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JUSE-エグゼクティブセミナー

講義概要

ストーリーとしての競争戦略

楠木 建 氏
一橋大学大学院

アジェンダ

① 競争の目的
② 競争戦略とは何か
「ストーリー」の重要性
④ 戦略ストーリーのコンセプト
⑤ 戦略ストーリーのクリティカルコア

アブストラクト

戦略は「こうしよう」という主体的な意図の表明であり、「こうなるだろう」という将来予測ではありません。さまざまな打ち手がつながって、全体として長期利益に向かって動いていくという時間展開が動画のように見えてきます。優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリーでなくてはなりません。ストーリーという視点から競争戦略と競争優位についての論理を解明します。

サービス・マネジメント‟価値づくり”の‟レンズ”

藤川 佳則 氏
一橋大学 副学長補佐(国際交流)、一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻 MBAプログラム・ディレクター&准教授

アジェンダ

皆さんの中に、これまで「サービス・マネジメント」という言葉をお聞きになったことがある方はいらっしゃいますでしょうか。経営学においても比較的新しい領域である「サービス・マネジメント」は、サービス業だけを対象とした研究でもなければ、学術成果のみを目指す学問でもありません。「脱コモディティ化」、「製造業のサービス化」、「モノのインターネット」などの現象に見られるように、サービス企業にとっても、モノづくり企業にとっても、従来の産業の垣根を超えて「サービス・マネジメント」の重要性が高まりつつあります。
本セッションは、「サービス・マネジメント」の最前線の議論や概念を紹介し、参加者の皆さんの業界や事業にあてはめていただきながら、自社の「価値づくり」の未来を展望していただきます。

アブストラクト

本講義では、まず、現在、地球規模かつ数十年単位で進む変化を3つのキーワード:

  • SHIFT(世界経済はサービス化へ)
  • MELT(産業の垣根はあいまいに)
  • TILT(世界経済の重心が北半球から南半球に)

を通して紹介します。次に、そうした変化の激しい環境において新たな「価値づくり」を牽引する先進事例を、「レンズ」(われわれが知らず知らずのうちにかけているメガネやフィルタのようなもの)という視点でとらえます。グローバル化とデジタル化が急速に進む世界経済において、われわれがかけるレンズが今までのままでよいのかを問いかけたうえで、近年世界規模で議論が進む3つのレンズ

  • GDL(グッズ・ドミナント・ロジック)
  • SDL(サービス・ドミナント・ロジック)
  • MSP(マルチ・サイド・プラットフォーム)

を紹介します。慣れ親しんだGDLというレンズをはずし、SDLやMSPなどの新たなレンズをかけて、自社の「価値づくり」の未来を眺めてみると、どのような機会や課題がみえてくるでしょうか。
当日のセッションは、皆さんの業界や事業への応用を通じて、参加型のディスカッションを中心に進めていきます。

不確実性を価値創造に変える‟衆知錬成の意思決定”

籠屋 邦夫 氏
ディシジョンマインド 代表、ディシジョンアドバイザー

アジェンダ

  • 衆知雲散から衆知錬成へ
  • 意思決定思考---不確実性のもとで未来を切り拓くための基本姿勢
  • 包括的価値創造ステップ
  • 具体的方法論としてのディシジョンマネジメント

アブストラクト

日本企業はコンセンサス経営と言われます。しかしその実態は、とりわけ不確実性のもとでの意思決定において、衆知結集どころか衆知雲散になっています。本講義ではまず、ありがちな衆知雲散の状況から、如何に衆知を練りあげ価値創造につなげていくか(=衆知錬成)についての切り込み方を紹介します。具体的には未来を切り拓く基本姿勢としての「意思決定思考」と、それにもとづく「包括的価値創造ステップ」を学んでいただきます。さらに具体的方法論として、スタンフォード大学発祥の「ディシジョンマネジメント」を説明します。また、学んでいただいたコンセプトやツールを、グループワーク演習を通じて修得を図ります。

ブランドマネジメント活動

加藤 雄一郎 氏
名古屋工業大学 産学官金連携機構 プロジェクト教授

アブストラクト

「これからの日本はビジネスモデルで先行し、現場力勝負に持ち込めば負けることはない」をいかに実践するか。持続的改善の取組みに優れた企業が多いことを考えると、事業構想力が産業界に強く求められるといえます。本講義では、事業に関わる一人ひとりが自らの知見を活かして事業の明日を考える組織的取組みとして「ブランドマネジメント活動(BM活動)」に焦点を当て、新しい全員参加型経営のかたちを考えます。
市場環境変化が激しい今日、従業員各人の知見を活かすBM活動は事業の成否を分かつ鍵になりえます。「ビジネスモデルで先行し、現場力勝負に持ち込む」の実践に向けて、『勝てる人財と組織の創り方』を一緒に考えていきましょう。

グローバル競争を勝ち抜く 現場力と日本品質

遠藤 功 氏
株式会社シナ・コーポレーション 代表取締役

アジェンダ

  • 日本現場力の強み
  • 経営者が育てるべき現場力
  • 経営者は、現場にどう関与しなければならないのか
  • 顧客価値創造のための現場のあり方
  • 強い”現場”を構築するための必要条件

アブストラクト

アジェンダ記載のキーワードを軸にグローバル競争の中で勝ち残っていくために、本セミナーの基本コンセプトでもある「これからの日本は、ビジネスモデルで先行し、現場力勝負に持ち込めば負けない」を実践できるような、『勝てる人財と組織の創り方』について紹介する。

TQMの概要

どんなに完璧な戦略的ポジショニングが立案できたとしても、その戦略を実現するための組織能力を持ち合わせていなければ、所詮それは“絵に描いた餅”に過ぎません。言い換えれば、顧客価値創造と組織能力向上の両立が企業価値の最大化には不可欠ということができると思います。
本エグゼクティブセミナーでは、TQMのコアツールである、「方針管理」や「日常管理」、「機能別管理システムの構築と運用(新製品開発、原価管理、情報化など)」をいかに効果的に展開・活用していくか、その理論と実践を体得いただきます。その実践のキーとなる人財の育成、その実現の効果的な方法論である職制・スタッフの改善活動、QCサークル活動の推進・支援のあり方について、造詣の深い講師から指導を行います。

用語説明

  • Beニーズ

    どうなりたいのか?の問いに答えたもの。
  • Do展開(表)

    顧客のDoニーズを探索するにあたり、品質機能展開の要領で、一足飛びに方策アイデアに達することなく、丁寧に一段ずつ1次→2次→3次とDo展開を行うこと、およびそのためのツール。
  • Doニーズ

    Beニーズを実現するために、何をしたいのか?の問いに答えたもの。
  • Doリスト

    構想を実現するために組織が行う主要活動を列挙したもの。
  • Haveニーズ

    Doニーズを実現するために、どんな道具が欲しいのか?の問いに答えたもの。
  • SP(Strategic Positioning)

    事業の戦略的な位置取り。
  • TQM

    顧客の満足する品質を備えた品物やサービスを適時に適切な価格で提供できるように、全組織を効果的・効率的に運営し、組織目的の達成に貢献する体系的活動。顧客・社会のニーズや技術の変化、自組織の現状を踏まえて事業構想を考え、実現するための組織能力を生み出す方法論。
  • TQM推進計画

    組織が行うTQM活動を、TQMの定義通り、有効化/効率化するために策定されたTQM活動要素に関する維持/改善の計画。本セミナーでは、事業構想基本フレームで作成した「どのように実現するのか」という組織能力の獲得と、どのような経営環境の変化にも耐えうる組織能力の獲得を同時に達成するための計画を指す。
  • TQMステージ評価(表)

    事業構想に関わる、関連会社・パートナーなどを含む自組織のTQM活動・品質マネジメント活動の現状を、1~5のステージで評価すること、およびその評価表。
  • 維持向上(狭い意味の管理)

    目標を現状またはその延長線上に設定し、目標からずれないように、ずれた場合には直ぐに元に戻せるように、さらには現状よりも良い結果が得られるようにする活動をいう。
  • イシュー(issue)

    活動システムにおいて強化しなければならない事柄。
  • 改善

    製品・サービス、プロセス、システムなどについて、目標を現状より高い水準に設定して、問題または課題を特定し、問題解決または課題達成を繰り返し行う活動。
  • 価値関連図

    自社 Do をもとに、価値の提供先とあらゆるステークホルダー(誰に)、価値の内容(何を)、対価・お金の流れを整理した図。
  • 価値共創プロセス

    サービス・ドミナント・ロジックの考え方に基づき、顧客と共に顧客が目指す場所に向かって、共に歩み、成長していく様子を表わしたもの。「顧客成長プロセス」ともいう場合がある。
  • 活動システム

    マネタイズ・シナリオを実現する組織オペレーションの仕組み。Doリストで列挙された各Doを因果関係に基づき図解したもの。
  • カテゴリ・イノベーション

    コモディティ化の“負の連鎖”を断ち切るカギとなる着想。「価値次元の転換」と「決定要因の見えない化」の2つの視点を内包する。
  • 機能別管理

    組織を運営管理する上で基本となる要素(例えば、品質、コスト、量・納期、安全、人材育成、環境など)について、各々の要素ごとに部門横断的なマネジメントシステムを構築し、当該要素に責任をもつ委員会などを設けることによって総合的に運営管理し、組織全体で目的を達成していくこと。
  • グッズ・ドミナント・ロジック

    価値は、工場出荷時点で「モノ」に備わっている、という考え方。提供側のプロセスのみで品質保証は完結する。
  • 顧客

    製品・サービスを受け取るまたはその可能性のある個人または組織。実際に製品・サービスを購入している人という狭い意味ではなく、潜在的な購入者、ターゲットとしている購入者を、さらには使用者、利用者および消費者を含む。外部の組織・人だけでなく、組織内部の部門・人(後工程)を含む。
  • 顧客価値創造

    徹底的な顧客指向により、顧客と共に未来の社会的問題/課題の解決/達成に取り組み、顧客からの信頼度を向上させていくための活動。
  • サービス・ドミナント・ロジック

    価値は、顧客がモノを使いこなすことによって生まれる、という考え方。顧客の使用するプロセスを含めなければ品質保証は完結しない。
  • 事業計画

    事業の達成目的、目標、達成する計画・過程を示した公式のステートメントまたはその文書。1年から数年間(本セミナーにおいては5年間)の目標や戦略・戦術等をまとめたもの。
  • 事業構想

    「顧客の何の実現にコミットするか(What)」と「どのように実現するか(How)」を明確化すること。
  • 事業構想基本フレーム

    「顧客の何を実現し、儲け続けるのか?」というWhat(戦略的ポジショニング)と、このWhatを「どのようにして実現するのか?」というHow(組織能力)を一連のストーリーとして示した図。
  • 小集団改善活動

    共通の目的および様々な知識・技能・見方・考え方などを持つ少人数からなるチームを構成し、維持向上、改善および革新を行うことで、構成員の知識・技能・意欲を高めるとともに、組織の目的達成に貢献する活動。小集団改善活動には、改善チーム(組織の重要問題・重要課題について、その解決・達成のためにつくられた小グループ)による活動、QCサークル(第一線の職場で働く人々が、継続的に製品・サービスの品質/質またはプロセスの質の維持向上および改善を行うための小グループ)による活動などが含まれる。
  • ジョブ洞察(シート)

    サービス・ドミナント・ロジックの考え方に基づき、「顧客は何をしたいか(顧客Do)」と「その事業は何をすべきか(自社Do)」を、つまり、顧客は、何をすることができるようになれば喜ぶか(顧客Doニーズ)、それに応えるため我々が何をできるようになる必要があるか(自社Do)を導き出すためのシート。
  • 製品・サービス

    プロセスの結果であり、個人または組織に提供され価値を生み出すもの。ハードウェア、素材、ソフトウェア、サービス、エネルギー、情報など、あらゆる形態のものを含む。市場において取引の対象となるもののみでなく、組織内で受け渡されるものを含む。サービスとは、供給者と顧客(製品・サービスを受け取る個人または組織)との間で、顧客のために行われる活動、およびそれによって顧客にもたらされる便益である。
  • 戦略ストーリー

    筋道の通った儲け話。SPを実現する打ち手の連鎖を表現したもの。
  • 組織

    目的を達成するために、分化した役割を持つ個人や下位集団から構成される集団。顧客価値創造にかかわるあらゆる部門や階層、関連会社・パートナーなどの会社群が含まれる。
  • 組織開発

    組織内部の諸機能を有機的に結合する取り組み。
  • 組織能力、OC(Organizational Capability)

    組織または部門が特定の活動を行うことのできる力。特定の活動には、事業の計画・運営、企画、設計開発、調達、製造、物流、販売、サービス、人事、財務などの機能別の活動、および品質管理、コスト管理、量・納期管理、環境管理、安全管理などの横断的なマネジメント活動が含まれる。組織能力には、組織で働く一人ひとりの能力に加えて、複数の人、部門、階層、関連会社・パートナーなどが連携・協力する能力が含まれる。組織能力は、活動を通じて実証される。
  • ニーズ

    生活または活動を行う中で、顧客または社会が抱く必要性。ニーズには、要求事項などとして明示されるもの、安全や安心など当然のものとして明示されない暗黙のもの、顧客・社会自身も認識していない潜在しているものなどがある。
  • 日常管理

    各部門の担当業務について、その目的を効率的に達成するために実施しなければならないすべての活動。日常管理は、各部門が行っている担当業務そのものではなく、担当業務をより効率的なものにするための活動であり、特に、維持向上のために行う標準化、異常の検出・処置が重要となる。
  • 花火マップ

    事業が向き合うべき未来の社会的問題/課題を抽出するため、外部環境分析(PEST分析)の要領で検討するための放射状マップ。PEST 分析と同様に Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の 4 つの視点から、「①顧客に関わるであろう何が」「②今後どうなっていくのか」を予測し、「③そのような潮流をふまえた顧客の未来問題/課題は何か」を考えるツール。
  • 品質

    製品・サービス、プロセス、システム、経営、組織風土など、関心の対象となるものが明示された、暗黙の、または潜在しているニーズを満たす程度。
  • 品質保証

    顧客・社会のニーズを満たすことを確実にし、確認し、実証するために、組織が行う体系的活動。新製品・新サービス開発管理(新製品・新サービスに関わる活動を効果的かつ効率的に行うためのプロセスおよび/またはシステムを定め、維持向上、改善および/または革新して、次の新製品・新サービスの開発に活かす一連の活動)、プロセス保証(プロセスのアウトプットが要求される基準を満たすことを確実にする一連の活動)が重要となる。
  • 品質マネジメント教育

    顧客・社会のニーズを満たす製品・サービスを効果的かつ効率的に達成する上で必要な価値観、知識および技能を組織の構成員が身に付けるための、体系的な人材育成の活動。品質管理教育には、価値観を身に付けることを目的とするもの、知識および技能の習得を目的とするもの、それらの実務への適用能力の向上を目的とするものなどが含まれる。
  • 不確実性

    発生確率が不明で、何が起こるのかさえ予測できないこと。
  • ブランドマネジメント活動(BM活動)

    顧客にとってその企業がなくてはならない度合いを高め、選ばれ続ける存在となるための組織横断的な知識創造の取り組み。
  • プロセス

    インプットをアウトプットに変換する、相互に関連するまたは相互に作用する一連の活動。
  • 方針管理

    経営基本方針に基づき、長(中)期経営計画や短期経営方針を定め、それらを効果的・効率的に達成するために、企業組織全体の協力のもとに行われる活動。
  • マネタイズ・シナリオ

    共創プロセスを通じて当事業が手にする収益を4コマ構成の小噺として表したもの。