アジャイル・プラクティスとレジリエンス能力の関係性の検証 - チームのレジリエンスを向上させるために -
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発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
ソフトウェア開発チームは、その開発活動において、いろいろなストレスを受ける。例えば、ある知見を持ったチームメンバーが突然移動になるなどは、チームの活動にに大きなインパクトがある。いったんそのインパクトを受け止めて、そのダメージから回復していく力をレジリエンスと呼ぶ。アジャイル開発では、その@プラクティスにおいて、数々のストレスを認識し、それに対するレジリエンスを持つ気づきを与えてくれる。この論文は、アジャイル開発のプラクティスとレジリエンスに関係性があることを仮説して、実際のチームを調査し、アジャイルプラクティスをうまく行うチームは、レジリエンスが高い傾向にあることを示した。

概要 :
我々「アジャイルと品質」のメンバの現場では,アジャイル開発を導入するチームが増えつつある状況の中で,「属人化による弊害」,「決められたことしかできない」,「顧客の急な要求 に対し柔軟に対応できない」といった問題がある.これらの問題は,想定外の状況が発生した場 合でも柔軟に対応できる能力,つまり「レジリエンス」【1】【2】【11】が低いことに起因するのではない か,さらに,アジャイル・プラクティスには,そもそもレジリエンスを改善する効果があるの ではないかと考えた.本研究では,チームのレジリエンスを向上させるための前段階として,アジャイル・プラクテ ィス【3】とレジリエンスの関係性を検証する.そのために,レジリエンス・エンジニアリング> @で提 唱されている各種能力を用いて,アジャイル・プラクティスと関係付ける方法を提案する.そし て,アジャイル・プラクティスとの関係性の検証をアンケート調査により実施した.その結果, アジャイル・プラクティスとレジリエンスの間には正の相関があり,アジャイル・プラクティス を多く実施しているチームでは,レジリエンスが高い傾向があることを確認した.
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