変更の影響範囲を特定するための「標準調査プロセス」の提案
ダウンロード数: 970回
年度 : 2014年   分科会 : 第6分科会「派生開発」
発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
既存システムに対して変更や機能追加を行う際、変更箇所や変更による影響範囲を特定するために既存システムのソースコードを調査する。この調査方法が人によって様々で、調査結果もレビューに耐えられるものではなかった。そこで、調査の目的を3種に分類し、標準調査プロセスと調査プロセスガイドラインを作成・検証した。
概要 :
派生開発では、頻繁に発生する変更要求を、限られた時間内で対処することが求められる。時間内に効率よく漏れなく変更による影響範囲を特定することが、品質・コスト・納期(QCD)の目標達成、ひいてはビジネスの成否をも左右する。現場でどのように変更の影響範囲を特定しているのかをヒアリングしたところ、調査方法や調査結果の残し方が様々であることがわかった。これでは調査の質の安定は望めない。また、現場で行なわれている調査の仕方と派生開発に特化したアプローチであるXDDP(eXtreme Derivative Development Process)のプロセスを比較した。その結果、ソースコードを処理の順番に沿って探索していることが違いとしてわかった。この探索法では、調査範囲が狭くなり、本来目的別に分けて行なうべき調査を区別なく行なっているため、影響範囲の特定漏れを引き起こしやすくなるという課題が見えてきた。この課題を解決するために、調査を事前調査、変更箇所調査、影響調査という3つのステージに分けた「標準調査プロセス」を作成した。これを現場で有効に活用してもらうために「調査プロセスガイドライン」を作成した。これらを使って過去の事例でシミュレーションしたところ、変更の影響範囲の特定漏れを減少させることができた。
↑