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1 背景
ソフトウェアの品質向上のためにレビューは有効な手段として認められており、必須の活動として取り組まれている。また、同じく品質向上の取り組みとして、多くの企業で各工程やスプリント、プロジェクト終了時などに開発全般に関しての振り返りが行われる。
しかし、振り返りは一般的に、システム開発プロセスやプロジェクト管理の観点に注目が集まることが多く、レビューの実施方法に踏み込んだ振り返りが行われることは比較的少ない。
筆者らは、開発現場で成果物品質が上がらないのは、振り返り活動がレビュー品質の改善に繋がっていないことに一因があると考えた。そこで、個々の現場におけるレビューの質を向上させるために、レビューの振り返り手法を検討することにした。
2 解決すべき課題
振り返り手法には、KPT やYWT などのいくつかのフレームワークがある。しかし、これらは、活動内容を思い出しながら振り返ることが一般的である。多くは、参加者の主観的な記憶を頼りに行われることになるため、振り返りの観点に漏れや偏りが発生しやすい。
これは、改善の機会を逸しやすい状況にあることを示唆している。
次に、会議で自由に発言するような振り返り手法を用いた場合、声が大きい人の意見にその場の議論が引きずられるため、他の参加者が本音を言えないことがしばしば起こる。
特に作成者とレビューアでは上下関係がある場合が多いため、作成者が意見を言いにくいことも多い。ここにも、改善の機会を逸しやすい状況が存在している。
上記の課題に対して、筆者らは以下の2 点を満たす振り返り手法を考案することができれば、レビュー品質の改善に効果の高い振り返りが実施可能になるのではないかと考えた。
・ 事実に基づく客観的な振り返りを実施するための具体的な手順・ 役割・立場が異なる参加者全員から意見を引き出すための具体的な手順これらを踏まえて、本研究では以下を解決すべき課題として設定する。
RQ1:事実に基づく客観的な振り返りによって、重要な振り返り項目が導出できるか?
RQ2:役割・立場が異なる参加者全員から意見を引き出せれば、改善の観点が広がるか?
RQ3:提案手法を用いて、レビュー品質や成果物品質が向上するか?
以降、2 章では先行研究の調査結果を示し、3 章では筆者らが提案する振り返り手法を示す。4 章で提案手法に対する実験と評価考察を行い、5 章でまとめを示す。
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IT開発にかかわる組織では、組織や製品の特徴、顧客との関係性などから定めた「レビュー実施方法」、あるいは過去の経緯などから独自の工夫 を行った「組織で定着しているレビュー実施方法」に基づき、レビューを行っている。しかし場面によっては、レビューの長時間化、論点の拡散、欲しい効果の未獲得、作成者の疲弊などの問題が生じている。そして組織で定めたレビュー実施方法に従うことを重要視する あるいは慣れ親しんだレビュー実施方法を変更することへの障壁から、場面に応じてレビューの実施方法を変えることができないという問題がある。 この問題を解決するために我々は、レビューにて得たい効果に応じた「 レビューの実施方法 」、つまりは「レビューの活動要素」を最適化する「オプティマイズ・ レビュー ・ マップ法 」を考案した。 簡易実験とアンケート調査により、本手法の有効性を確認することができた。
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