ソフトウェア開発における情報共有の課題と効果に関する研究
ソフトウェア品質管理研究会 第7分科会「高品質ソフトウェア開発のための知識共有と再利用」(2001年)
執筆者:
上原 佳広(オリンパスシステムズ) 、中井 一人(松下ソフトリサーチ) 、内山 英俊(池上通信機) 、十日市 勉(タイコーシステムエンジニアリング) 、小泉 幸恵(TIS) 、木田 昌平(セゾン情報システムズ) 、李 智炯(三星SDS) 、松崎 昌史(日本ノーベル) 、沢本 哲夫(デンソー) 、石井 英明(インテック) 、菊地 淳(NTTコムウェア) 、足立 真弘(ジャステック)主査:
石田 厚子(日立製作所)
高品質なソフトウェアを開発するためには、ノウハウの共有と再利用が必須です。本研究では、「ソフトウェア開発時の情報共有」と「ソフトウェア開発時のノウハウ共有」について調査・分析が行われています。
事例の数は少ないものの、「成功させるための要素について考察」は普遍的な物で、とても参考になります。
事例の数は少ないものの、「成功させるための要素について考察」は普遍的な物で、とても参考になります。
概要:
第7分科会においては、これまでナレッジマネジメントに代表される知識共有について議論を行なってきた。その結果、知識共有は多くの場合、企業活動においてプラスの成果をもたらしていることがわかった。これはソフトウェア開発においてもあてはまる。しかしながら、ソフトウェア開発では、知識に限らず開発工程の各段階において、開発者間の情報共有が十分に行なわれているとはいいがたい。なぜであろうか?
ソフトウェアは目に見えないものであるが故に、品質管理が難しいとされる。同様に情報共有を行なったとしても、どの程度効果があるかは目にみることはできない。われわれはここに解を求めた。すなわち、目に見える形で効果を表すことができれば情報共有も可能になるとの仮定を設け、開発時の情報共有を進めた場合にどの程度生産性が向上するかの検証を行なった。また、一般に共有化が難しいとされる個人・組織が有しているノウハウの共有がもたらすソフトウェア開発の効率化について考察した。