作成者の認知バイアスに着目したレビュー手法の提案
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発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
認知心理学・社会心理学の理論「認知バイアス」をご存知だろうか?
「曖昧性効果」「専門偏向」「共有情報バイアス」「ゼロリスクバイアス」「アンカリング」など、193個の定義があるが、その中から、ソフトウェア開発の現場で作成者が掛かる可能性が高く、かつ、その影響度が高い13個に絞り込み、レビュー時の欠陥検出に活用する方法が提案されている。
レビュー対象成果物への記載漏れや考慮不足といった検出難易度が高い欠陥をどうやって検出すれば良いのか悩んでいる方は、一読されることをお勧めする。
概要 :
レビューでの重大欠陥の検出漏れは,後工程での手戻りや本番環境での重障害を引き起こしてしまう問題がある.検出漏れの要因の一つとして,欠陥の検出難易度が高いことが挙げられる.この検出難易度が高い欠陥は,認知バイアスを起因とするヒューマンエラーによって混入している場合がある.しかし,検出難易度の高い欠陥は,レビュー対象の成果物だけを見ていても検出できないことが多い.
我々は,「レビューアが,成果物作成時の作成者の置かれた状況と作成された成果物の特徴から,どの認知バイアスに掛かっているかを推測し,混入した欠陥の傾向を特定することで,重大欠陥または検出難易度の高い欠陥を効率的に検出する手法」D2BOCs法を提案する.検証により,D2BOCs法が,重大欠陥及び検出難易度の高い欠陥の検出に有効であることがわかった.
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