企業価値向上経営懇話会(旧:品質経営懇話会)

開催実績

開催実績

第13回会合

~「企業価値向上へ社外取締役が担うべき役割」「品質経営研究会」
からの検討経過の白熱した議論が行われる~

1.第13回開催概要

第13回会合は、2021年12月2日(木)に現地(大磯プリンスホテル)とオンラインでの同時開催として実施した。
今回は、前回(第12回)から議論を開始した社外取締役が担う企業価値向上への役割、第109回品質管理シンポジウムでの大磯令和宣言を受けて日科技連が創設した品質経営研究会からの報告を行い、議論を行った。

2.坂根委員長挨拶、新メンバー自己紹介

冒頭に坂根委員長から、今回が初参加の新メンバーも複数人いるため、懇話会創設の経緯、並びに、企業価値向上に対する社外取締役の重要性、役割に対する考えについての説明含め、挨拶を行った。
その後、新メンバーから自己紹介を行った。
  • 永田 靖 氏(早稲田大学 教授、一般社団法人日本品質管理学会 会長)
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3.社外取締役が担う企業価値向上への役割について

冒頭、佐々木副委員長から、以下の説明があった。
「前回(第12回),社外取締役の役割,その役割を全うするためにはどういう能力要件が必要か,その能力で教育をするということに効果があるのか,などの視点から議論を進めてきたが,まだ結論は出ていない。お客様の価値観が大きく変化しており,その変化をどう捉えるか,まさに企業が提供する価値,これをどう選択するか,どういうお客様に対して自分たちのビジネスを行うかが重要となる。そのうえで、企業価値向上に対する,ある一定以上の理解を持った方が社外取締役を務めることが,取締役会の活性化,ガバナンスの強化等に役立てる」
これを受け、前回に引き続き意見交換を行った。

4.品質経営研究会の検討内容の報告について

第11回本会で、品質経営研究会の委員長も務める佐々木副委員長から、品質経営の基本理念、品質経営行動図、今後の検討内容について説明を行った。今回は、品質経営研究会内「Team組織能力」のメンバーであるトヨタ自動車・鈴木浩佳氏から、コト価値創造のためのストーリー、そのストーリーに対応して必要な組織能力(16項目)について検討内容の報告があった。また、Team組織能力として、今後は、この組織能力を獲得・強化していくためにTQM活動要素(トップのリーダーシップ、方針管理等の9項目)をどう使っていくのかをマトリクスを作成し、検討していく旨の報告もあった。
懇話会メンバーからは、コト価値創造を実現するための組織能力の検討は極めて的を射ており、今後の研究成果に期待したい旨のコメントがあった。
また、日科技連から、品質経営研究会として、「品質経営行動」の検討をさらに具現化していくため、各社で実際に行われている経営行動をヒアリングし、それを一般解化していくために本会メンバーには改めてご依頼、ご相談をさせていただくことの説明があった。

5.まとめ

坂根委員長から、ご自身が社外取締役を引き受けた際に必ずレビューしている項目がある。ということで以下の重要な視点を紹介いただいた。
  • ① 少人数、社外の視点必須。報告→討議→決議とし、結論ありきとしない。
  • ② 全ステークホルダーとのコミュニケーションを率先垂範しているか。
  • ③ バッドニュースファースト。バッドニュースをまず報告しているか。
  • ④ リスクの処理を先送りしていないか。事業の選択と集中、そして必要な減損処理を早めに行っているか。
  • ⑤ CEOのサクセッションプランと評価。常に後継者育成を考え、次の次まで自分の後継者候補を考えているか。
今回の議論は、前回に引き続き、社外取締役が企業価値向上のために重要な役割を担える。ということを前提に議論を行った。
日科技連では、この考えを普及すべく、以下の講演会で発信していく。今後、更なる事業展開に向け、検討を進めていきたい。

日本科学技術連盟75周年記念講演会 CHAPTER2   特設サイトはこちら

テーマ:社外取締役に求められる視点と今後の取締役会のあり方
第一部 13:00~14:00 企業価値向上に向けた社外取締役の役割について
安藤 元太 氏
経済産業省 経済産業政策局 産業組織課長
第二部 14:10~15:10 企業価値の考え方と向上策について~社外取締役の役割~
坂根 正弘 氏
株式会社小松製作所 顧問/一般財団法人日本科学技術連盟 前会長
第三部 15:20~16:20 「サステイナブルな資本主義」における取締役会のあり方
井上 隆 氏
日本経済団体連合会 常務理事