低頻度不具合の再現テストにおけるGUIテスト自動化ツールの導入効果
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年度 : 2019年  
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当社では64bit OSを搭載し、同OS上で動作するアプリをプリインストールしたパソコンを製造・販売している。筆者が所属する部門の任務は、出荷判定までに、すべてのOS不具合の原因を究明し、処置方針を決定することにある。

OS不具合の中には発生率が0.1%以下という低頻度で致命的な不具合も含まれる。このような不具合を再現させるには、同じ操作を1,000回以上繰り返すことが必要となる。当社ではこれまで自社製の連続試験ツール「Aginger」を用いた再現テストを行っていた。しかし、AgingerはGUI操作やキーボード入力の機能は備えていない。そのため、OS再起動後のサインインなど何らかのユーザ入力を行った場合に発生する現象の再現テストには使えず、人手で同じ操作を繰り返していた。その結果、多大なテスト工数がかかっていた。そこで、再現テストに市販のGUIテスト自動化ツールを活用することを考え、「eggPlant Functional」を導入した。

同ツールの導入効果を測るため、製品開発中に発生したある低頻度OS不具合について、人手でおこなう再現テストの工数と、eggPlant Functionalを用いて自動化した再現テストの工数を比較検証した。その結果、再現テストを約17分の1に効率化でき、大きな効果が得られた。本論文ではその成果を報告する。
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