本会議1日目 講演テーマ・講演者紹介

基調講演

Kano Modelから品質について学ぶ!

登壇者

狩野 紀昭 氏
東京理科大学 名誉教授
工学博士(東京大学)
狩野 紀昭 氏 製造業の枠を超えてTQMを応用して行くには、Kano Model自体について理解を深めるとともに、品質とは何かについて考えてみる必要がある。
  1. Kano Modelの原点と「Herzbergの動機付け衛生理論」
  2. 私達の論文(1984)の最初の投稿のレフリー審査で却下⇒アリストテレスとの出会い。
  3. Kano Modelと魅力品質のライフサイクル
    -ひとつの品質要素についての理論-
  4. 品質の外部構造と内部構造
    -品質要素の包括的体系についての理論-
  5. 魅力品質創造
  6. 私から皆さまへの質問
    1. ソフトウエアには品種と言う概念があるか?
      皆さんが問題としている品質の対象とする品種は何か?
      品種の良し悪しは、どのように判断しているか?
    2. ひとつの 品質要素の話か? 品質要素の体系の話か?
    3. 皆さんの関心は、「バグを減らす」ことか?「魅力的なソフト」を企画することか?

業務上の経験や研究を主とした経歴

【学歴・職歴】
  • 東京大学工学部卒業、同大学院工学系研究科修士/博士課程修了(石川馨教授に師事)
  • 電気通信大学講師、助教授を経て東京理科大学教授、2006年3月定年退職

【主要活動(学会)】
  • 日本品質管理学会 名誉教授(2010-現在)、会長(2000-02)、会員(1971-2010)
  • アジア品質ネットワーク(ANQ)名誉会長(2005-現在)、初代会長(2002-04)
  • 国際品質アカデミー(IAQ)名誉会員(2014-現在)、Academician(1993-2014)
  • アメリカ品質学会(ASQ)名誉会員(2014-現在)、フェロー(1995-2014)、シニア会員(1992-95)、会員(1975-92)
  • 次の18品質組織・大学等から名誉会員、名誉博士等の名誉称号を受誉
    上記JSQC(日本)、ANQ(アジア)、IAQ(世界)、ASQ(アメリカ)の4組織に加えてASCAL(チリ)、中国質量協会(CAQ)、中国医院品質経営連盟(CFHQM)、FAQ(フィンランド)、中原大学(CYCU、台湾)、FUNDECE(アルゼンチン)、HBMeU(UAE、ドバイ)、インド品質学会(ISQ)、泰日大学(NTI、タイ)、PSQ(フィリッピン)、QPSP(パキスタン)、SQI(シンガポール)、SSRU大学(タイ)、VQAH(ベトナム)
  • QCサークル本部 本部幹事(1993-2007);関東支部 顧問(2000-)、世話人(1994-99);京浜地区世話人(1986-93);QCサークル誌編集委員長(1995-97)、委員(1977-94)、編集顧問(2000-現在)
  • マイアミ大学客員教授(1988-89 U.S)・Aarhus BS客員教授(1995デンマーク)
  • 同済大学Advisory Professor(2006-09 中国)・ローマ大学客員教授(2011 イタリア)
  • 中原大学客員講座教授Visiting Chair Professor(2006-12 台湾)

【グローバルな品質活動】
国内はもとより、アジア、北米、欧州、南米、大洋州60ヶ国余で品質管理の研究、指導、講演等の経験を有し、渡航先は80ヶ国を超える

【主要活動(産業界)】
  • 日本科学技術連盟(JUSE)理事(2000-22)、講師(1964-現在)
  • デミング賞委員会 顧問(2022-現在)、本賞選考委員会委員長(2011-21)、実施賞小委員会委員長(2004-07)、委員(1978-2021)
  • 積水化学工業(株)社外監査役(2003-09)
  • (株)小松製作所 社外取締役(2008-14)
  • 海外産業人材育成協会(AOTS)理事(2007-12)、講師(1976-現在)

研究論文や著書

「魅力的品質と当たり前品質」(日本品質管理学会誌「品質」、1984年、Kano Modelとして知られる)を含む約300篇の論文・技術報告、「現状打破・創造への道」、サービス産業のTQC」、「QCサークルのための課題達成型QCストーリー」(いずれも日科技連出版)含む35件の著書

その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)

【名祖Eponym、Kanoの名前を含む賞の創設】
  • ANQ:Ishikawa-Kano Award(IKA)創設(2010)、IKA Gold Medal創設(2018)
  • 泰日技術振興協会(TPA、タイ):Kano Quality Award 創設(2009)
  • ハマダン・ビン・モハメドe大学:Kano Medal Excellence Catalyst(ドバイ)

【主要な受賞】
  • 国際品質アカデミー(IAQ)2021 品質桂冠賞(品質分野におけるノーベル賞)初回受賞
  • アメリカ品質学会(ASQ)2009 功績メダル、2006 Grantメダル、2002 Lancasterメダル
  • 欧州品質機構(EOQ)2016 Georges Borel 国際功績賞
  • アジア太平洋品質組織(APQO)2014 Feigenbaumメダル、2004 Harrington-Ishikawaメダル
  • インド品質学会 2008 Dronacharya Award受賞
  • アメリカ統計学会 1997 Deming Lecturer受賞
  • デミング賞委員会 1997 デミング賞本賞   他多数

一般発表

A1-1
発表辞退
A1-2 経験論文

レビューの新たな品質メトリクス収集「エーオース(Ēōs)法」の提案

~レビュー会議の会話データを分析し、発言に関する心理的パラメータを測定~

登壇者

芳沢 圭一 氏
株式会社オージス総研

共著

星野 智彦 氏 株式会社アイシン
村上 薫 氏 株式会社日立システムズ
芳沢 圭一 氏 ソフトウェア開発の現場では、レビューにおける議論が活発に行われず、欠陥が全く検出されないことや、たとえ検出されても有効な指摘ではないことも少なくない。つまり、効果的なレビューが恒常的に行われているとは必ずしも言い切れない。

この問題を引き起こす原因のひとつとして、レビューの場において「発言しやすさ」に問題点があるのではないだろうか。例えば、レビューアがレビューイに対して高圧的な態度を取ること、参加者同士の関係が劣悪であること、などが挙げられる。そういった心理的環境においては、レビューイが指摘されることを恐れたり、自信を無くしたりすることもあるだろう。この「発言しやすさ」がレビューに及ぼす影響に着目し、レビューが「発言しやすい場」であると、レビュー効果も高まるのではないかと考えた。

そこで、レビューにおける「発言しやすさ」を測定・改善するためのメトリクス「Ēōs」を定義した。そして、そのパラメータを実際のレビューの場で測定し、コントロール可能にすることを考えた。つまり、レビューの場において発言しにくさを表すパラメータ値の原因をコントロールすることで、レビューを「発言しやすい場」にできれば、レビュー参加者「全員が建設的に発言」できるようになるはずである。

これを実用化するために、定義した「Ēōs」パラメータを収集するための実験を行い、各パラメータの値を考察し、パラメータの有効性を検証した。
A1-3 経験論文

オンラインレビューに適したファシリテーション手法の提案

登壇者

小笠原 栄二 氏
東芝電波テクノロジー株式会社

共著

川野 桂一郎 氏 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
木幡 健児 氏 株式会社イシダ
坂下 学 氏 エプソンアヴァシス株式会社
佐々木 吏菜 氏 ブラザー工業株式会社
小笠原 栄二 氏 ソフトウェア開発の現場において、レビュー開催の形式は、対面からオンラインが主流となり、急速な変化に対応できている一方、問題もある。特にカメラオフの状態で実施する場合、作成者が不安を感じる、参加者の発言者が偏る、等の問題が我々の所属組織で報告されている。

これまで対面形式のレビューでは、会話だけでなく相手の表情、態度や話しているときの身振り手振りなどから、言葉の裏に隠れた相手の感情や意思に視覚的に気づくこともあった。しかし、オンライン形式では、視覚情報が制限され表情や反応を感じとることができない。
対面形式からオンライン形式に切り替わったことで従来のやり方が適用できないこともあり、オンライン特有の問題現象に戸惑うこともある。さらに、設計レビューは成果物の欠陥を見つける場であるため、レビューアは欠陥を指摘する立場、作成者は指摘を受ける立場という作成者vsレビューアという構図になりやすく、指摘された作成者は自分が否定されているような気分になり、モチベーション低下につながるといった問題にも発展する。

そこで、オンライン形式の設計レビューの円滑な推進と参加者の満足度向上を目的に、レビュー参加者、特に作成者のモチベーションを低下させることなく、「レビュー重視項目(レビューをどのような場にしたいか、何を実現したいか)」の達成度を高める手法を提案する。
A2-1 経験発表

変化するシステム構造とテスト戦略

登壇者

池田 純二 氏
オリックス生命保険株式会社
池田 純二 氏 当社では各アプリケーションを、プレゼンテーション層、サービス層、データ層の多層構成で構築し、業務アプリケーションを相互に連携させ、各アプリケーションをライフサイクルにあわせ入替をおこなう「疎結合型」としたアーキテクチャデザインに順次変更を行なっています。

アーキテクチャデザインの変更を進める中で、「疎結合型」アーキテクチャは、ビジネスニーズに合わせて迅速・柔軟・安価に対応できるなどのメリットがある一方で、多層化・部品化に伴う複雑化によりテスト実施の難易度の高さも見えてきました。

発表で紹介するのは、「疎結合型」アーキテクチャを基本構成としたアプリケーションの構築プロジェクトです。従来に比べ1機能の提供を1アプリケーションが担うのではなく、複数アプリケーションが順次処理をおこなうことによる構造の複雑化に対して、下記の点を中心にどのようなテスト戦略を取り克服したのかをご紹介します。

〇テスト戦略
  • システムテストに重点を置いた戦略
  • テスト期間の短縮施策
  • 性能テスト開始前のボトルネック分析
  • 本番サービスイン後の障害発生を想定した障害テスト
A2-2 経験発表

もう一段上の品質を目指して

~テスト偏重主義からの脱却のカギは内部品質と職場環境にあり~

登壇者

高山 隆一 氏
株式会社アシスト
高山 隆一 氏 システムの開発をおこなう会社や部門では、程度の差はあれ、品質管理や品質向上のための取り組みが行われている。しかしながら、上流工程が遅れてスケジュールが圧迫され、不十分な設計のまま製造して、テストで品質を上げようとしても手戻りが発生するため、なかなか品質が上がらず、工数ばかりが膨らんでしまうというケースも少なくない。その結果リリース後にも不具合を起こして、多大な損害を発生してしまうプロジェクトも多く見かける。

本論では、前職を含めて過去のプロジェクトの経験を参考に、以下の観点から品質向上への取り組みについて提言する。

  • 「内部品質」を重視することで、テスト偏重主義から脱却して、「テスト開始時の品質」を向上させる。また、保守性、信頼性および効率性の観点からも「内部品質」に着目し、アプリケーションの価値向上につなげていく。
  • テスト(デバッグ)を通じて、問題点を明らかにしながら品質の向上を図ろうとする作業のやり方を改め、「内部品質」に着目した設計工程での対応を強化することで、「テスト開始時の品質」を向上させ、手戻りの無駄を省いて、テストの効率化を図る。

また、品質は要員の高い意識に支えられるおり、慢性的な長時間残業は、心身ともに極めて重い負担を強いられるため、モラルの低下を生み出しかねない。人材の育成と職場環境の改善の取り組みについても事例を加えて提言する。
A2-3 経験発表

「僕たちはそれをデベロップメントと呼ぶ」というだけの話

登壇者

松山 大 氏
株式会社PHONE APPLI
松山 大 氏 Quality Assurance(品質保証)(※以後QAと表記)という言葉を実践するために、理解し定義していくこと自体に非常に多くの時間とエネルギーを費やしてはいないでしょうか?またその複雑さとプレッシャーがその悩みをさらに大きくしていないでしょうか。
私はこれまで、様々なサービスや製品の開発に関わっていく中で、自分の活動とQAという言葉がどのように紐づいているのかということを考え、そして説明していくことに、想像以上に労力を費やしてきたと感じています。自分の中に「私がしていることは、品質を保証することと繋がっているのだろうか」という疑問が日に日に増大していきました。
現在、私たちの会社にて「QAという言葉ありき」ではなく、自分たちの行動をより本質的に説明することができる枠組みを創出し取り入れ始めました。
私たちはその枠組みを社内の文化へと進化させていき、開発に関わる一人一人がより本質的な活動に時間とエネルギーを費やしていくことができるようになると考えています。
今回の発表では、この枠組みをQAに並ぶもう一つの選択肢として提案し、このことについてさらに議論が広まっていくきっかけとなればと考えています。
※今回の発表は「QA」を否定したり、不必要ということを言いたいわけではありません。
A2-4 経験発表

利用時の品質モデルを活用した品質保証プロセスの提案と実践

登壇者

西村 和也 氏
富士通株式会社

共著

岡 光 氏 富士通株式会社
西村 和也 氏 現在はVUCAの時代とも言われており、将来の予測がしにくく、既存の価値観やビジネスモデルが通用しないことがある。また、要求される品質も変化する傾向がある。この背景を受け、ソフトウェア品質の価値観も変わりつつある。これまでのソフトウェア品質は、『機能が正しく動く』という製品品質が重視されていた。しかし、利用者は『単に機能や性能だけではなく、実現したいことを楽しく、心地よく体験できる』という利用時の品質にも価値を求めるようになっている。
このような利用者の価値観の変化に追従するために、品質保証プロセスの変化が期待されている。そこで、製品品質を保証するだけではなく、利用者の視点にたった品質の製品をお客様に提供することを目的とした品質保証プロセスを考案した。
本プロセスは、SQuaREで提案されている利用時の品質モデルに着目し、利用者のニーズを起点に具体的な試験項目を抽出、RISEメトリクスを活用して評価し、更に、継続的に製品企画にフィードバックを行うことを特徴としている。
本発表では、通信キャリア向けシステム開発に本プロセスを適用した結果、利用時の品質を評価する項目の抽出が可能となり、プロセスの有効性を確認できたため、その手法と成果を紹介する。
B1-1 経験論文

ローコード開発プロセスについて

登壇者

長坂 昭彦 氏
フューチャーアーキテクト株式会社
長坂 昭彦 氏 近年のDXブームや内製化シフトのニーズを受けてローコード開発が業務システム開発の選択肢のひとつとなりつつある。そのような潮流のなか、ローコード開発の需要は年々増加傾向だが一方でローコード開発における課題も顕在化してきた。
例えば、
  • ローコード開発に有効な見積メトリクス、プロセス、考慮点が確立できておらず、妥当性の確認や他者への説明が難しい
  • ローコード開発の設計~テストでは従来のStepベースの品質管理は行えないため、計画や結果を確認する観点・方法・手順が確立できてない
  • ローコード開発では原則コーディングしないためローコードの特徴に合わせて工程定義をテーラリングする必要があるが、その観点・方法・手順が確立できてない、が挙げられる。

これらの課題を解決するため、日本ファンクションポイントユーザ会(以降、「JFPUG」)ではローコード/ノーコード開発における会員有志の研究会(以降、「lcncSig」)を立ち上げ、各社の実績データや有識者の知見をもとに、ファンクションポイント法による見積り、品質評価、開発プロセスの検討を行い、課題解決に取組んできた。その中でも今回は開発プロセスに焦点を当てて、策定したローコード開発における開発プロセスや現場の教訓を形式知としたTips等を発表する。本発表がローコード開発の普及の一助となれば幸いである。
B1-2 経験発表

ローコードアプリケーション基盤上での開発における品質保証の取り組み

登壇者

藤井 和弘 氏
オリックス生命保険株式会社
藤井 和弘 氏 世間でIT人材の不足が報道される中でも、システム開発の件数や規模は拡大傾向であり、一方でビジネス環境の変化のスピードは速まっている。当社でもこの変化に迅速に適応することが必要となっており、リリースサイクルの高速化と開発効率化の目的でローコードアプリケーション基盤上での開発を推進している。

ローコードアプリケーション基盤上での開発は、高速開発とも言われる。
品質保証に取り組むうえでは、スクラッチ開発と同じ手順では折角の高速開発の利点が減少してしまう恐れがある一方で、高速化を重視しすぎて必要な取り組みを省略してしまうと品質に懸念が発生してしまう。
このため、ローコードアプリケーション基盤上での開発案件においては、高速開発の利点をできるだけ生かしながらも品質も保証するための整理が必要になってくる。
当初、ローコードアプリケーション基盤上での開発もスクラッチ開発と同様の品質保証の取り組みとしていたが、上記の理由から一部の品質保証の取り組みについて見直しを行った。
本発表では、私たちと同じような課題や制約を抱えている参加者に対して、我々が実際にローコードアプリケーション基盤上での開発で取り組んでいる品質保証の内容について、目的、進め方、見直のポイントおよび今後の展開などについてご紹介させていただく。
B1-3 経験論文

MDAツールによるソフトウェア品質保証

登壇者

平井 宣 氏
株式会社IHIエスキューブ 品質保証部
平井 宣 氏 デジタルトランスフォーメーションなどの積極的なIT投資が進む一方で、昨今、重要な社会システムに纏わるトラブルは確実に増えている。トラブルの原因究明、再発防止に開発ドキュメントは欠かせない。本発表は、開発ドキュメントの重要性を理解しながらも、大胆な発想で開発ドキュメントを減らし品質を確保しようという新しい取組みを紹介する。品質を確保するのに必要なドキュメントとシステム仕様に関わるドキュメントを分け、さらに品質を確保するためのツールは何かという長年の研究を、今回経験論文としてまとめた。弊社事業は、大規模スクラッチ開発は稀で、クラウドサービスやパッケージカスタマイズ、外付け開発がほとんどでである。システムの難易度や開発規模は、画帳数やシステム間インターフェース数などの計数で捉えることができるドメインで、開発費用は数百万円から10億円前後まで、さまざまである。このような計数で品質管理できるプロジェクトは、ぜひ参考にしていただきたい。なぜ、テストが減るのに十分な品質が確保できるのか。結合テストの品質保証を例にとり、その方法と有効性を紹介する。また、総合テストやUAT(ユーザー受入テスト)、運用保守でドキュメントがなくて困らないのかという点についても、このメタモデルの考え方やMDAツールの紹介を通し、実務の参考にしていただきたい。
B2-1 経験発表

DX案件の早期リスク把握による品質確保

登壇者

須田 健一郎 氏
株式会社日立システムズ

共著

平井 佳祐 氏 株式会社日立システムズ
須田 健一郎 氏 弊社では強みであるプロフェッショナル人財・サービスインフラを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)をお客さまやパートナーとの協創により推進している。
DX案件は年々増加しているものの、これまで弊社が実施してきたソフトウエア開発やSI案件事業に対する品質確保施策ではDX案件の持つ特徴や契約段階に潜むリスクに対応しきれない部分があった。また、弊社のDX案件は小規模案件が多く、小規模ながらもリスクを含んだ案件が既存の品質確保施策の対象から外れるケースもあったため、これらを解決する新たな品質確保施策を検討する必要があった。
DX案件に対応したの品質確保施策の検討にあたり、まず初めに弊社の取り扱うDX案件の特徴およびリスクを整理した。これを基に新たな施策として、リスクの高いDX案件を漏れなく捕捉する仕組みの構築、契約段階でリスクヘッジできる品質確保プロセスや確認観点などを追加すると共にそれらのインプロセスに向けた活動を実施した。
本発表では、弊社で取り扱うDX案件の特徴とリスクを整理した結果とそこから導き出された品質確保施策、および蓄積されたDX案件のナレッジ(チェックリスト等)を紹介する。また、ドローン、IoT(ネットワークカメラ)、ロボットなどの案件対応事例、これまで対応したDX案件をもとに測定した品質確保施策の効果を紹介する。

B2-2 経験発表

早期リスク発見によるプロジェクト成功率向上

登壇者

岩田 彩子 氏
オリックス生命保険株式会社
岩田 彩子 氏 プロジェクトリリース後に重大なシステム障害が発生した。
既存のプロジェクトフェーズ毎のレビューでは、担当者が分かっている範囲を記載したドキュメントをベースにしていたため、事前に障害を予想することは困難であった。
複雑化するシステムプロジェクトを遂行する上で、担当者が予測できなかったり認識できなかったりするリスクを早期に発見し、障害を未然防止する必要があることを認識した。
そのため、従来型のドキュメントレビューは廃止した。かわりに、プロジェクトの構想段階でオープンな場でフラットに議論する場(Assurance and Advisory Board 以下AAB)を設けることにより、リスクを早期に洗い出す体制とした。 AABはあえて固定したメンバーやチェックリストは用いず、過去の失敗や成功経験をもちより、コスト、運用、セキュリティ、ビジネスケースの成立、関連システムへの影響など複数の観点で議論をし、リスクを発見する。発見したリスクはプロジェクトで管理し、フェーズごとにリスク対応状況と残存リスクをモニタリングしている。
この結果、2022年度のプロジェクト成功率(ユーザー影響障害ゼロ、コスト着地±8%、最終的に合意したサービスイン期日遅延なし、最終的に合意したスコープ変更なし)は目標値95%に対し100%となり、システムリリース後の障害を抑止できている。また、リスクを常に意識することで、予測が難しい複雑なプロジェクトに対応できる組織体制が確立できた。
B2-3 経験発表

工程完了判定業務におけるQCサークル活動の実施

登壇者

中島 輝 氏
オリックス生命保険株式会社
中島 輝 氏 当社では2020年1月から工程完了判定業務を導入した。工程完了判定導入時は、業務アプリケーションのシステム開発・保守のみが適用対象であったが、2021年から基盤・ミドルウェア(クラウドを含む )の構築・改修に関わる開発案件も工程完了判定の適用対象として追加した。また会社の成長に伴い、開発案件が年々増加の一途を辿っている。しかし、工程完了判定導入時からレビューアである品質保証マネジャーは2名体制のままであり、限られたリソースのなかで、効率的・効果的な運用をする必要があった。

上記状況に対して、無批判な前例踏襲の禁止、トイルの識別と撲滅を合言葉としたQCサークル活動を実施することで、限られたリソースのなかで品質・生産性を向上させることとした。

主なQCサークル活動の取り組み
  • リスクの高い案件に対して集中的にレビューをするリスクベースアプローチに改善することで開発担当者の負荷を軽減
  • 派生開発用の要件定義書にXDDPの要素を取り込むことで、上流工程での思い込みや勘違いの問題を防止することによる手戻り工数を削減
  • 4か月に1回、工程完了判定での勧告内容と本番障害内容をインプットにして、削除しても問題ないと判断したチェック項目を削除することによる、形骸化の予防

上記活動の結果、工程完了判定導入時から生産性は約2倍向上、本番障害発生率は約16%減少させることができたため、本活動のポイント、およびその導入効果を紹介する。
B2-4 経験論文

STAMP/STPAとイベントシーケンス図を用いた複数コントローラが協調するシステムにおけるハザード対策の検討支援手法の提案

登壇者

髙附 翔馬 氏
宇宙航空研究開発機構

共著

梅田 浩貴 氏 宇宙航空研究開発機構
植田 泰士 氏 宇宙航空研究開発機構
片平 真史 氏 宇宙航空研究開発機構
森崎 修司 氏 名古屋大学
髙附 翔馬 氏 本発表では安全解析手法「STAMP/STPA」で導出したハザードシナリオに対して、対策の検討を支援する手法を紹介する。
JAXAでは下記の製品特性を有するシステムを開発している(例:宇宙機同士がドッキングするシステム)。その際、複数コントローラが協調した安全設計が必要となる。

■製品特性
制御構造として複数コントローラを有しコントローラ間で協調してミッションの遂行や安全化を行う。

上記システムの安全解析には、ハザードの要因にシステム構成要素間の相互作用を考慮できるSTAMP/STPAが有効である。しかし、STAMP/STPAではハザードシナリオを導出するまでのガイドはあるが、対策の導出は個々の製品特性に依存するため、対策を具体化するためのガイドはない。そのため下記の課題が発生した。

■課題
ハザードシナリオに対する対策の検討時に、アーキテクチャ階層を考慮した対策が導出されない。つまり、対策が個別の構成要素(分析対象のコントローラ等)に限定されがちである。

そこで、ハザードシナリオと対策後のシナリオを時系列で捉えることで、アーキテクチャ階層を考慮した対策の漏れを防ぐ方法を試みた。具体的には、STAMP/STPAで導出したハザードシナリオをイベントシーケンス図で可視化し、対策を講じるタイミングとその前提を明確にして対策の検討を支援する手法である。
実際のシステムに提案手法を適用して導出した対策を評価したところ、提案手法の有用性が示唆された。
本発表ではその内容を紹介する。

SQiP特別セッション

C1-2 講演

日本のDXを阻害する障害は何か?

~DXの魅力的品質を高めるには何をすべきか~

登壇者

福井 信二 氏
株式会社Goldratt Japan
福井 信二 氏 IPA発行のDX白書2023で発表されたよう、日本におけるDXは、デジタル化は進み始めましたが、肝心のトランスフォーメーションが一向に進んでいません。
本セッションでは、トランスフォーメーションに失敗した事例から原因を探るとともに、日本が得意としてきたTQMのアプローチを活用し経営と現場が一体となったDX、トランスフォーメーションを成功に導くための方向性を議論します。
加えて、議論した方向性を確実に実行できるようにするために、全体最適のマネジメント理論TOCによるトランスフォーメーションのプロセスと事例を紹介します。

業務上の経験や研究を主とした経歴

1984年 立石電機株式会社(現オムロン株式会社)入社以降、FAシステム機器のソフトウェア開発に従事。自ら開発プロジェクトリーダとして、FA機器の大規模ソフトウェア開発プロジェクトのマネジメントを行うとともに、社内組織のソフトウェアプロセス改善をリードしてきた。2009年からは同社イギリスのソフトウェア開発部門を立ち上げ、日本との共同開発を行うなど、国際間の共同プロジェクトマネジメントについても経験が豊富である。
2008年にはSQiP国際小委員会の主査として4th World Congress of Software Quality委員を担当。
2022年 株式会社Goldratt Japan入社、制約理論(Theory Of Constrain)を活用してソフトウェア開発を中心に様々な企業のマネジメント変革を実践している。

研究論文や著書

Introduction of the Software Configuration Management Team and Defect Tracking System for Global Distributed Development, ECSQ 2002, pp 217-225
Quality and Productivity Improvement by Mutual Technology Transfer, 3rd World Congress for Software Quality

招待講演

C2-1 招待講演 SQiP2022 Best Report Effective Award

ソフトウェアパッケージに対する品質評価手法の提案とシステム適用事例紹介

登壇者

倉原 瑤子 氏
株式会社日立製作所
倉原 瑤子 氏 弊社では、主要な機能を社外購入したソフトウェアパッケージ(以下、パッケージとする)に代替するシステム開発が増加している。そのため、新たにパッケージの品質評価手法を規定し、内作ソフトとパッケージ間のインタフェース不良低減を目的としたリスクベースドテストを開発中のシステムに適用した。
対策を通して、パッケージが内作ソフトと同等の品質特性を満たす確認を可能とし、リスクベースドテストにて高リスクのソフト不良が内在しないことを社内試験で確認した。これにより、パッケージの品質確保と高リスク障害の未然防止が可能となり、現地障害を低減することができた。

業務上の経験や研究を主とした経歴

2020年~(株)日立製作所にて、国内外における電力監視制御システムの品質保証に従事。
C3-1 招待講演 SQiP2022 Best Report Future Award

暗黙的になりがちな開発仕様パターンを活用してモデルベーステストを改善する

登壇者

蛭田 恭章 氏
株式会社ベリサーブ
蛭田 恭章 氏モデルベースドテスト(MBT)はテスト設計仕様として表したMBTモデルから直接テストケースを自動生成する技術であり、近年注目が高まっている。MBTの性質上、テストすべきことは明示的にMBTモデルに盛り込む必要がある。しかし、ソフトウェア開発プロジェクトにおいて開発仕様に記載されない暗黙的な仕様が存在することがある。暗黙的な仕様をMBTモデルに盛り込むことで、自動テストでの動作保証の範囲が広がり、開発スピードも保ちつつも、品質を向上することへの貢献を期待できる。しかし、暗黙的な仕様を捉えるには経験やスキルが必要になるため容易ではない。この課題に対して、開発仕様にて暗黙的になりがちな仕様に共通するパターンを蓄積し、再利用する取り組みを行った。今回WebAPIテストにてMBTを適用したプロジェクトを対象にした。WebAPIテストのMBTにおけるインプットとしてSwaggerにより形式的に表現されたWebAPI仕様を前提とした。まず、あるプロジェクトにてSwaggerで表現されたWebAPI仕様を元にして、過去にテスト設計者が作成したテストケースを分析し、仕様書には無くテストケースにはあった仕様を、暗黙的な仕様と捉えて抽出した。その中で共通性のあるものから、暗黙的になりがちな仕様に共通するパターンを抽出して蓄積した。次に、異なるプロジェクトのWebAPI仕様に対して、これらのパターンを使いMBTモデルを開発することを試した。その結果、Swaggerで表現されたWebAPI仕様で暗黙的になっていた仕様を含めたMBTモデルを開発できたことが確認できた。

業務上の経験や研究を主とした経歴

2006年に株式会社ベリサーブに入社。家電やスマートフォン等の組み込み機器のソフトウェアテストやソフトウェア品質全般の業務に携わる。2021年から研究企画開発部にて、新たな技術調査や技術開発に従事。現在は、モデルベースドテストやUX・ユーザビリティ評価の研究開発に取り組んでいる。

研究論文や著書

Patterns to Improve Fidelity for Model-Based Testing
C3-2 招待講演 SQiP2022 Best Paper Future Award

ステークホルダーのアクションと関心事に着目したレビュー観点導出手法

~今日からあなたも上級レビューア!『SAKE』の提案~

登壇者

樋口 雄基 氏
三菱プレシジョン株式会社

共著

茂木 郷志 氏 パナソニックITS株式会社
宇根 勲 氏 SCSK株式会社
濱田 航一 氏 IDEC株式会社
蜂須賀 夏子 氏 株式会社オージス総研
村田 健二 氏 三菱総研DCS株式会社
児玉 敬 氏 旭化成株式会社
樋口 雄基 氏ソフトウェア開発では、品質向上を図るためにレビューの実施が重要かつ不可欠であるが、その効果はレビューアのスキルに依存する傾向にある。そこで我々は、上級レビューア以外でも重大な欠陥を検出できるようになる新たなレビュー観点導出手法『SAKE Method』を考案した。
SAKE Methodは以下の特徴をもつ。
○ステークホルダーのアクション・関心事に着目する
→プロジェクトやレビュー対象物の特性を踏まえたレビュー観点を導出できる
○関心事から段階的に観点を詳細化・具体化する
→レビューアのスキルに応じた粒度のレビュー観点が設定できる
○我々が考案したレビュー観点特性表で観点を整理する
→体系的に整理し俯瞰することで、重要な観点の抜け漏れを防ぐ

業務上の経験や研究を主とした経歴

  • 客先でのシステム整備/運用支援
  • シミュレータ向け画像システムの設計開発
  • 2018年よりSQA
  • 2021年度SQiP研究会 レビュー分科会参加.本テーマにて優秀賞およびベスト・オブ・ザ・プレゼンテーション賞を受賞(観抽Hiチームとして受賞)
  • 2022年度ソフトウェア品質シンポジウム参加 本テーマにてBest Paper Future Awardを受賞(観抽出Hiチームとして受賞)

研究論文や著書

ステークホルダーのアクションと関心事に着目したレビュー観点導出手法
C3-3 招待講演 SQiP2022 Best Presentation Award

サービス特性観点でのサービス品質指標の明確化およびサービス品質の見える化

登壇者

伊藤 功 氏
株式会社日立システムズ
伊藤 功 氏弊社では社会課題の解決に貢献するため、人とITによる各種サービス(クラウド、データセンタ、運用・監視、コンタクトセンタ、BPOなど)を提供している。サービスはモノとは異なり目に見えにくい特性(無形性)を持つため、何らかの方法でサービスを見える化し、定量的な品質評価を行うことが課題であった。
サービス品質に問題があるのか否かは、見えにくい状態のままでは確認することが困難な為、サービス品質の『指標』を定義し、上流工程である企画フェーズから提供後の運用フェーズまで全範囲に指標を導入した。そして、指標の測定結果を各フェーズで評価することでサービス品質の見える化を図った。
本発表ではサービスの品質を各種指標により可視化し、高品質なサービスを継続的に提供するために立案、推進した品質確保施策について報告する。また、弊社で施策を適用した結果についても報告する。

業務上の経験や研究を主とした経歴

2010年(株)日立システムズに入社以来、これまで品質保証部で勤務。
担当業務は、ネットワーク/インフラ基盤系のSI、サービスの品質保証を担当。
2019年サービス事業に対する品証確保を目的に社内ワーキングが設立され、本発表の研究を実施。

その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)

首都大学東京(東京都立大学) システムデザイン学部 卒業
C3-4 招待講演 SQiP2022 Best Report Effective Award

リスクベースアプローチの変更実現による安定したITサービスの提供

登壇者

石島 克彦 氏
オリックス生命保険株式会社
石島 克彦 氏リスクベースアプローチの変更実現とは、システム変更が失敗した際のインパクトと失敗する可能性を鑑みて変更申請毎のリスクレベルを決定し、リスクレベルごとに審議の重みづけを変えるものである。
2018年から試行しているITILの変更実現プロセスはシステム変更作業の成功率が年々上昇し、2021年度から99.9%を維持し続けている。
本発表では、昨年の発表内容および、さらに改善し続けている以下の内容を紹介する。
  • リスクベースアプローチの変更実現の審議プロセス
  • リスク判断要素であるリスクの「発現可能性」と「影響度」の具体的内容
  • QCサークル活動を通じて行うシステム変更プロセスの高度化、効率化に向けた継続的改善活動

業務上の経験や研究を主とした経歴

生命保険会社3社のIT部門でシステム開発等に約25年間従事
2017年9月オリックス生命保険株式会社に入社
現在、IT品質保証部でIT本部のITサービスマネジメント(変更管理、問題管理等)の事務局運営、プロセス改善を担当

企画セッション

D1-1 企画セッション パネルディスカッション

ソフトウェア、サービスにおける魅力的品質とは?

パネリスト

狩野 紀昭 氏
東京理科大学 名誉教授、
工学博士(東京大学)

パネリスト

寺山 晶子 氏
ソニーグループ株式会社
品質マネジメント部 UX/HCD推進グループ

パネリスト

日置 英里 氏
ヤフー株式会社
メディアグループメディア統括本部企画デザイン本部

モデレーター

森崎 修司 氏
名古屋大学
大学院情報学研究科・准教授
ソフトウェア、サービス、製品、ユーザエクスペリエンスを対象とし、魅力的品質に取り組み続けておられるパネリストをお迎えし、魅力的品質をどのように発見し作り出していくか、そのためにどのような分析をしているかを伺います。また、ご参加者の方からも投稿いただいたテキストで意見や質問を伺いながら議論します。
狩野 紀昭 氏

狩野 紀昭 氏

業務上の経験や研究を主とした経歴

  • 東京大学工学部卒業、同大学院工学系研究科修士/博士課程修了(石川馨教授に師事)
  • 電気通信大学講師、助教授を経て東京理科大学教授、2006年3月定年退職

【主要活動(学会)】
  • 日本品質管理学会 名誉教授(2010-現在)、会長(2000-02)、会員(1971-2010)
  • アジア品質ネットワーク(ANQ)名誉会長(2005-現在)、初代会長(2002-04)
  • 国際品質アカデミー(IAQ)名誉会員(2014-現在)、Academician(1993-2014)
  • アメリカ品質学会(ASQ)名誉会員(2014-現在)、フェロー(1995-2014)、シニア会員(1992-95)、会員(1975-92)
  • 次の18品質組織・大学等から名誉会員、名誉博士等の名誉称号を受誉
    上記JSQC(日本)、ANQ(アジア)、IAQ(世界)、ASQ(アメリカ)の4組織に加えてASCAL(チリ)、中国質量協会(CAQ)、中国医院品質経営連盟(CFHQM)、FAQ(フィンランド)、中原大学(CYCU、台湾)、FUNDECE(アルゼンチン)、HBMeU(UAE、ドバイ)、インド品質学会(ISQ)、泰日大学(NTI、タイ)、PSQ(フィリッピン)、QPSP(パキスタン)、SQI(シンガポール)、SSRU大学(タイ)、VQAH(ベトナム)
  • QCサークル本部 本部幹事(1993-2007);関東支部 顧問(2000-)、世話人(1994-99);京浜地区世話人(1986-93);QCサークル誌編集委員長(1995-97)、委員(1977-94)、編集顧問(2000-現在)
  • マイアミ大学客員教授(1988-89 U.S)・Aarhus BS客員教授(1995デンマーク)
  • 同済大学Advisory Professor(2006-09 中国)・ローマ大学客員教授(2011 イタリア)
  • 中原大学客員講座教授Visiting Chair Professor(2006-12 台湾)

【グローバルな品質活動】
国内はもとより、アジア、北米、欧州、南米、大洋州60ヶ国余で品質管理の研究、指導、講演等の経験を有し、渡航先は80ヶ国を超える

【主要活動(産業界)】
  • 日本科学技術連盟(JUSE)理事(2000-22)、講師(1964-現在)
  • デミング賞委員会 顧問(2022-現在)、本賞選考委員会委員長(2011-21)、実施賞小委員会委員長(2004-07)、委員(1978-2021)
  • 積水化学工業(株)社外監査役(2003-09)
  • (株)小松製作所 社外取締役(2008-14)
  • 海外産業人材育成協会(AOTS)理事(2007-12)、講師(1976-現在)

研究論文や著書

「魅力的品質と当たり前品質」(日本品質管理学会誌「品質」、1984年、Kano Modelとして知られる)を含む約300篇の論文・技術報告、「現状打破・創造への道」、サービス産業のTQC」、「QCサークルのための課題達成型QCストーリー」(いずれも日科技連出版)含む35件の著書

その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)

【名祖Eponym、Kanoの名前を含む賞の創設】
  • ANQ:Ishikawa-Kano Award(IKA)創設(2010)、IKA Gold Medal創設(2018)
  • 泰日技術振興協会(TPA、タイ):Kano Quality Award 創設(2009)
  • ハマダン・ビン・モハメドe大学:Kano Medal Excellence Catalyst(ドバイ)

【主要な受賞】
  • 国際品質アカデミー(IAQ)2021 品質桂冠賞(品質分野におけるノーベル賞)初回受賞
  • アメリカ品質学会(ASQ)2009 功績メダル、2006 Grantメダル、2002 Lancasterメダル
  • 欧州品質機構(EOQ)2016 Georges Borel 国際功績賞
  • アジア太平洋品質組織(APQO)2014 Feigenbaumメダル、2004 Harrington-Ishikawaメダル
  • インド品質学会 2008 Dronacharya Award受賞
  • アメリカ統計学会 1997 Deming Lecturer受賞
  • デミング賞委員会 1997 デミング賞本賞   他多数
寺山 晶子 氏

寺山 晶子 氏

業務上の経験や研究を主とした経歴

ソニー入社後、ビデオレコーダーの組み込みソフトウェアの開発業務に携わった後、デジタルカメラや新規事業製品など様々な製品のUI/UX設計の現場を経験。現在はソニーグループ全社のUXデザイン/人間中心設計(HCD)の推進、および、ユーザーテスト/ユーザーリサーチ専門組織のマネジメントを担当。これまでの活動が認められ2021年度に社内のHCD専門家として認定された。
※UI:ユーザーインターフェース、UX:ユーザーエクスペリエンス

研究論文や著書

  • ユーザビリティ(使いやすさ)品質に関する社内基準の策定
  • ユーザーテスト/ユーザーリサーチのグローバルな実施体制および社内モニター制度の構築、運用
  • HCD専門家の社内認定制度と育成プログラムの開発

その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)

  • 人間中心設計推進機構認定 人間中心設計専門家
  • 2020年度 一般社団法人IIOT主催『UXの価値を向上させる施策を提案可能とする人材の育成プログラム』特別講話に登壇
  • 2023年度 人間中心設計推進機構主催 春季HCD研究発表会にて発表『専門家の社内認定制度と育成プログラムによるHCD浸透の取り組み』
日置 英里 氏

日置 英里 氏

業務上の経験や研究を主とした経歴

ヤフー株式会社に入社後、広告の商品企画やコンテンツマーケティングの新規事業立ち上げなどの経験を経て2016年からUXリサーチ業務(ユーザーの心理や体験価値を調査分析し、意思決定に活かす業務)に従事。「Yahoo!ニュース」、「Yahoo!天気・災害」等のメディアサービスにおいて、独自機能の導入や改善をはじめとしたプロダクトづくりや事業戦略立案にUXリサーチを活用し、リサーチチームのマネージャーとしてリサーチャーの育成や普及活動を担う。現在はヤフー社全体におけるUXリサーチの推進や支援活動も行っている。
森崎 修司 氏

森崎 修司 氏

業務上の経験や研究を主とした経歴

学位取得後ソフトウェアエンジニアとしてプロダクト開発に携わった後、大学でソフトウェアエンジニアリング研究と教育に従事する。
D2-1 企画セッション パネルディスカッション

Software defined vehicle 時代のソフトウェア開発や品質評価はどうあるべきか?

パネリスト

木村 浩章 氏
トヨタ自動車株式会社
コネクティッド先行開発部
主幹

パネリスト

吉村 健太郎 氏
株式会社日立製作所
研究開発グループ
サステナビリティ研究統括本部
コネクティブオートメーションイノベーションセンタ
自律制御研究部 主任研究員

モデレーター

高田 広章 氏
名古屋大学
未来社会創造機構・教授
本セッションでは、Software defined vehicle時代のソフトウェア開発や品質評価はどうあるべきかを議論します。具体的には、Software defined vehicleとはどのようなものであるべきか、自動車の顧客価値やユーザー体験をソフトウェアでどのように実現するか、その開発プロセスや品質評価はどうあるべきかといった点で議論します。
木村 浩章 氏

木村 浩章 氏

業務上の経験や研究を主とした経歴

早稲田大学にて博士号取得後、トヨタ自動車株式会社にてマルチメディアシステムのソフトウェア開発に従事。上流設計のほか、ソフトウェア開発内製化の動きに伴いSDKのリリースやCI/CDパイプラインの立ち上げを実施。スマートシティ向けソフトウェアプラットフォーム開発のリードを経験したのち、現在はソフトウェア定義車両のソフトウェアアーキテクチャ設計を担当。

その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)

早稲田大学 博士(工学)
吉村 健太郎 氏

吉村 健太郎 氏

業務上の経験や研究を主とした経歴

2001年株式会社日立製作所 入社。研究開発グループにて、自動車や産業機器などの制御システム向けソフトウェア工学の研究開発に従事。

研究論文や著書

J. D. McGregor, D. Muthig, K. Yoshimura and P. Jensen, "Successful Software Product Line Practices," in IEEE Software, vol. 27, no. 3, pp. 16-21, May-June 2010.
共訳「ソフトウェアプロダクトラインエンジニアリング」, 2009.

その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)

博士(情報科学)
IEEE Senior Member
情報処理学会 会員、組込みシステム研究会運営委員
日本機械学会 会員
APSEC (Asia Pacific Software Engineering Conference) 2023 Co-Chair
高田 広章 氏

高田 広章 氏

業務上の経験や研究を主とした経歴

リアルタイムOS、リアルタイム性保証技術,車載組込みシステム/ネットワーク技術、組込みシステムのディペンダビリティ(安全性,サイバーセキュリティ)、ダイナミックマップ、協調型自動運転等の研究に従事。オープンソースのリアルタイムOS等を開発するTOPPERSプロジェクトを主宰。

その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)

博士(理学)。TOPPERSプロジェクト 会長。日本学術会議 会員。日本ソフトウェア科学会 理事長。自動車技術会 理事。

ランチセッション

ランチセッション1 Aストリーム

ノーコードテスト自動化プラットフォーム「Autify for Web」

Autify, Inc.
オーティファイ株式会社

「Autify」は、開発したソフトウェアが期待通りに動くかを検証するソフトウェアテストを、AIの活用によってノーコードで誰でも簡単に自動化可能にしたクラウドアプリケーションです。
AIの活用でプログラムコードを書く必要なく、ブラウザ操作を記録するだけで、誰でも簡単にテストシナリオの作成・実行ができます。また、新たな機能を追加した際もUIの変更をAIが検知し自動でメンテナンスします。
致命的な事業リスクとなる不具合を防ぐために必要不可欠なソフトウェアテスト。Autifyはテストを自動化することで、リリースサイクルの高速化を可能とし、顧客のニーズを素早く反映した製品を開発する事業の競争力を向上します。
ランチセッション2 Bストリーム

自動テストと動的解析で自動バグ発見器を作れ!

ハートランド・データ株式会社

ときに「泥臭い」と表現される組込み機器開発。
ハードウェアと密接な低レイヤーソフト開発のテスト・デバッグでは、自動テスト環境の構築・維持の難しさや、テスト・デバッグごとに実機操作が伴う手間など、現実的なお悩みが散見されます。
そんな組込み開発に、「自動テスト」と「動的解析」を組み合わせた「自動バグ発見器」をご提案。泥臭い課題をスマートに解決しましょう。
弊社の組込み用テスト自動化プラットフォーム「AUTOmeal」と、動的テストツール「DT+」を組み合わせることで、組込み開発にも自動テストを手軽に導入しつつ、テストNGのケースでソフト挙動をコード行レベルで細かく追い込めます。
ランチセッション3 Cストリーム

エンジニアが使いやすい!次世代の脆弱性管理ツールSnyk(スニーク)

Snyk株式会社

Snyk(スニーク)は、安全な開発を迅速に行うことを支援しています。コードやオープンソースとその依存関係、コンテナやIaC(Infrastructure as Code)における脆弱性を見つけるだけでなく、優先順位をつけて自動的に修正します。
Gitや統合開発環境(IDE)、CI/CDパイプラインに直接組み込むことができるので、デベロッパーが簡単に使うことができます。