米澤 昭一氏
ニチアス株式会社 顧問
1957年11月、長野県生まれ。1982年3月近畿大学理工学部卒業。1989年2月ニチアス入社。2007年11月同社工業製品事業本部無機断熱材事業部長、2008年3月同社工業製品事業本部高機能製品事業部長。2009年6月同社執行役員、2010年3月同社高機能製品事業本部長、2011年5月同社研究開発本部長、2012年6月同社取締役に就任。2019年6月品質・安全・環境担当役員、2023年6月、同社顧問。趣味は1960年代の米国のアンティーク収集で、座右の銘は七転八起。
――いろいろなところで、不正の事件がニュースになりました。
米澤(敬称略):企業の寿命は30年と言われていますが、歴史のある会社は、いろんな開発やビジネスモデルをその時代にあったことで創造して成功し、これまでの歴史を築いたという経緯があります。
当社も1896年に保温断熱分野のパイオニアとして創業し、126年後の現在まで、あらゆる分野に「断つ・保つ」の技術・サービスを提供してきた100年企業です。それゆえTQMは、かなり層が厚い部分で構築されてきています。
当社も1896年に保温断熱分野のパイオニアとして創業し、126年後の現在まで、あらゆる分野に「断つ・保つ」の技術・サービスを提供してきた100年企業です。それゆえTQMは、かなり層が厚い部分で構築されてきています。
――製造業で創業126年というのは、凄いことです。
米澤:100年企業といわれる会社は、いろんな危機を乗り越えたから100年を超えている。その経験、歴史は非常に貴重なものですが、社会が大きく変化し、いろいろなルールも品質保証制度も、社会の風潮や色々な変化の中に適合してきたから今があると思います。
特に今は、コンプライアンスの問題があります。昭和の世代が会社に入った時期、飲みの席では先輩から、お酌の手ほどきから教えてもらった。ところがお酌は、今ではすでに非常識。それなのに、企業にいる上の世代には、過去の常識を払拭できない人もおられます。
特に今は、コンプライアンスの問題があります。昭和の世代が会社に入った時期、飲みの席では先輩から、お酌の手ほどきから教えてもらった。ところがお酌は、今ではすでに非常識。それなのに、企業にいる上の世代には、過去の常識を払拭できない人もおられます。
――成功体験があるだけに、変えるのは大変かもしれません。
米澤:私の若い頃は、先輩に言われたら嫌なことも受け入れていました。ところが、自分が指導する立場に立った時、「過去の経験があるから今がある。だから教えてやろう」と上から目線で若手に強要したら、今のルールには適用していないわけです。
これと同じようなことが、品質の分野でも出てきています。TQMのルールそのものは、おそらく大きくは変わっていない。でもTQMを運営する人が変わったことを、上の世代は理解しなければなりません。そこを勘違いしている人もいると思います。
これと同じようなことが、品質の分野でも出てきています。TQMのルールそのものは、おそらく大きくは変わっていない。でもTQMを運営する人が変わったことを、上の世代は理解しなければなりません。そこを勘違いしている人もいると思います。
――なんだか、目に浮かびそうです。
米澤:日本の有名企業でも、これまでの信頼を品質問題で落としてしまい、業績や株価へも大きく影響したという記事はよく見かけます。
当社も大きな色々な危機と向き合い、学びをみつけて糧にしてきました。その対応は今も進行中ですが、一番大事なのは「歴史から何が悪かったのかを明確にすること」だと思っています。
今の世の中に合致するため、過去の古き習わしを良かれと思う気持ちも、ときには払拭しなければいけません。いろいろな学びがありました。たとえば、会社が大きな危機を迎えた時、直接的な原因だけをみてしまうと、同じことが何回も起きる可能性があります。
当社も大きな色々な危機と向き合い、学びをみつけて糧にしてきました。その対応は今も進行中ですが、一番大事なのは「歴史から何が悪かったのかを明確にすること」だと思っています。
今の世の中に合致するため、過去の古き習わしを良かれと思う気持ちも、ときには払拭しなければいけません。いろいろな学びがありました。たとえば、会社が大きな危機を迎えた時、直接的な原因だけをみてしまうと、同じことが何回も起きる可能性があります。
――起きた原因は、直接的なものだけではなかった。
米澤:直接的に見える問題に対してある程度、原因を突き詰めて解決策を打ってきましたが、勘違いしている社内の風潮が問題であり、どうすれば防げるかを検討するなかでわかってきたことも少なからずあります。
世の中で良く起きている事件については第三者委員会を設置して原因と対策を検討していますが、でも、第三者委員会は直接的な原因と、その原因を裏付ける対策、今後どうするかというレポートを作る。ある意味、株主ないしは世間を納得させる資料を会社からの依頼を受け作成している事例が多くあり、再発して困っている企業も多くありますね?
世の中で良く起きている事件については第三者委員会を設置して原因と対策を検討していますが、でも、第三者委員会は直接的な原因と、その原因を裏付ける対策、今後どうするかというレポートを作る。ある意味、株主ないしは世間を納得させる資料を会社からの依頼を受け作成している事例が多くあり、再発して困っている企業も多くありますね?
――外部の人間が、社内の原因を掘り下げるのは難しいかもしれません。
米澤:本来、問題が起きているのは現場です。現場の人たちが、なぜ、そのようにせざるを得なかったかのかというところまでは、第三者委員会の人たちは解明しきれていない。時間的にも難しい。これは自浄作用をもって、会社が浄化していくべき問題です。
具体的にとらえると、問題があった案件のすべての要因を抽出することが第一に必要です。そのとき起きた事件だけをピンポイントで取り上げるだけでは、おそらく何も変わりません。会社全体、すべての部署、グループを対象に取り組むべきです。
事件は、たまたま起きた箇所が表に出ただけで、火種はあちこちに散らばっています。そこを取り上げ、全員で要因を潰していくことが必要だと思います。
具体的にとらえると、問題があった案件のすべての要因を抽出することが第一に必要です。そのとき起きた事件だけをピンポイントで取り上げるだけでは、おそらく何も変わりません。会社全体、すべての部署、グループを対象に取り組むべきです。
事件は、たまたま起きた箇所が表に出ただけで、火種はあちこちに散らばっています。そこを取り上げ、全員で要因を潰していくことが必要だと思います。



