荒牧 秀知 氏
全日本空輸株式会社
執行役員
グループCIO(Chief Innovation Officer)
デジタル変革室長
執行役員
グループCIO(Chief Innovation Officer)
デジタル変革室長
1963年大阪府生まれ。1988年全日本空輸(ANA)入社。羽田空港、東京支店、営業本部、ロサンゼルス支店、営業推進本部グローバルレベニューマネジメント部副部長、業務プロセス改革室イノベーション推進部長、ANAホールディングス事業推進部部長(ヤンゴン駐在)、業務プロセス改革室企画推進部長などを経て、2019年4月ANAシステムズ社長。2021年4月から現職。
――航空業界にとって、今回のコロナ禍は、本当にご苦労されたと思います。
荒牧:大変でした。コロナ前の2019年度第三四半期までは黒字でした。年が明けて2020年の1月23日に武漢のロックダウン。それから事態が急変し、あれよあれよという間に旅客需要がまさに「蒸発」しました。
2020年は東京オリンピック・パラリンピックの年。政府もインバウンド4,000万人を達成する旗印を上げた最終年度。羽田空港も発着枠を増やす計画で、2020年3月末から始まるサマーダイヤでは私たちも増便する予定で動いていました。海外の新規拠点開設の準備もたけなわで、さあ行くぞ!と思いっきりふくらんだ風船に針が刺さって萎んだような状態になりました。
そこから経営環境は様変わり。これまでもリーマンショックや東日本大震災など航空需要に大きく影響を与えるイベントはありましたが、国内線も国際線も全方面、これだけ長い期間に渡って影響を受ける緊急事態は今までにもありませんでした。
1年後にオリパラ開催には漕ぎつけたものの、海外からは選手団やマスコミ関係者のみの受け入れで、、国内も含めて観戦客は大幅に制限され、「テレビの中でのオリパラ」になってしまいました。航空会社の努力範囲外の事態となりました。
2020年は東京オリンピック・パラリンピックの年。政府もインバウンド4,000万人を達成する旗印を上げた最終年度。羽田空港も発着枠を増やす計画で、2020年3月末から始まるサマーダイヤでは私たちも増便する予定で動いていました。海外の新規拠点開設の準備もたけなわで、さあ行くぞ!と思いっきりふくらんだ風船に針が刺さって萎んだような状態になりました。
そこから経営環境は様変わり。これまでもリーマンショックや東日本大震災など航空需要に大きく影響を与えるイベントはありましたが、国内線も国際線も全方面、これだけ長い期間に渡って影響を受ける緊急事態は今までにもありませんでした。
1年後にオリパラ開催には漕ぎつけたものの、海外からは選手団やマスコミ関係者のみの受け入れで、、国内も含めて観戦客は大幅に制限され、「テレビの中でのオリパラ」になってしまいました。航空会社の努力範囲外の事態となりました。
――その厳しい環境下で、ANAは大胆な施策をとっておられました。
荒牧:欧米の航空会社は何千人単位で社員をレイオフしましたが、当時のANAホールディングス社長の片野坂(現代表取締役会長)は「経営資金の続く限り、グループ4万6千人の社員の雇用を守る」という方針でした。
ただ、コストを落とさなければ事業継続できないので、保持し続ければ固定費になる古い航空機から償却を早めるなど、あらゆるコストを見直しました。今考えると、オリパラに向けてメタボになりかけていた体をギュッと絞ったようで、筋肉質な体に成れたともいえます。
苦しい中でありがたいことに、いろいろなお取引先様から「半年か一年間、ANAの社員を受け入れよう」と言って頂きました。出向した社員は1,500人近くになりますが、様々な業種業態の会社で可愛がっていただきました。彼らは、これまでANAでは、想像や経験をすることができないような職場で、言わば「生きたトレーニング」を経験させていただいており、実力が増したのは間違いないと感じています。
ただ、コストを落とさなければ事業継続できないので、保持し続ければ固定費になる古い航空機から償却を早めるなど、あらゆるコストを見直しました。今考えると、オリパラに向けてメタボになりかけていた体をギュッと絞ったようで、筋肉質な体に成れたともいえます。
苦しい中でありがたいことに、いろいろなお取引先様から「半年か一年間、ANAの社員を受け入れよう」と言って頂きました。出向した社員は1,500人近くになりますが、様々な業種業態の会社で可愛がっていただきました。彼らは、これまでANAでは、想像や経験をすることができないような職場で、言わば「生きたトレーニング」を経験させていただいており、実力が増したのは間違いないと感じています。
――2022年度は、復活の兆しがありました。
荒牧:おかげさまで、ゴールデンウィーク頃から少しずつお客様の流動が増え、企業の出張制限も緩和され、22年度の第一四半期は10四半期ぶりに黒字に転換しました。




