ソフトウェア開発プロジェクトにおける進捗/品質の定量把握実践について
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年度 : 2016年  
紹介文 :
約2年前、我々の本部において品質悪化が原因で複数の大型プロジェクトの採算が不芳化し利益確保や人材育成に悪影響があった。不芳化の直接原因は①見積ミス、②設計考慮漏れ、③単体品質不良に大別されたが真因は見積、計画レビューの未実施・不備、問題の検出遅れである事が判明した。そこで不芳案件の撲滅を目的とした本部PMOを発足させ、本部PMOが開発プロジェクトの設計、テストの各工程において定量的な進捗/品質の把握を行い、問題の早期検知、エスカレーションおよび問題の早期解決を図るべくプロジェクトレビュー、プロジェクトモニタリングを部門横断で実施した。
プロジェクトレビューではリスクとその回避策、役割分担の明確さ、当社の存在意義・価値の確認を必ず経営層を含めてチェックする、プロジェクトモニタリングでは推測や勘で指摘を行わず、定量データを元に進捗/品質の問題点をあぶりだし、是正が必要な場合はPM自ら早く行動を起こせる様に指摘を行う等の工夫を施した。
これらの取組みにより組織の意思を提案やプロジェクト計画に反映しプロジェクト実行時には進捗/品質共に工程の異常値検知とその分析を行い、プロジェクト実行に問題がないかヒアリングする事でPMに気づきを与えた。この結果、実施から2年目の昨年度は不芳化案件がゼロとなり本部の生産性が向上した。
本報告はソフトウェア開発プロジェクトにおける進捗/品質の定量把握効果を紹介する。
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