佐々木 一仁氏
インフォコム株式会社
品質マネジメント推進室
品質マネジメント推進チーム・主査
品質マネジメント推進室
品質マネジメント推進チーム・主査
2001年インフォコム入社。ERPパッケージの導入に従事。
2007年よりGRANDIT株式会社に異動。GRANDIT製品の品質管理に従事。
2008年より品質マネジメント推進室に異動(現職)。ITサービスセグメントのPMO、プロセス改善、標準化、社内教育に従事。
2019年より失敗学のリーダー育成、実践推進、社内教育に従事。
現在に至る
2007年よりGRANDIT株式会社に異動。GRANDIT製品の品質管理に従事。
2008年より品質マネジメント推進室に異動(現職)。ITサービスセグメントのPMO、プロセス改善、標準化、社内教育に従事。
2019年より失敗学のリーダー育成、実践推進、社内教育に従事。
現在に至る
――まず、御社が取り組んでおられる品質管理や活動についてお聞かせください。
佐々木(敬称略):弊社では、品質方針として「品質こそがお客様に提供できる最大の価値である」ことを掲げています。その確保・維持・向上のため、QMS(品質マネジメントシステム)とITSMS(ITサービスマネジメントシステム)を構築・運用しています。
その中で失敗学は、QMSとITSMSの問題管理、是正処置、完了報告などの原因分析や再発防止策・未然防止策の検討で活用できると考えています。
その中で失敗学は、QMSとITSMSの問題管理、是正処置、完了報告などの原因分析や再発防止策・未然防止策の検討で活用できると考えています。
――では、失敗学との出会い、接点について教えてください。

例えば「担当者の能力が足りていませんでした。だから教育をしましょう」「計画の練り込みが不十分でした。だから計画書をきちんと書きましょう」「手順が曖昧でした。だから手順書をしっかり作りましょう」など、どれを見ても正しく、もっともらしい。けれども、「その対策は本当に効果があるか」と疑問を感じていました。
――引っかかってしまったのですね。
佐々木:はい。「本当かな」と違和感を覚えました。しかし、その違和感を説明する理屈が自分の頭の中に見い出せませんでした。それで、原因分析や対策検討に関係する書籍や論文を調べまくりました。そうして、やっと見つけたのが濱口先生の著書でした。
濱口先生の『失敗学実践編』を読んだとき、そこには私が追い求め、何度考えても答えが出なかった「その対策に効果があるか」という疑問に対する答えがありました。
濱口先生の『失敗学実践編』を読んだとき、そこには私が追い求め、何度考えても答えが出なかった「その対策に効果があるか」という疑問に対する答えがありました。
――濱口先生の本との出会いが、きっかけになったのですか。
佐々木:まさにジャストフィットした内容でした。本の内容を理解すると「あっ、これが探していた答えだ」と腑に落ちました。そこにたどりつくまで書籍や論文を読み漁り、それでも答えがみつからなかった苦労もあって、嬉しさも100倍、そういう状況でした。
――どのあたりが、響いたのでしょう。
佐々木:私たちは、何か失敗があって原因を探すときに、例えば「なぜ」を何回か繰り返して、いわゆる真の原因を見つけることをやります。そして判明した原因が失敗につながったのだから、その原因を裏返して対策にすることを考えます。ところがその対策は、得てして私たちが実際にしている行動と相容れない、矛盾する内容になっています。
――なるほど、せっかく対策を立てられたのに、効果につながらない。
佐々木:それはなぜか?誰も「間違ってやろう、失敗してやろう」と思って行動していない。正しいと思って行動したのに、結果として失敗した。つまり「間違ったこと」が原因にはなりえないのです。では、なぜ正しくできなかったのか?それに対する答えが「ワナ」の存在です。
「ワナ」は、正しいことが通用しなかった理由です。対策は、その「ワナ」に対抗しなければならないのです。もっともらしく見える対策の効果がないのは、「ワナ」に対抗せずに、「結果論」の原因に対抗しているからです。「結果論」は、後からわかった正しいことであり、失敗の当事者が行動しているときに考えていないことです。「教育をしないといけない」「手順書をきちんと作らないといけない」という対策は一見正しそうですが、後からわかった「結果論」の原因に対抗しているにすぎないのです。
「ワナ」は、正しいことが通用しなかった理由です。対策は、その「ワナ」に対抗しなければならないのです。もっともらしく見える対策の効果がないのは、「ワナ」に対抗せずに、「結果論」の原因に対抗しているからです。「結果論」は、後からわかった正しいことであり、失敗の当事者が行動しているときに考えていないことです。「教育をしないといけない」「手順書をきちんと作らないといけない」という対策は一見正しそうですが、後からわかった「結果論」の原因に対抗しているにすぎないのです。
――現場にある「ワナ」が問題なのですか。
佐々木:はい。現場で行動している人たちは、「自分たちはスキルがなくて能力が足りない」と思っていないし、「手順を理解していない」「もっと詳しい手順書が必要だ」とも考えていません。むしろ逆で、「自分は正しい手順でできる。能力もある。だから正しい行動がとれる」と思って突き進む。その結果、何らかの「ワナ」にはまっています。その「ワナ」に対抗しない限り、その対策は効果がないのです。


