さまざまな視点に合わせた仕様書の作成・維持の支援手法
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年度 : 2017年  
紹介文 :
 業務システムの開発においては、関心事の異なるステークホルダーに対して、業務システムの機能や画面といった、仕様に関する情報をさまざまな視点や抽象度で表現し、議論や妥当性確認を促す必要がある。そのような場面において、例えば、技術者と技術者ではない読み手とのコミュニケーションのために、仕様書が用いられる。仕様書は、通常、技術者が作成・維持し、仕様に関する情報をある形式で表現し集約したものである。しかし、技術者ではない読み手には不適切な形式で仕様が表現されることや、読み手のさまざまな視点に合わせた異なる形式の仕様表現との間に不整合が生じるといった課題がある。そこで本研究では、仕様に関する一通りの情報を集約しつつ、読み手のさまざまな視点に合わせた形式の仕様表現を生成するための、仕様書の作成・維持の支援手法を提案する。具体的には、形式手法のひとつであるVDM (Vienna Development Method)によって厳密な仕様表現(形式仕様記述)を作成し、その記述から、機械処理により状態遷移図やシーケンス図といったさまざまな形式の仕様表現を生成する。本提案手法により作成・維持される仕様書は、異なる形式の仕様表現との間の不整合を防ぎつつ、現場担当者や技術者といったさまざまな読み手に適した形式の仕様表現を含むという特徴を持つ。
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