欠陥密度の管理限界算出にはどれだけのデータを集めなければならないか
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年度 : 2014年  
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本発表では、欠陥密度の管理限界を適切に定めるにはどの程度のデータ蓄積が必要なのかの判定方法について議論する。

ソフトウェアの品質管理において欠陥密度は、上下の管理限界を定めその範囲に収まれば懸念なしとし、範囲外になった場合は品質に懸念ありとするように用いられることが多い。このため実務上妥当な管理を行うには管理限界を適切に定めることが重要になる。

管理限界を定める際に過去蓄積されたデータを用いる場合、適切な管理限界を得るためにどれだけのサンプルを集めなければならないかの判断基準が必要になる。

本発表では、欠陥密度は発見された欠陥数をLOC数で割ったものとする。また欠陥数はLOC数に対し離散的に発生するのでポアソン分布に従うとする。ポアソン分布においては上下の管理限界は、それまでに蓄積したサンプルの累積欠陥数を累積LOC数で割った欠陥密度があれば定めることができる。本発表では、ある時点において集まったデータを元に算出された平均値が、その後、継続的にデータを蓄積していくにつれどのように推移していくかを予測し、その予測の変動幅がデータ蓄積規模の増加対比小さい範囲に収まっているといえる状態に至れば妥当な管理が可能な程度にサンプルが集まったと判断できると考え、その方法を提案するとともに実施例を提示する。
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