レビューオリエンテーションキットを用いた、育成によるレビュー文化の形成
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発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
レビューの重要性/技法の解説は一般的に普及しているが、レビュー担当者の必要教育/育成に関する書籍・論文は極めて少ない。また、体系的な技術教育としての学習範囲/分類のまとめみならず、品質担当者育成の段階的教育/経験・キャリア別の育成に関する方針書としても、「心構え」といった観点を加えて解説している点が特筆に値する。
企業の品質教育の一助として価値がある。
概要 :
ソフトウェアの欠陥を上流工程で摘出するにはレビューが有効であるが、少数のレビュー上級者がレビューを実施する組織では、レビュー上級者への負担集中、レビュー可能な範囲の制限などの問題が生じてくる。またレビューが形骸化している組織では、レビュー自体に抵抗感が生じてくる。
これらの問題の原因は、レビュー初級者の育成不足によるレビュー担当者の人口不足、非効率・効果の低いレビューによるレビュー環境の悪化などが挙げられる。
本研究チームでは、レビュー初心者でもレビューで期待される結果を出せれば、レビュー人口は増加し、レビュー環境を改善できると考えた。そこで初心者が持つレビューへの抵抗感を減らし、実践的かつ効果的なレビューの技術を学べる「レビューオリエンテーションキット」を開発した。本研究ではレビュー担当者に対してアンケートを実施し、このキットでレビューに関する課題が改善されそうか調査を行ったところ、課題の多くが解決されるだろうという分析結果を得た。本論文では、本研究チームで作成したレビューオリエンテーションキットの紹介と、そのキットのアンケートの分析結果及び今後の展望について報告する。
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