコンストラクション」の発端である。見えてくると次から次にIoTが進化していく。
  • 社会の基準が常に変わるから、不正が出てしまうのは仕方ないと割り切っている。コマツでは、不正を隠した者を厳罰に処するようにしている。また、世界中からの月報は一番はじめバッドニュースを書くように指示し、現在ではそれが徹底されている。また、大橋現会長はSLQDCの順で書くことを徹底的にやっている。

4.次回もより議論を具現化していきます!

次回(第7回)会合は10月1日に経団連会館で開催予定ですが、改めて「これからの品質経営のかたち」の議論を進めて参ります。積水化学工業の実践事例発表も行われる予定ですが、以下の2点にも着目して議論を進めていきます。
  1. ①トップの右腕となる、品質に関する専門家(CQOを含む)の育成・獲得方法をどうするか?
  2. ②これからの品質経営を推進するにあたり、特に「顧客価値創造」の取組みについてどのように取り組んでいくか? 

今後も、「品質経営懇話会」からの発信にご注目ください!
(報告・まとめ:品質経営研修センター 糸柳 寿人)