テスト阻害要因データを活用したデイリーフィードバックによるテスト管理
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年度 : 2016年  
紹介文 :
 我々はカーナビゲーションにおける携帯電話と連携するテレマ機能を開発している。テレマ機能は、スマートフォンを用いたサービスの拡充に伴い、規模の増加と複雑化が進む一方、開発期間は年々短くなっている。現実の開発においては、機能の設計、実装が遅れるとテスト期間が圧迫されるため、テスターを増員することでテスト期間の短縮を図っている。
 しかし、テスターの増員により、計画時以上のテスト項目が実施されるようになると、テスト方法やテストサイトの制約など様々な問題によりテストの生産性が低下する。特に増員したテスターにテスト未経験の割合が大きい場合には、テストの進捗を妨げる問題の特定と解消をテストマネージャに依頼することができないためテストの遅れはより顕著になる。
 我々はこの問題を解決するテスト管理プロセスを設計した。このプロセスでは、テスト未経験でも記入できるテスト実施を妨げる要因を分類した「阻害要因ラベル」を定義し、それを付与したテスト結果をテスターから定期的に収集する。さらに、阻害要因ラベル付きテスト結果を蓄積して分析することで、多数のテスト実施を妨げる要因を推測し特定することにより優先的に解消する。
 本発表では、設計したテスト管理プロセスについて説明し、この管理プロセスを実際のプロジェクトに適用した結果を報告する。適用したプロジェクトではテスト生産性を大幅に改善し、計画通りにテストを完了した。
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