開催実績
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第23回会合
~第二次報告書発行後にあたるディスカッションと
コマツの講演を通じた「企業価値向上経営」の深化の議論が
活発に行われる~
1.第23回開催概要

本会は2017年の創設以降、企業価値向上に資する品質経営のあり方について議論を重ねてきた。本会合では、2020年に発行した第一次報告書の検討を踏まえ、新たに取りまとめられた「第二次報告書」を中心に議論を実施した。これまでの議論の積み重ねを踏まえ、単なる理論整理にとどまらず、実務における再現性・展開可能性を重視する段階に入っていることが改めて共有された。
また、「企業の存在価値最大化を目指す品質経営行動」に関する実践事例として、株式会社小松製作所 小川会長による講演および意見交換を行い、企業価値創造の実務的な展開について理解を深めた。
2.委員長挨拶および趣旨説明
佐々木委員長より、第二次報告書の完成にあたり、その位置づけと意義について説明があった。本報告書では、これまでの議論に加え、12社1団体の豊富な事例を基に、企業価値向上経営の実践知を体系化しており、「日本企業の強みを再解釈し、再現可能な形で社会に示す試み」であると位置付けられた。
また、本会合では報告書内容の確認に加え、今後の活用方法や普及展開の方向性について、忌憚のない意見を求めたい旨が述べられた。
3.「企業価値向上経営懇話会 第二次報告書」について
佐々木委員長より、第二次報告書の概要および骨子について説明があった。【説明の要点】
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「第一次報告書」では、エクセレントカンパニーに共通する要件を整理したのに対し「第二次報告書」では以下を重視している。
- 企業事例に基づく実践知の集約
- 顧客価値創造と組織能力向上の体系整理
- 再現可能な方法論への昇華
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特に、「令和大磯宣言2023」で提示した以下3つのプロセスを軸として整理している。

- 事業戦略策定プロセス
- 機能間連携プロセス
- 業務実行プロセス
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これにより、戦略立案から実行、現場への落とし込みまでを一貫した仕組みとして捉え、各プロセスにおける意思決定主体や役割を明確化することを目指している。また、従来のPDCAに加え、OODA Loop/P-MOR Loopなど、より迅速な仮説検証・修正を可能とするマネジメントの必要性が示された。
メンバーから非常に多くの意見が出されたが、以下に論点を一部抜粋する。

- フレームワークをさらにわかりやすくしたい
概念としては有用であるが、企業現場に浸透させるには更なる簡潔化・可視化が必要 - 「企業価値」の捉え方の議論が必要
顧客に加え、従業員・取引先・社会など広範なステークホルダーの満足を統合的に捉える必要 - 「品質経営」という名称について
「品質経営」という用語が誤解を招く可能性があり、「企業価値向上経営」への転換の意義 - ベンチャー・新興企業への展開も考えていくべき
品質概念の普及方法について、多様な意見が提示 - 社会価値の重要性をもっと強調すべき
環境・社会課題と経済価値の同時達成が企業競争力の前提になるとの認識が共有
4. 「企業の存在価値最大化を目指す品質経営行動」ご発表および討論
事例発表:コマツにおける「企業の存在価値最大化を目指す品質経営行動」
株式会社小松製作所 取締役会長 小川 啓之 氏
「品質経営行動プロセス」に照らし合わせた企業の事例として、株式会社小松製作所 取締役会長 小川 啓之 から発表があった。メンバーからの質疑応答、意見交換が行われた。発表の概要とポイントは次の通り。
コマツでは「企業価値=ステークホルダーからの信頼の総和」と定義し、その最大化を経営の基本としている。
その実現に向け、
- 顧客価値創造
- 組織能力向上
- TQMを基盤とした全社活動
さらに、従来の製品中心のビジネスから脱却し、顧客の業務プロセス全体を対象としたソリューション提供へ転換することで、持続的な競争優位を確立している。
【主なポイント】
- 価値創造モデルの進化
モノ(製品)とコト(ソリューション)双方の価値を統合し、顧客の現場全体の最適化を実現 - デジタル技術の活用
IoTや自動化技術を活用し、稼働状況の可視化・遠隔管理・生産性向上を推進 - アフターマーケット強化
顧客との長期的関係を基盤とした収益モデルを構築し、価値提供を継続 - ブランドマネジメント活動
顧客課題起点で価値創造を行う仕組みとして、組織的に定着 - 組織・人材戦略
中期経営計画と人材育成・サクセッションを連動させ、持続的な経営基盤を構築
5.第23回のまとめ
最後に佐々木委員長より総括があった。- 第二次報告書について
本報告書は、本懇話会の議論の集大成であり、今後は社会への発信と実務への展開が重要となる。より多くの企業に活用される形へのブラッシュアップが求められる。 - コマツの事例について
顧客価値と社会価値を統合し、プロセスと組織能力で再現可能な形に落とし込んだ好事例であり、今後の企業価値向上経営の方向性を示すものとして大変示唆に富むものであった。経営者者の視点からの具体的な説明が示され、経営戦略、フレームワークと現場実践の接続について理解が深まった。今後の本会の議論における重要なベンチマーク対象である。

(報告・まとめ:品質経営創造センター 安隨 正巳)





