派生開発の現場で秩序あるリファクタリングを実施する方法
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年度 : 2016年  
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派生開発では、同じソースコードを何度も変更することにより、ソースコードが劣化していく。劣化が進行すると、手戻りやデグレードなどの温床となり、開発の遅れが引き起こされる。このような問題への対策の一つにリファクタリングが挙げられる。
開発者を対象にリファクタリングについてのアンケート調査をおこなった結果、リファクタリングを実施するためのプロセスが存在しないことが多く、実施の判断やプロセスの内容が担当者任せになっていることがわかった。また担当者任せのリファクタリングによって、担当者のスキル不足や機能変更ついでのリファクタリングなどに起因する不具合が発生していることもわかった。このような担当者任せのリファクタリングを防止するため、派生開発のプロセスとして知られるXDDP(eXtreme Derivative Development Process)をリファクタリングに用い、リファクタリング専用の変更プロセスR-XDDP(Refactoring-XDDP)を考案した。
R-XDDPでは「構造の変更」のみをおこない、機能の追加変更、削除といった「機能の変更」はおこなわない。リファクタリング対象の構造の特徴を抽出したリファクタリングパターンを要求として扱い、構造のBefore/Afterを表現した変更3点セットを作成し、レビューを実施する。変更3点セットには具体的な変更内容や担当者のスキルが表現されるため、レビューによってリファクタリングの保留や担当者変更などの判断が可能になり、担当者任せのリファクタリングを防ぐ効果が期待できる。
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