本会議2日目講演テーマ・講演者紹介

特別講演

ソフトウェアエンジニアが経済成長を牽引する時代へ

― AIとともに進化する「品質と専門性」の次のステージ ―

登壇者
和泉 憲明 氏
株式会社 AIST Solutions
CTOオフィス Vice CTO

概要


和泉 憲明 氏

システムの大規模化はソフトウェア産業を成熟させた一方、開発の分業化により、品質は「契約遵守」へと縮退し、エンジニアの役割も構造設計から実装中心へと変質した。
しかし、産業革命の歴史が示すように、新技術は労働者の役割を奪うのではなく引き上げる。
生成AIもまた、ソフトウェアエンジニアの品質観と専門性のスコープを一段上へと拡張する転換点である。

本講演では、DXレポート以降の産業構造における国内外動向を踏まえ、AI前提の社会で求められる品質管理・アーキテクチャ設計・データ駆動の専門知識を整理し、個人の生産性向上にとどまらず、企業変革と経済成長を牽引するエンジニア像を、政策・産業・技術の交差点から提示する。

業務上の経験や研究を主とした経歴

大阪府立大学大学院および静岡大学情報学部での研究を経て、2002年より産業技術総合研究所(AIST)に着任。AI研究の具体的なドメインとして、オントロジーに基づくソフトウェア開発方法論、大規模システムの設計・品質向上など、一貫してソフトウェアの構築・検証・移行に関わる技術研究に従事した後、経済産業省においてデジタルトランスフォーメーション(DX)政策の立案を担当。DXレポートの取りまとめに関与し、「2025年の崖」問題を経営・産業の競争力に関わる構造問題として指摘し、単なるIT刷新にとどまらない、産業構造・経営変革としてのDXの必要性を示した。
その後、データ連携基盤や産業DX、等の政策検討に携わり、製造業、スマートシティ、モビリティ分野におけるデータ・AI活用の実装支援を推進。
現在は、産業技術総合研究所発のAIST Solutions社にて、研究・政策・産業実装の各領域を横断し、生成AIおよびフィジカルAI時代における産業構造転換、データ基盤、AIインフラの在り方に関するデジタル化と産業構造の関係を探求。

研究論文や著書

【著書】
林浩一・和泉憲明・山根基・丸山大輔・岡田隆志『大規模オープンシステム開発入門』丸善出版、2012年

【解説論文】(代表的なものに絞って掲載)
和泉憲明・武田英明・山口高平「意味理解するWebを目指して――次世代Webの方向性を探る――」人工知能学会誌 Vol.17-4, pp.384-391, 2002

【論文】(代表的なものに絞って掲載)
N. Izumi, T. Yamaguchi, "Integration of Heterogeneous Repositories Based on Ontologies for EC Applications Development," Journal of Electronic Commerce Research and Application, Vol.1-1, pp.77-91, 2002

その他(学位、表彰、学会活動、その他特記事項)

  • 和泉憲明「利用者主導情報システム開発における成果物の管理と運用 -- AIST包括フレームワークに基づく自治体情報システム開発 --」ASDoQ(システム開発文書品質研究会)大会(招待講演、パネル)、2012年
  • 和泉憲明「オントロジーとモデル理論に基づくソフトウェア開発の品質向上の実践」ソフトウェア・シンポジウム2016(基調講演)、2016年
  • 和泉憲明「デジタルアーキテクチャ設計としてのビジョン駆動型の社会インフラ整備:DX推進を加速するための政策展開」GITA-JAPANコンファレンス2022(基調講演)
をはじめ、官民・産学の幅広いイベントで基調講演・パネルを多数担当。