一般事例発表

A会場

QCサークル活動(小集団改善活動)の推進、その他(ESG経営)

キャタラー流 QCサークルによる現場力強化と人づくり

藤村 健作 氏
株式会社キャタラー
当社では、QCサークル活動を顧客価値向上ための組織能力を高める「全員参加」の重要な活動として位置づけ、製造部門だけでなく、総務や経理、営業部門も含めて全社展開しており、海外拠点へも展開しています。 活動を活性化させるため、キャタラーオリジナルの活性度評価を2015年に導入、上司も必ず活動に参画するように推進体制を強化しました。活動完了後には、サークルと上司、QC事務局で面談を実施し、運営上の強み、弱みの明確化と、弱みに対するアドバイスをする機会を設け、サークルと上司、事務局が一体となってレベルアップを図っています。その他、本講演では、当社のQCサークルにおける教育体系やコロナ禍の活動継続に向けた仕掛けなど、特色ある取組みをご紹介いたします。

ことばのデータを言い換える力

上家 辰徳 氏
日本製鐵株式会社
これまで、QCサークル活動における「ことばのデータ」としてのまとめを行って、その重要性や実例を挙げての効用などをQCフォーラムで紹介をしてきました。現在では、ことばのデータが持つ力を有益に活用する方法について、現場の活用を行いながら理論立てて、さらなるブラッシュアップを図っています。そこで、ことばのデータの力のひとつとして、「ことばの言い換え」による力についてまとめましたので、今回2023年のクオリティーフォーラムにて、紹介させていただきます。
第一節・・ことばの言い換えとは
第二節・・どのようにことばを言い換えるのか(実例紹介)
第三節・・言い換える力は、自分だけでなく人にも影響を与える(実例紹介)

IT を活用した QC サークル活動の活性化

平田 公紀 氏
株式会社シンニチロ
QC サークル事務局、サークルメンバーが活動を行う中で抱えていた課題を、IT の活用で解決した事例です。
各サークルの活動状況が把握できていない、改善活動を行う際、何から始めればいいかわからない、書類作成に時間を要し改善活動に時間が割けないといった課題を解決するため、「QC 活動支援システム」を自社開発しました。
本システムを活用することで、「改善活動への積極参加」、「会合回数の増加」、「QC ストーリーの理解度向上」などを実現した当社のQC サークル活動をご紹介します。

オティックスにおけるQCサークル活動の発展と推進

山﨑 克実 氏
株式会社オティックス
【共同発表者】奥村 守 氏
当社は、1970年にQCサークル活動の開始以降、毎年のように全社発表大会を開催してきました。
職場における問題解決を進めるため、QCサークル活動を推進してきましたが、メンバー任せのノルマ的な活動となっていました。その状態を打破するため、2014年のTQM強化宣言を機にQCサークル活動改革に取り組み、QCサークルのレベル把握による弱点の克服や指導者の育成やQC検定を活用した教育などにより、各サークルメンバーのモチベーション向上につながり、製造現場での改善活動が活発になり、社外大会で賞を獲得するまでになりました。その具体的な取組み事例をご紹介します。

「Innovation for the Earth」

~サステナブルな社会の実現に向けて、
LIFEの基盤を支え、“未来につづく安心”を創造する~

西山 宏喜 氏
積水化学工業株式会社
企業の長期的な存続を評価するための指標「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」が、新たな投資判断基準として急速に広がっている。環境や社会への配慮、健全な管理体制の構築などによって、社会と自社の持続的成長を目指す積水化学グループの取り組みを紹介する。
当社グループは、くらしや生命、ライフラインに関わる重要な社会課題に真正面から取り組むことで成長してきた歴史を持つが、2020年、これからも社会課題解決に高い技術力と独自性をもって貢献し、成長していくことを改めて示した長期ビジョン「Vision2030」を策定した。経営の中心に『ESG』を置き、事業を通じた社会課題解決貢献の拡大による業容倍増を掲げている。当社グループにおける「攻めと守りのESG経営」の実際を紹介し、経営・ビジネス・市場への『ESG』実装による企業価値向上について、皆様との意見交換の機としたい。
B会場

SQCの活用、ホワイトカラーの生産性向上

有用な酵素の分離条件最適化

本村 大樹 氏
トヨタ紡織株式会社
当社では社会課題の解決に向けた研究開発として、高効率な物質変換機能を持つ生物由来の”酵素”に着目しています。生物の細胞内に存在する数千種の酵素の中から有用な機能を持つ酵素を特定するため、”二次元電気泳動法”実験に取り組んでいますが、酵素同士の分離に課題がありました。今回は、二次元電気泳動法に使用する溶液組成について、SQC手法を用いて最適な濃度条件を探索し、実験の品質改善に取り組んだ事例を紹介します。

※酵素:生物の細胞内で主にタンパク質として合成され、生体内外で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子
※二次元電気泳動法:複数の酵素を、酵素の持つ電気的な性質である等電点と酵素の分子量で分離する手法

市場クレーム低減活動
シリンダヘッドカバーのオイルフィラーキャップ緩みの改善

柴田 真澄 氏
トヨタ紡織株式会社
市場クレームは発生して欲しくないものではありますが、要因を解析することで将来の未然防止に役立つ貴重な財産にもなり得ます。品質保証部での業務改善活動として、当社製品の市場クレームから真因未特定の案件を選出し、要因解析、対策活動に取り組みました。「不具合要因の仮説を立てたが、関係寸法が多く検証に時間がかかる」という状況に対し、SQC手法(ロジスティック回帰分析、一元配置実験)を用いることで、寄与する寸法を迅速に特定することができました。市場クレームから将来の未然防止に役立つ設計ガイドラインを得られた事例として紹介します。

キャビンエアフィルタ 接着不良撲滅

新郷 正浩 氏
トヨタ紡織株式会社
当社の刈谷工場では、キャビンエアフィルタ(カーエアコン用フィルタ)を生産しています。
キャビンエアフィルタは、不織布ガスケットと折曲加工したろ材を、接着剤にて貼り合わせることで完成します。
コロナ禍からの市場回復に伴う、原材料の需要増により既存接着剤が不足することが発覚し、代替材を検討する必要がありました。
この代替材は、材料特性上乾きづらく、事前試行により現状の加工条件ではろ材剥がれ不良が発生するため、加工条件の見直しが必要となりました。
この活動では、設備条件を定量的に、性能を満足する最適条件を最小の実験回数で導き出し、不良低減を実施した事例を紹介します。

アルミダイカスト製品の内部欠陥の低減

関根 淳史 氏
株式会社アーレスティ栃木
アルミダイカストは、ダイカストマシンで溶湯を金型の中に高速・高圧で充填します。
その際に充填途中で発生する空気、ガスの巻き込みや、アルミが凝固する際に起きるひけ性により内部欠陥が生じます。このような内部欠陥を鋳巣といい、製品ごとに鋳巣規格があります。そして、規格を超えると不良品と判定します。本事例では、鋳巣の発生を改善する為に実験を何度も行い、SQCを用いてデータを分析して仮説を検証した改善活動を紹介します。

心理的安全性を高め、仕事のスピードアップと人材育成を両立する
『2つのカタ』

~『ものの言いカタ』と『仕事のカタ』~

藤原 慎太郎 氏
国立大学法人 名古屋工業大学
職場では、Z世代や外国人メンバーの割合が増加し、価値観の多様化が進んでいます。「もっと頑張ろうよ」といった精神論だけでは立ち行かない。これが今の職場です。一方でマネジャーには大きな成果が求められ、ハラスメントにも気を払わないといけないといった状況に置かれています。メンバーも辛ければ、上司も辛い。これが実態ではないでしょうか。
そこで、「メンバー一人ひとりの働く幸せ」「職場の心理的安全性」「職場組織としての成果」のすべてを成り立たせる方法論として、シンプルながらも効果抜群な2つのカタをつくりました。一つ目は「ものの言いカタ」、二つ目は「仕事のカタ」です。「簡単導入、即効成果」が最大の特長です。
C会場

人材育成、顧客満足(CS)向上活動、
その他(Bigdataの可視化,PDCAに代わる問題解決手法,工場のDX化)

中小企業向け工場幹部教育の実際

花﨑 雅彦 氏
住友理工株式会社
【共同発表者】 中部品質管理協会 北村 玉男 氏
弊社で主導してきた仕入先への改善支援活動及び仕入先社長とのインタビューから得た知見を基に、2021年度新たに『中小企業向け工場幹部育成講座』を立上げ、3年間実施してきた活動について報告する。「工場管理」「改善手法」「QC手法」などの知識や活用法が不十分な中小企業工場幹部が、顧客と共に品質向上、生産性向上に日々邁進している実態を紹介する。また、実際に講義(座学)やテーマ指導(現場)を進めていくと、彼らは研修受講経験が少ないことに加え、QCC活動など個別の改善経験はあるものの工場全体をマネージしながらの改善活動を行った経験がほとんどなかった為、自立化に向けた教育・指導に大変苦労した。本稿ではここに焦点を当て、実際の講義や実践テーマ指導の具体例も入れてお話ししたい。

問題解決実践指導による長期的視点での人材育成

熊井 秀俊 氏
元株式会社リコー
問題解決もうすでに高度に体系化された考え方進め方がある。しかし組織の中で実践され成果報告をしているものの、芳しい結果もなく活気のある活動になっていないことがある。それは実践の中で「目的」を考えることが疎かであることが大きな原因であり、そこで実践の指導にあたっては「目的を問う」ことに重点を置いている。ここで今回はさらに「目的を問う」指導をさらに具体化して進め、個別テーマの問題解決だけでなく、次の改善や大きな改革に結び付ける問題解決を継続的に行い進化させ、それを楽しくワクワクできるようにする、長期的視点での人材育成としてのより高度な問題解決の指導について、実践指導の具体例を入れて論じる。

職場に寄り添った継続的な人財育成のしくみ・風土づくり

~世話人と連携したマルチパスウェイの取り組み~

鵜飼 晃弘 氏
トヨタ自動車株式会社
昨今、全社DX推進組織を設置し一丸となって取り組まれている会社がほとんどかと思います。
当部ではかねてより設計・生技・製造領域に対しデータ活用人財の育成について取り組んできました。
DX・デジタル化を受け全社に向けて取組みを拡大しましが、思うようにいきませんでした。
これは、長年運営してきた方法が初めての部署には理解が難しい という点と 各部の状況を鑑みずに一律の情報発信や取組の依頼をしたことによる距離感が原因の1つでありました。
本発表では、大規模な施策や費用をかけずに、各部の状況に応じた取組み・進め方のカスタマイズと推進協力者を配置することで活動が進みだした事例を紹介いたします。

守りから攻めへ!付加価値を生む品質活動への変革チャレンジ

田中 啓 氏
トヨタ自動車株式会社
【共同発表者】櫻井 直樹 氏
弊社では未然防止・量産品質の改善・再発防止のサイクルを回しながら品質向上に取組んでいます。
一方、お客様・社会ニーズの多様化やカーボンニュートラルへの取組み、新規メーカー参入等の環境変化から、もっとタイムリーに多様な価値の提供が必要となります。
パワートレーン領域では従来の活動を更に発展させ、「お客様と繋がる」「製品・サービスの改善」「業務品質の改善」「風土醸成・人財育成」の4軸の挑戦により働き方・風土など経営基盤にも繋がる変革を目指しています。本発表では、お客様の声(言語データ)や車両データを活用したお客様目線醸成・ニーズ把握、組織を超えた知見活用によるモノづくり競争力向上等の事例を紹介します。

DN7を活用したデータ駆動型品質管理とアジャイル改善

吉野 睦 氏
株式会社デンソー
品質管理とは、管理という訳語が当てられたが、実は是正の積み重ねによる品質維持活動であることは言うまでもない。DX化が進んだ現在では、工場IoTによって取得された平時のデータを可視化することにより、工程上の問題を芽の段階で発見し、素早い改善を行って工程安定状態を維持する活動が望まれている。その活動に供する可視化ツールの活用事例の紹介を通じて、現地現物の観察を起点とした活動への変革を訴求したい。
D会場

その他(失敗学適用事例)、工程の品質改善・効率化、
その他(業務プロセスの改善・改革し、会社を変えてゆく活動)、
マネジメントと組織運営

オリンパスにおける失敗学の推進

吉満 浩一 氏
オリンパスメディカルシステムズ株式会社
【共同発表者】廣岡 健児 氏
オリンパスは、お客様に安全に医療機器を使って頂けるモノづくりを推進している。その中で様々な是正処置(不適合の原因を除去する処置)を経験している。望ましくはそもそもの不適合の発生を抑えることである。つまり起こり得る不適合の発生を防止する予防処置である。しかしながら弊社では予防処置案件より是正処置案件が多くを占めてしまっている。そこで、予防処置取組強化の1つとして、失敗学に着目している。失敗学では動機的原因から失敗のカラクリをあぶりだす。失敗学を活用することで従来の是正処置の有効性向上と類似失敗の防止・予防処置(未然防止)に繋げたい。

正常データから異常を見つけ出せ
締付工具の時系列データによる製品良否判定

村田 健 氏
トヨタ自動車株式会社
私の所属している部署では車両製造における締付工程の品質管理業務を担当している。
従来では、最終角度・最終トルク・締付時間等の最終値に対して閾値を設定して良否判定をしていた。
最終値のみで判断をしているため、締付途中で異常があったとしても正常と誤判定をする可能性があった。
今回は時系列データを活用することで、締結中も含めてより多くの特徴量を抽出する。
時系列データを正常と異なるものを摘出することで、従来では締付工具で保証できていなかった不具合の流出を押さえることができた事例を発表する。

I-Projectの10年

森 孝志 氏
株式会社IHI
IHIグループでは、2004年度からグループ各社・部門が一致団結し、チーム一丸となり、グループ全体が飛躍することを目的として、「意識改革運動」を開始した。その結果、職場の活性化、風土改革が一定程度進んだことから、2013年度より「PDCAサイクルを実行し、成果を上げること」に重点を置く「業務改善活動(I-Project)」へ方向転換し、「業務プロセスの改善・改革に取組み、業務品質及び生産性の向上を実現し、会社を変えてゆこう」を目的として活動を開始した。I-Projectでは、トップダウンによる職場目標を設定し、上司が責任をもって活動を推進、プロジェクト型課題解決をコンセプトとして活動している。本発表では、この10年間のI-Projectの活動内容について紹介する。

マニュアルからの脱却!
TQMによる環境・品質マネジメントシステムの統合

岡村 隆広 氏
株式会社セキソー
以前より当社の品質・環境マネジメントシステムは外部審査に対応するためだけの文書が存在し、実務上、効率が悪かった。例えば、審査用にISOの項番を模したマニュアルを作成し、それに準じた内部監査やマネジメントレビューの文書には毎回同じような内容が記載されることが多かった。これは、事業プロセスへの品質・環境マネジメントシステムの統合を阻害する原因でもあった。そこで、各マネジメントシステムをTQMで整理することで、審査のためのマネジメントシステムから脱却し、TQMをベースとした本業のためのマネジメントシステムの構築を目指した。

MDR四半期報告におけるデータ処理時間の短縮

副題:RPA活用によるデータ処理時間の短縮

犬塚 綾子 氏
株式会社ジーシーデンタルプロダクツ
弊社は、歯科医療機器メーカーである㈱ジーシーのグループ会社として1958年に設立され、世界の人々へ「口腔を通しての健康」を提供する企業として、「健康長寿社会を実現する歯科界のリーディングカンパニーとなる」をビジョンに掲げ活動を続けており、GQM(GCのTQM)導入(1981年)、デミング賞受賞(2003年)、日本品質管理賞受賞(2006年)への挑戦を通じて企業品質の向上と現場力の強化を図りました。
品質保証部は品質問題の解決を行うとともに、いろいろなデータを処理し報告する間接業務があります。
本テーマでは、EUの法規制(MDR)に伴い必要となる四半期報告において、RPAを活用し間接業務の効率化を実現した改善事例を報告させていただきます。
E会場

マネジメントと組織運営、新商品開発・技術開発

製品検査プロセスにおける品質データ処理リスクの見える化

~グループ共通評価指標の構築~

土屋 誠 氏
AGC株式会社
【共同発表者】相良 堅作 氏
弊社は建築用・自動車用ガラス、電子部品、セラミックス、化学品といった様々な素材を扱うコングロマリットです。近年、社会的問題となっている品質偽装による不祥事やヒューマンエラーによる品質事故を弊社内で発生させないため、検査プロセスに潜むリスクを『製品を問わず共通』かつ『定量的』に評価できるオリジナルの方法「AGC品証プロセス-スコアリングメソッド」を考案しました。
本事例では、「AGC品証プロセス-スコアリングメソッド」の概要および活用方法についての説明を行い、具体的に製品検査プロセスに潜むリスクを低減させた取り組み事例を紹介いたします。

サンデンにおけるグローバル品質経営 「栄光と葛藤の歴史」を振り返る

~マネジメントと品質管理の歩み~

藤井 暢純 氏
一般財団法人SMI(サンデン経営研究所)
サンデンにおけるグローバル品質経営(栄光と葛藤の歴史)を振り返る~マネジメントと品質管理の歩み
①創立から高度経済成長~自転車ランプ,バイク,家電,冷蔵冷凍機,自販機,石油暖房機,カーエアコン他開発
②グローバル展開~技術提携,世界販売権,シンガポール,アメリカ進出,世界展開24カ国54拠点に拡大
③品質経営~独自の品質経営STQM活動~TQC,TPM,ISO,QC/TPM小集団活動導入→デミング賞,TPM賞へ
④環境経営~グローバル・品質経営と併行して1993年環境憲章,CO2冷媒冷凍機器開発,赤城フォレスト開発
⑤ホールディング化経営~各事業の分社化,自立化,独立採算,投資回収,STQM再構築,そして事業再生ADR
上記歴史の中から抽出される品質経営について~ a)トップのリーダーシップ, b)全社員全組織全階層による改善活動, c)国内・グローバル関連会社に展開したSTQM, d)科学的品質管理教育, e)グローバル拠点順次主催方式の世界大会開催

電動化技術を磨いて、SDGsへ貢献

~部員が団結し、自律的に挑戦する職場づくり~

須山 大樹 氏
株式会社アイシン
クルマの電動化が急激に自動車業界を変える中、当社はこの新たな時代に対応すべく、これまでの自動車部品の開発で培った技術・知見を基礎に、電動化に貢献するさまざまな技術を磨いている。

これにより今後も、SDGsに対応した革新的な電動化製品で、世界中のお客様に「感動」をお届けしていきたいと考え、先行開発に特化した部署として当部が組織された。

この急速な人員強化によるさまざまな課題を、マネジメントの取り組みにより、働きがいが得られる職場づくりをめざし、結果として先行開発の原動力を得る、といったことを考えた。

本事例は、この活動の結果、毎年実施する全社員の意識調査アンケートで、働きがいのスコアを大きく向上させ、全社トップクラスの職場づくりを実現させた取組みを紹介するものである。

QFD・FTAを活用した薄肉長尺樹脂成形工法の開発

鈴木 裕二 氏
株式会社アイシン
【共同発表者】 佐々木 匠 氏
アイシンでは、車両の電動化に注力しており、感動を与える商品・工法開発を加速している。
私の所属部署では、おもてなし商品の1つであるパワーバックドア(PBD)駆動ユニットの生産工法の開発・生産準備を担当している。
従来 PBDユニットは、SUV車両に装着されているが、小型車両にも搭載拡大するには、更なる軽量化が必要である。主要構成部品であるTUBE材質を鉄から樹脂へ置換を図る為に必要な生産システム(特殊ゲート形状・多品種同時成形技術等)を開発した。
QFD・FTAを活用し、戦略的に課題解決を推進したので紹介する。

車載品質ナレッジデーターベースと失敗学の統合による製品品質の向上

森島 守人 氏
ヤマハ株式会社
近年は静寂なEVや自動運転車の登場により高品位なサウンドシステムのニーズが高まっている。弊社はこの車載システムの製品品質実現のため、商品開発から工程設計および市場までのヒヤリハットや不具合情報をFMEAベースのナレッジDBに登録した。これを開発初期段階から活用したことで、部門横断で属人性を軽減した各種レビューを実施することができ製品品質の向上に寄与できた。
ところが設計ポカには改善が見えなかった。ポカは人的ミスが主要因なので失敗学が有効であると考えた。そこでナレッジDBを分析し具体的な失敗分析から発生予防策を導き出し、FMEAに組み込み、流出防止対策を行なった。これらによる設計ポカ改善の考察を報告する。