森山 英樹氏
株式会社すかいらーくホールディングス
購買本部 購買政策グループディレクター
購買本部 購買政策グループディレクター
1989年3月31日、商業施設向けブッフェレストランやフードコートなどの運営を担うニラックス株式会社※に新卒第1期生として入社。オープンしたばかりの幕張メッセで勤務をスタート。ニラックスでは飲食業の基礎の多くを学んだ。2005年、すかいらーくに出向して転籍し、購買本部に配属。その後、野菜、畜肉の購買業務を担当し、今日に至る。
(ニラックスは1987年に新日鉄と共同創設後、2004年にすかいらーく100%子会社化)
(ニラックスは1987年に新日鉄と共同創設後、2004年にすかいらーく100%子会社化)
――すかいらーくグループは日本初のレストランチェーンとして知られています。最初に、少し歴史的なことを教えてください。
森山(敬称略):「すかいらーくグループ」は1970年に郊外型ファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を府中市に出店。「すかいらーく」のブランドは2009年に全店が「ガスト」などに転換されて今はありませんが、会社は50年以上続いています。
当社の特徴は、店舗のほとんど全てが直営ということ。私たちが調達した食材をセントラルキッチンで一次加工して、店舗で調理してからお客様にご提供する、それらを一貫して自社で行う垂直統合型サプライチェーンを構築していることが特徴であり、当社の強みとなっていると思います。
当社の特徴は、店舗のほとんど全てが直営ということ。私たちが調達した食材をセントラルキッチンで一次加工して、店舗で調理してからお客様にご提供する、それらを一貫して自社で行う垂直統合型サプライチェーンを構築していることが特徴であり、当社の強みとなっていると思います。
――それでは、御社の購買政策の特徴を教えてください。
森山:競争の激しい飲食業では、常にコスト削減が求められます。幸い、当社には創業時からのお取引先様も多くあります。そこには共に成長してきたという強い信頼関係があり、今日のすかいらーくがあるのは、彼らとの関係性のおかげとも言えます。従来、そうした関係性の中で、品質、規格があって「だからこの価格」といった具合に担当者間の交渉で決められてきました。その後、これまでのやり方を大きく変える出来事がありました。当社は2006年MBOを実施して非上場化され、ファンドのみなさんが経営に関わることで、調達の考え方も大きく変わることになりました。
――興味深いところです。どう変わったのでしょうか。
森山:ファンドのみなさんには、コスト削減の科学的な手法を教わりました。それまで全体最適といいながら、それぞれの部署がバラバラにやっていた。そこを購買・生産・商品開発等多部門を集めて、「コスト最適化プロジェクト」として全員で同じ仕組みを共有するようにしました。削減の方法も「レベル」という呼び方で定義し、横ぐしを刺すように、すかいらーくグループみんな同じようにしました。
――グループ全体の共通尺度ですね。具体的に教えてもらってもいいですか。
森山:レベル1は、従来型の調達戦略。規格を見直したり、数量や使用期間などの契約条件を変えることで交渉を進めます。たとえば、普通は使った分だけお支払いするやり方でも、年間で計画して使う量が分かったら、数量を固定して年間での有利な契約の交渉をします。
レベル2は、サプライチェーンの見直しになります。ここでは、工場の観点で効率化します。工場の生産性を高めるため、品目数を絞ったりします。例えばガストでは「これじゃないといけない」という材料があり、ジョナサンにも「これじゃないといけない」という原料があります。かつて、レモンの大きさがガストとジョナサンは違っていました。それを共通にする。調味料も、それぞれ「醤油はこれ」というこだわりがありました。
そのようなこだわりは全部取っ払ってはいけませんが、残す部分と共通化してもいい部分があります。調味料も、一つひとつきっちり決めました。調味料関係だと、値段が安い方に寄せても品質的に問題なければ、ボリュームが増えればコスト削減につながります。
レベル2は、サプライチェーンの見直しになります。ここでは、工場の観点で効率化します。工場の生産性を高めるため、品目数を絞ったりします。例えばガストでは「これじゃないといけない」という材料があり、ジョナサンにも「これじゃないといけない」という原料があります。かつて、レモンの大きさがガストとジョナサンは違っていました。それを共通にする。調味料も、それぞれ「醤油はこれ」というこだわりがありました。
そのようなこだわりは全部取っ払ってはいけませんが、残す部分と共通化してもいい部分があります。調味料も、一つひとつきっちり決めました。調味料関係だと、値段が安い方に寄せても品質的に問題なければ、ボリュームが増えればコスト削減につながります。
――方法も含めて、全社で共通の方法をとるのですね。
森山:レベル3は、いわゆるオーバースペックの問題を解決します。これは結構重要です。メニュー開発担当には「お客様のために、こういうものを出していきたい」と言います。もちろん、その気持ちを否定はしないですが、どうしても、提供すべき価値以上のものもでてくる。お客様にご納得いただける範囲で品質の調整を行います。また、価格が上がってしまった原材料を他のものに置き換えるといったことも検討します。
レベル4は、プライシングとも呼ばれるものですが、売価を調整して適切な利益をいただく方法です。今、いろいろな原料費の値上がりがあり、すごく大変です。プライシングも同時に進めるということになります。レベル1からレベル4のそれぞれに、数値で目標をつけています。それを毎週プロジェクトとして回すわけです。手間がかかりますが、これを進めることで、事業を持続することができるはずです。
レベル4は、プライシングとも呼ばれるものですが、売価を調整して適切な利益をいただく方法です。今、いろいろな原料費の値上がりがあり、すごく大変です。プライシングも同時に進めるということになります。レベル1からレベル4のそれぞれに、数値で目標をつけています。それを毎週プロジェクトとして回すわけです。手間がかかりますが、これを進めることで、事業を持続することができるはずです。

