茨木 康充氏
ヤマハ発動機株式会社
生産技術本部 設備技術部(兼)生産技術企画部 部長
生産技術本部 設備技術部(兼)生産技術企画部 部長
1999年4月 ヤマハ発動機入社。海外生産企画・溶接製造技術業務に携わる。その後6年間のインド駐在を経て、EG鉄製部品工場で生産課長として現場マネジメント、全社SCMを統括部門で二輪車のSCMプロセス改革に取り組む。2018年製造DX統括部門に異動し、2019年から現職。ヤマハ発動機独自コンセプト 人が主役のValue Innovation Factory を掲げ実現に向けて取り組み中。
――貴社のDX活動は「負の歴史」から始まりますね。
茨木:おっしゃる通りです。当社は2018年に、いわゆるDX活動を始めました。ところが、その年の暮れには、心ならずも取り組みが失敗であったことを認めざるを得ませんでした。理由は明快です。DXの「D」しかやっていなかったからです。どういうことか。
この活動は本来「デジタル・フォー・トランスフォーメーション」であるべきなのです。DXの導入に際しては「自分たちの仕事をこう変えたい」という「X」から始めるべきです。しかし、半ば場当たり的に取り組んでしまった結果、心ならずも「X」なき「D」に人と時間と資金を費やしてしまった。
大事なことなので繰り返しますが、我々が目指すべきは“DX/AI”ではなく“d/ai for X”であったのです。
この活動は本来「デジタル・フォー・トランスフォーメーション」であるべきなのです。DXの導入に際しては「自分たちの仕事をこう変えたい」という「X」から始めるべきです。しかし、半ば場当たり的に取り組んでしまった結果、心ならずも「X」なき「D」に人と時間と資金を費やしてしまった。
大事なことなので繰り返しますが、我々が目指すべきは“DX/AI”ではなく“d/ai for X”であったのです。
――失敗を認めてからの“隊列の立て直し”は素早かったですね。
茨木:2019年 私が最初に取り組んだことはDXの再定義でした。ここで気づいたことは、「X」として既に20年以上取り組んできている“理論値生産活動”があることに改めて気づきました。
これは、帰納的な積み上げ改善ではなく、演繹的に“ありたい姿”を目標設定し、現実とのギャップを課題と認識して活動するという考え方です。
この既に根付いた“理論値生産活動”を現場マネジメント空間と定義した「X」と捉え、これを加速させる手段の「D」として、現場状況をデータ化する「現実空間」、データを紐づけで集約する「サイバー空間」を定義することで当社らしさを持つDXを再定義しました。
これを上位マネジメントに提案し受け入れて頂いたというわけです。
新たな価値は、“人”が主役となりこの3つの空間を回すことで生み出されます。そこで、我々は「スマートファクトリー」という言葉をやめて「ヴァリュー・イノベーション・ファクトリー」(VIF)に改めました。
VIFは、人が主役となり、理論値生産活動とデジタル活用で、新しい価値を生み出す仕組みで、社内では VIF = TVP x DX という式で表現しています。 ※ TVP(Theoretical Value Production: 理論値生産活動の意)
これは、帰納的な積み上げ改善ではなく、演繹的に“ありたい姿”を目標設定し、現実とのギャップを課題と認識して活動するという考え方です。
この既に根付いた“理論値生産活動”を現場マネジメント空間と定義した「X」と捉え、これを加速させる手段の「D」として、現場状況をデータ化する「現実空間」、データを紐づけで集約する「サイバー空間」を定義することで当社らしさを持つDXを再定義しました。
これを上位マネジメントに提案し受け入れて頂いたというわけです。

VIFは、人が主役となり、理論値生産活動とデジタル活用で、新しい価値を生み出す仕組みで、社内では VIF = TVP x DX という式で表現しています。 ※ TVP(Theoretical Value Production: 理論値生産活動の意)



