開発プロジェクトのQCD問題を予兆段階で認識する問診票の提案
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発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
品質レベルの兆候をいち早く察知し事前に手を打つことは、品質確保の究極の活動である。
本テーマは、「健康診断」にて活用される「問診票」の考え方をプロジェクトの予兆察知に活用し、ソフトウェア品質確保に適用した事例である。
「問診票」をチェックリストとして活用しているが、人の行動や思いにフォーカスした質問も含んだ形態であり、質問内容の抽出の過程に興味を引く論文である。
概要 :
開発プロジェクト(以下、プロジェクト)実行中に、納期遅延などのQCD問題を引き起こす原因となる予兆が内在していても、それを認識できずに後で問題が表面化する場合がある。予兆を早期に発見し対策することがプロジェクトを成功に導く手段である。しかし従来の手法であるメトリクス測定や品質保証部門の監査では予兆を発見することは難しい。そこで我々は、健康な人が病気の予兆を認識する「健康診断」と同様に、品質保証部門がプロジェクトを診断し、問題の予兆を発見することが有効な手段と考えた。問題の予兆を発見しプロジェクト利害関係者に認識してもらい、問題の表面化を未然に防止するために、「問診票」を提案する。本研究では、問診票の作成と試行を実施した。その結果、 QCD問題の予兆を発見する27件の質問を抽出できた。本論文では、問診票の作成と運用方法、QCD問題の予兆の発見方法、問診票の試行結果と考察、および今後の展望を述べる。
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