検出難易度の高い欠陥を検出するレビュー方法の提案
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発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
ソフトウェアのテストについてはソフトウェア工学において研究が進んでいる分野ではあるが、そこにまた新たな視点が加わった。本論文はレビューで早期にエラーを検出する際に3つのレビュー観点を提案するものだ。レビュー品質の向上を目指す方にぜひご一読いただきたい。
概要 :
レビューを実施しても、誤字脱字などの軽微な指摘が多く、時間とコストを掛けた割に効果が少ないと感じているケースが多い。本来、レビューで検出したいのは、後工程で発覚した場合の手戻りが大きい欠陥である。
その中でも関係者全員が見落とす様な検出難易度の高い欠陥は、後工程で発覚する事が多く、場合によっては市場へ流出した後に発覚する事となり、手戻りコストは高く付く。
そこで我々は、レビューやテストで取り除くことが出来なかった検出難易度の高い欠陥に注目し、これらをレビューで検出するための観点を検討した。検出困難な欠陥事例は、各研究員が市場に流出してしまった欠陥やサービスイン後に発覚した欠陥を持ち寄り、特徴や傾向の分析を行った。
これらの事例から、要件定義や外部仕様段階で埋め込まれた欠陥を抽出し、まず、欠陥内容について分類を行った。そこから、欠陥内容を抽象化し、それらを要件定義や外部仕様段階で検出するには、レビューでどの様な視点・観点を持つと指摘が可能となるかについて検討した。
本研究では、検出難易度の高い欠陥を検出するための観点を明らかにし、レビューアの経験・スキル依存せずに、欠陥を指摘するためのレビュー方法について考察する。
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