CMMI の調査と試行
ダウンロード数: 4059回
発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
本論文は、論文作成時最新のプロセスモデルであったCMMI-SE/SW v1.02について、調査とその試行結果をまとめたものであるが、アセスメントに必要な工数や、モデルの意義や懸念などがまとめられており、現時点においても、CMMIに基づくプロセス改善を行う際には、十分参考になるものである。
概要 :
現代社会のソフトウェア依存度がますます増大するのに伴い、ソフトウェア品質に対する社会的要求も非常に厳しくなってきている。これに答えるべくソフトウェア・プロセスに注目したプロセス評価改善方法論が1980年代後半から数多く開発され、日本でも導入が進んでいる。それらの中でも世界的に広く普及しかつ成果を上げたSW-CMM ver1.1 (Capability Maturity Model for Software)の後継版であるCMMI (Capability Maturity Model Integration) について、1)モデルの深い理解、2)アセスメント方法の理解とツールキット作成、3)アセスメント実施、という3点を目標に活動に取り組んだ。その結果、CMMIはソフトウェア開発プロセスの評価と改善を通じて、品質、コスト、納期の改善を実現できる優れたアセスメントモデルでありソフトウェア産業にとって意義が大きいこと、ソフトウェア調達者にとっても供給者の合理的評価に役立てられることが確認できた。しかしその一方で、SEPG(System Engineering Process Group)や開発現場ではモデルの理解やアセスメントには高い能力と見識を要すること、および形骸化を防止するには経営者の正しい理解に基づくリーダシップが不可欠であること、なども研究会活動の結果として明らかになった。
↑