ソフトウェアの危険予知トレーニングによる失敗を共有できる風土の構築
ダウンロード数: 501回
年度 : 2012年  
発表場所 : SQiPシンポジウム
紹介文 :
不具合発生の背景情報を共有するために、「交通の危険予知トレーニング」という手法を、ソフトウェア開発に応用しています。単に不具合事例から得た知見をプロセスに組み込むのではなくて、「先輩から後輩へ、経験談とノウハウを対話により伝えること」で、不具合発生の背景がより深く心に残るということには、考えさせられます。
概要 :
皆さんの職場では、類似した過去の不具合の再発で、「何度同じことを繰り返す気だ」などと上司やお客様に怒鳴られたことはありませんか?
昨年の SPI Japan2011 でヤマハ株式会社の中村直文氏から「開発 KYT(危険予知トレーニング)によるトラブルの未然防止活動」の発表がありました。この活動は、交通の危険予知トレーニング(KYT)を応用したもので、ある場面(プロセス)に潜む危険をみんなでディスカッションし、これによりお互いの危険予知能力を高め、その結果同じ失敗や同類の失敗を防止しようとするものです。
直感的に「この活動はいい、心に響く」と思ったのですが、新しいことを組織に取り入れようとすると、何らかの障壁が必ずあります。そこでソフトウェア開発を支える3 要素のうち、「技術」にKYT を置き、「人」「プロセス」に着目した対策を考えました。
①お題の作り方
②ディスカッションをしやすくするための工夫
③出題から回答の集計まで運用方法、
しかし、目標の参加率 9 割とお題の評価 3 点以上を達成できませんでした。そこで中村直文氏にお題の作り方のアドバイスをいただくとともに、仕事の基本である「目配り」「気配り」「心配り」を利かせることで、目標をやっと達成することができました。
これら工夫と KYT が、皆様の職場でも何かの役に立てばと思い、ご紹介させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
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