JUSE-エグゼクティブセミナー

開催レポート

日程:2019年9月20日(金)~21日(土)
会場:セミナーハウス フォーリッジ 

1.「JUSE-エグゼクティブセミナー」3月目実施される!
  -事業構想から実装へいかに「不確実性を価値創造に変える」が主題-

「JUSE-エグゼクティブセミナー」の第3月目が9月20日(金)、21日(土)の両日、セミナーハウスフォーリッジにて合宿の集中講座で開催された。

籠屋氏

2.不確実性を価値創造に変える 衆知錬成の意思決定

初日は、ディシジョンマインド社 代表 籠屋邦夫氏が登壇し、「不確実性を価値創造に変える衆知錬成の意思決定」と題し、講義と演習で理解を深め進めていった。

昨今の企業を取り巻く環境は、VUCAの時代と呼ばれるほどかつてないほどの厳しさと不確実性を増している。この未知の「正解の無い」に等しい世界で、経営者・リーダーには、事業環境の変化を敏感に察知「自らの解を作り上げていく」ことが求められている。そこでのキーワードは「不確実性」と「衆知錬成」である。

即ち、大きな不確実性とリスクを持つ事業戦略課題に、関係者・組織全員のチームとしての知恵とスキルと意欲を結集して、納得解を一緒に作り上げ・意思決定し・一丸となって実行に取り組むことが求められる。

不確実な状況下において、意思決定する有効な方法論として、ディシジョンマネジメントという思考体系が紹介された。

ディシジョンマネジメントの流れ

また、その日の午後はグループに分かれて、意思決定の不明確さで物議を醸し社会問題となった時事をもとに、ディシジョンマネジメントを活用した課題整理の演習に取り組んだ。各グループ活発な議論が交わされ、納得性の高い結論を導き出す意思決定の方法を習得でき有益な時間となった。

最後に限られた時間であったため、数社の自社事例をもとに籠屋講師と加藤講師と受講者の3者で実際の「当社は顧客の〇〇の実現にコミットするのか?」「マネタイズ・シナリオ」の研究課題について不確実性を回避するための実践指導が行われた。

3.事業構想基本フレーム作成のための活動システムの事例紹介

翌日は、加藤講師より数社の事例をもとに「活動システムの作り方」の講義があった。本日まで取り組んできた「品質経営推進フレームワークの検討」の流れ・位置づけを整理する意味でもとても有意義な講義であった。

加藤氏による講義

4.収益獲得のシナリオに基づいた事業モデルを立案する!(自社研究)

1日目の夕刻から2日目にかけて、グループに分かれたモデル企業をベースとした「品質経営推進フレームワークの検討」ワークを行った。検討内容は以下のとおり。

  1. (1)Do展開表を用いたジョブ展開(顧客Doから自社Doへ)、ハード・ソフトの検討、収益獲得のシナリオづくりの見直し
  2. (2)顧客進歩プロセス(片付いていく顧客のジョブが進化していく過程)の検討
  3. (3)活動システム(事業モデルの青写真(活動連鎖の見える化))の検討
  4. (4)イシュー(活動システムの実現に向けて一丸となって答えるべき問い)の検討

(1)Do展開表を使用したジョブ展開(顧客Doから自社Doへ)、
   ハード・ソフトの検討、収益獲得のシナリオづくりの見直し

前月(8月)は、顧客の何を実現するのか、そのために顧客Doの展開を行い、自社Doの検討を行った。そして、それをいかに収益化していくのかを検討したわけだが、まずは、前回の内容の振り返りをしたうえで、適宜先月検討した内容に加筆・修正を行った。

(2)顧客進歩プロセス(片付いていく顧客のジョブが進化していく過程)の検討

顧客進歩プロセスでは、お星さまに相当する「親分級Do結果」に向かって、最初に達成すべきDo結果は何か。そのDo結果を土台にして次に達成すべきDo結果は何か。それら一連のDo結果があればこそ、ファイナルステージで達成すべきDo結果は何か。そのようなホップ・ステップ・ジャンプ形式でDo結果達成のストーリーを描く。Do結果達成ストーリーが顧客から見て魅力的であるほど、長期にわたる良好な顧客関係性が築かれると同時に、各Do結果を実現するための道具としてのハード・ソフトが継続的に顧客によって取り入れられ、顧客シェアが高まる。

顧客進歩プロセスを組み立てる際のポイントは以下のとおりである。

  • 顧客進歩プロセスの基本的考え方は、「長期的展望に立って顧客の成長に寄り添う」だが、これは「片付いていく顧客のジョブが進化していく過程をサポートする」である。
  • リストアップされたDoニーズを俯瞰すると、「比較的早い段階で実現しそうなDoニーズ」と「実現には相当程度の時間がかかりそうなDoニーズ」に分かれる。その時間的推移(ホップ・ステップ・ジャンプ)を検討する。「マイルストーンを設定する」というイメージで、Doニーズの実現が進化していく様子を考える。

(3)活動システム(事業モデルの青写真(活動連鎖の見える化))の検討

活動システムでは、マネタイズ・シナリオを実際にものにするために自社オペレーションに求められる諸活動を洗い出したのち、洗い出した活動間の前後関係に着目して、全体構造(組織オペレーションの全体像)を作図する。

活動システムを組み立てる際のポイントは以下のとおりである。

  • マネタイズ・シナリオ上に自社Do(自社は何をどうする)を付箋に書いて貼っていく。自社Do項目数の目安としては20個程度。
  • 自社Doには2種類ある。1つは活動システムDo(活シスDo)である。活シスDoは「どういう組織オペレーションにすべきか?」というDoである。さまざまな方策を講じて安定状態に達した暁に、組織オペレーションの仕組みにおいて「何をどうする」ことができるようになっていればよいかを表したDoである。もう1つは活動計画Do(活計Do)である。活計Doは「どうやって活動システムに到達するか?」というDoである。仕組みの構築に向けて、誰が、いつまでに「何をどうすべきか」を表したDoである。活動システムに活計Do項目を含めてはいけない。欲しい自社Doは活シスDoである。
  • 洗い出した自社Doには前後関係がある。前後関係や因果関係に着目して線で結び、全体構造を構築する。作図中に活動項目の不足に気づいた場合には、適宜、活動間の因果を補う活動を追加する。

(4)イシュー(活動システム高度化に向けて一丸となって答えるべき問い)の検討

イシューでは、まず、活動システムをより高度化することに向けて強化すべき領域はどこか、それを活動システム上でゾーニングする。ゾーニングした箇所に、活動システム高度化に向けて組織一丸となって答えるべき問い(いかに何をどうすべきか)という観点でタイトルをつける。

5.3月目のまとめと次月に向けて

品質経営推進フレームワークの検討ワークは、各グループによって進行のばらつきはあるものの、おおむねイシューの検討まで進んだ。
1日目の籠谷氏の講義にあった、ディシジョンマネジメントという思考体系という顧客価値創造を実現する共通言語を得たことで、ワークの検討が、よりスムーズに進んでいったと感じた。

自社研究 発表風景

次回(第4月目)は、中村和彦氏(南山大学 人文学部心理人間学科 教授,人間関係研究センター センター長)による「組織開発の考え方と社内での展開」という講義と演習が予定されている。今回検討した活動システムを、実現可能な組織オペレーション実現の一歩として組織開発の考え方を学ぶ。
そして、「品質経営推進フレームワーク」の検討においては、中村氏の講義を受けて、今回検討した活動システムのブラッシュアップと重点課題の洗い出しの検討を引き続き行う。

まとめ:北林 寛史、平山 貴之