第32回初級試験 6/8(土)開催

資格認定制度の創設にあたって

日本のソフトウェア品質の現状

我が国のソフトウェア産業は、エンタープライズ系・組込み系を問わず品質事故を頻発させています。組込みシステムを使う消費者は危険にさらされ、情報システムを利用する企業は利益を阻害されています。残念ながら我々は、安全・安心な社会からほど遠い国に暮らしていると言わざるを得ません。

もちろん多くのソフトウェア開発組織では、ソフトウェアの品質向上策を講じています。しかし、十分な効果を上げている組織は少ないのが現状です。それは品質向上策が一面的であったり、品質保証スタッフなど一部の人員だけで進めていることが原因です。また、一過性の策や表面的な策に終始してしまうのも原因でしょう。

ソフトウェア品質を向上させるためには?

ソフトウェアの品質向上を効果的に進めるためには、包括的かつ体系的で本質的な品質向上策を継続的に実施していかなくてはなりません。そのためには、品質保証スタッフなど一部の人員だけがその責を担うだけでは不十分です。品質は、組織全員で作り込まねばならないのです。そのためにまず必要なのは、ソフトウェアの品質向上に関する知識を組織全員が身につけることに他なりません。品質保証スタッフはもちろんのこと、開発者やテスト技術者、プロジェクトリーダやマネジャー、保守運用技術者、教育担当者、そして経営者といった全ての人員が身につけることが必要です。

ソフトウェア品質向上のための資格制度

ソフトウェアの品質向上に関する知識を効率的に身につける一つの手段として、資格認定制度の利用があります。私たちSQiPは、日本のソフトウェア産業から品質事故を根絶し安全・安心な社会を実現するために、ソフトウェア品質に関する資格認定制度を開始しました。品質向上に関する知識が不足しているのであれば、資格認定制度をきっかけとして包括的な知識を体系的に学んでいただければと思います。十分な知識をお持ちであれば、自分の知識を体系的に整理して自信を深め、さらなる活用に励んでいただければと思います。組織を率いる立場であれば、組織の持つ知識の底上げによって効果的な品質向上を行えるよう体質改善を始めていただければと思います。

資格制度の目的

私たちにとって、この資格認定制度は手段に過ぎません。大事なことは、ソフトウェアの品質向上に関する包括的かつ体系的で本質的な知識を身につけ、効果的な策を継続的に実施して頂くことです。多くの組織や多くの技術者・管理者・経営者が、この資格認定制度をきっかけとして品質向上を達成して頂ければ、これほど嬉しいことはありません。
どうぞよろしくお願いいたします。