アジャイル開発「スクラム」におけるプロダクトオーナーの「勘所」- QCD 問題を察知するための「メトリクス」と「勘所性」の提言 -
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発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
アジャイル開発手法「スクラム」を用いた開発プロジェクトでは、プロダクトオーナー(PO)から見ると、反復開発するスプリント毎では順調に思えたのが、実は開発状況をうまく把握できていなかったために、品質(Quality) ,コスト(Cost) ,納期(Delivery)の問題が開発プロジェクトの後半に発覚することも少なくありません。
そこで、各スプリントと開発プロジェクト全体の問題を可視化し、POがQCD問題の予兆を察知して対策するきっかけを掴めるような「勘所性」のあるメトリクスを提案しています。プロダクト品質の技術面とプロジェクト管理面から絞り込んだ17種のメトリクスで、開発プロジェクトのメンバからの有益性、実現可能性の評価についても調査しています。
概要 :
アジャイル開発手法の一つである「スクラム」では、開発チームの作業に責任を持つプロダクトオーナー(以下 PO)が開発状況を把握できず、品質(Quality) 、コスト(Cost) 、 納期(Delivery)の問題(以下 QCD問題)が開発プロジェクトの後半に発覚することが多い。 そこでわれわれは、スプリントのメトリクスを定義し、スプリント単位、開発プロジェ クト全体の問題を可視化することによって、PO が QCD 問題の予兆を察知するための「勘所」を押さえ、遚切な対策が打てるという仮説を立てた。 方策として、勘所を押さえる複数のメトリクスを定義し、「スクラム用 PO 勘所一覧表」としてまとめた。本方策による仮説検証のため、研究員所属各社のソフトウェア関係者に アンケートを実施し分析した。その際、「勘所性」を定義し、各メトリクスが QCD 問題の予兆を察知するために有効か否かを判断した。
結果、一邪のメトリクスに条件が付くものの、すべてのメトリクスに「勘所性あり」を 確認した。これによりスクラムの QCD 問題の予兆察知につながると判断できた。
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