ISO9001:2000 を基盤として CMMで進化する
ソフトウェア品質管理研究会 第1分科会「ソフトウェアプロセス評価・改善及び品質マネジメント」(2002年)
執筆者:
内村 はるみ(オージス総研) 、吉田 篤(東芝ITソリューション) 、岡崎 義博(アルファシステムズ) 、稲生茂豊(エスシーシー) 、篠原 聡(インテック) 、船切 誠(日本電子) 、重本 一郎(松下ソフトリサーチ) 、野村 尚幸(富士通関西中部ネットテック) 、阿部 修久(キヤノン販売)主査:
大川 鉄太郎(日本ユニシス)
本研究は、二つのモデルを組織に導入するための、一手段を提供している。 興味深い内容としては、ソフトウェアプロセス改善モデルCMMとISO9001を融合させる研究過程の活動内容より、ソフトウェアプロセス改善モデルの構造・構成要素を深く理解することが可能となる。
概要:
ソフトウェアの設計・開発能力のレベルアップを図るためのプロセス改善の一つのモデルとして、CMM*(Software Capability Maturity Model:SW-CMM)がある。本分科会では、ISO9001*(ISO9001:2000)認証を取得している企業・組織が、より良いプロセスをめざして進化するためのCMM活用について研究を行なった。研究は、ISO9001に基づいて構築した品質マネジメントシステム(以下、QMS)とCMMをどのように融合させ、QMSにどのような手順を付加する必要があるのか、あるいは、どのような点に考慮する必要があるのかを明らかにしたチェックリストを作成することよって、CMMレベル3を達成するための基盤を構築することを目標として進めた。
研究は以下の手順で行なった。
1) CMMレベル2、3の各KPA(Key Process Area)に含まれるKP(Key Practice)がISO9001のどの要求項番に対応しているのかを明らかにし、KPAごとのチェックリスト(CMMチェックリスト)を作成した。
2) ISO9001の要求事項に基づいたQMSのプロセスを定義した。
3) KPAごとのチェックリストから、プロセス間の相互関係や整合性を考慮して、定義したQMSのプロセスに対するチェックリスト(プロセスチェックリスト)を作成した。
本報告書において、これらの研究結果を報告する。
* 特に説明のない場合、ISO9001は2000年版(ISO9001:2000)、CMMはSW-CMMを示している。